話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

(旧)こっそり守る苦労人

ルド@

関係ない。

篠崎兄妹視点 


「此処でいいの?」
「うん、メールと同じ場所だ。」


双子の妹江梨から質問され答える蓮、手に持つ携帯を見ながら確認している。
彼らは今とある公園へ来ていた。
それ何故か?


「本当なの?ガセかもよ?」 
「それでも確認しないと・・・なにより」


少し元気がない江梨は、もう宿のホテルに戻って休みかったのだ。
そんな彼女に蓮は携帯を閉じ、江梨の目をみて言う。


文句を・・・言う資格・・・・なんてないんだよ?ぼくたちには」 
「う」


こうなったきっかけはーーー零とのトラブルの後である。
突然兄蓮の携帯にメールが着たのある。
差出人は不明であるが、自分達の上司の情報提供者からの様だ。(上司に確認した。)
その内容には、此処で例の新種魔獣・・・・が居るとの事だ。  
更に先程の協力者との件について、書かれており、”従わないと上司に報告する”と見え隠れした文書であったため、ホテルに行かず指定の公園に来ていた。


しかしこれは
 

(まさか江梨が暴れる事も計算の内狙ってた?)  


でも一体誰が? 
そんな事を考える蓮であるが・・・すぐに切り替える。


(いや、どのみち自分達に非があるのは明らかだ。それに江梨の問題今回の件についても責任を持って泉さんに謝罪とタカさんに報告しないと・・・ハァ) 


もう自分達は充分始末書問題級の事を仕出かしたのだ・・・・少しは返上しないと、上司と自称姉から特大の雷・・・・が落ちる。


「取り敢えず探そう。情報だと感知が難しいようだから」 
「はぁ・・そうね。」


そう思い、行動を起こそうとした二人・・・だが 


「え?」 
「あ、あれ?」 


立ち止まってしまった。何故なら 
彼らの視線の先にーーーー1人の男性がいた。


「待ってた。」


身体は色黒で短髪・・・見た目からするとプロレスラーかと思わせる腕の筋肉が黒色半袖から見えている。   
江梨は少なからず、気持ち悪くなってきた。彼女このような濃い男性は苦手なのだ・・・趣味の所為というのもあるが 


「ん?」 


蓮の背後に隠れる江梨を見て、不思議な顔をする男性。 


「あの・・貴方は?」 


代表として蓮が質問すると・・・男性は苦笑顏で言う。


「なぁーに、君らに悪戯メールした英次馬鹿の知り合いさーーーそして!」 


チリリリリリリリリッ!
男性の手からくさり・・チェーン出現しその端が公園の奥へと投げ込まれる。 
カチンーーーッ! 
何かが金属音した途端、男性が強く持つ鎖を引っ張るーーーーするとそこから 


「「シュ〜〜〜!シュ〜〜〜!キサマァァアアアア!」」


出てきたのは30代くらいの男性、作業着を着ているから近くの工事の作業員であろう。
しかし、そんな作業員の顔は真っ青で今にも白くなってしまいそうである。


「ひ、人!?」 
「一体これは・・・・!?」


声が二重に聞こえてきて、若干ホラーに感じる江梨・・・先程とは違う意味で気持ち悪そうにしている。 
蓮も真剣な表情でその作業員を見据えているが・・・・その額には汗が、そして僅かに震えている。


そんな2人に視線を戻す男性はニィ!と笑顔になって答える。 


「これから一緒に倒すのさーーーこの魔獣を」   


彼の名はスノウ・・・ーーー須膿すのう大真おおま 高校3年 (零たちとは別の学校) 
零と英次・・・2人の先輩である。異能・・の。  
作業員に取り憑いた魔獣を獲物でも見る・・・・・・かのように獰猛な笑みで睨んでいた。


******** 
佳奈視点
ココでいいのかな?
私は今学校から少し離れた森ーーーというより、人気ひとけのない草むらに来ていた。


「う〜〜〜?なにも居ないみたいだけど」 


まあ私の感知は、泉君ほど高レベルの感知能力じゃないから、絶対と言う自信はないけど


「本当にいるのかな?」 


さっき届いた差出人不明メールである。
内容は”この地点の例の新種の魔獣が出てくるから仕留めろ”との内容である。
読んでいくと・・・どうやらタカさんの知り合いみたいだから、タカさんに連絡して確認が取ってみたら・・・本当だった・・・・『そっちもか』とか呟いてたけど


「ん〜〜?けど・・」


私一人で倒せるのかな?
だって相手は新種だよ?
翔子さんがBランクって指定てたんだよ?(戦闘能力はCランク程度らしいけど) 
 なんか復活するらしいし・・・・大丈夫かな・・


「う〜〜〜不安になってきた。」


そんな事を思っていると・・・・茂みから 
カサッカサッ 


「ひっ!」


怖っ!何?奥の茂みがカサカサッ言った! 
怖いよ〜〜〜! ・・・・ん?


「「・・・・。」」
「あ」


なんだぁー!人だったよ!
もう〜!ビックリした!・・・・あれ? 


「「・・・・・。」」


何だろう?何かあの人から気味の悪い感覚が・・・・ハッ!?
バッ!


「「・・・・・。」」
「・・・・・。」 




本能的に距離とる私・・・これは勘だ。
長年の経験だけじゃない。
ここ最近泉君から訓練と称した『拷問』を耐え抜いてきた私だから分かること。


・・・・・・この人少し変!
見た目はどこにでも居るサリーマン風・・・・・・の男性だけど・・・ん?
あれ・・・? 
サリーマン・・・・・って・・・こんな草むらところなんて歩くかな? 


「「シュゥゥゥゥゥゥーーッ!」」
「歩かないよねっ!」


て、ふざけてる場合じゃない!戦闘開始だ!
修業の成果、見せてあげる!
・・・・・泉君のが伝染うつったかな(汗)  


******** 
英次視点


「つまり、今回の魔獣は複数居るということですよね?」
「そうだよ。・・・それこそが『分裂』の正体」 


もう答えを導き出してる凛さんに僕は笑顔で答える。
大したものだ。この集中状態の中でここまで思考が回るとは・・ 


「最初に発見したトカゲの魔獣は入れ物借り物。近くに居たのを取り憑いたという事ですね?」 
「その通り、だから感知した時、瘴気が不規則に上がったり下がったりして、安定しなかったんだ。所詮借り物だから」


さらに言えば、そんな状態だから簡単に殺られたんだろう。
魔獣とは瘴気あっての存在ーーーそのかなめがボロボロじゃ・・・戦う事態が無謀だ。


「では何故今回は人間を選んだのでしょう?あと人間の場合は心力が乱れるのでは?」


おっと凛さんがさらに質問してきたから回答しないとな・・・む、やっぱりさっきの方が楽だなぁ(ボソ) 


「ひとつ目の質問の答えは簡単ーーー居なかったんだ・・・・・・・。彼が逃走する先の大半は、現在魔獣が居ない箇所ばかり、ほとんどがここ一月・・・・の間に討伐されてるからね・・タイミングが悪かったんだろう。」


まあそれも、しょうがないけどね。
この近くの街でも、僕達・・の先輩たちが居るからね・・・・あの人達・・・・が自分の街に来た害虫を、野放しにするとは思えないな。


「それで選んだのがーー人間・・ですか」   
「もっと言えば心力が”豊富な人”を!ーーだろうね?だから零を狙ったんだ・・・・・・・依り代入れ物としては彼以上・・・の存在はいないと思ったんだろう。」
「愚かな魔獣ですね。」


全くだよ。口にしないけど。
よりにもよって、僕達の中で一番魔獣達君達を敵視して滅ぼしたくてしょうがない『死神さん』を狙うなんて・・・狩られちゃうよ? (文字通り)  


「あの女子生徒女性も心力が豊富だったと?」
「うん、彼女の場合は体質の問題もあったが・・・たぶん此処に来た時に丁度手頃てごろなのが居たから・・・・だね。」  


僕の話を聞いて、はあと溜息吐く凛さん
そうだね。疲れるよね?僕もだよ。凛さんとは違うけど。
本当困った話だーーーーまさか同士が居た・・・・・・・とは予想外だ。
たぶん零は体質云々うんぬんで納得してるかもしれないけど・・・・僕には視えた・・・
彼女ーーー沢藤さわふじ 愛佳あいかは間違いなく異能者の素質・・・・・・があるーーーそして開花仕掛けてる・・・・・・・
 ・・・・・これは面倒になりそうだ。これで5人目だよ?どうするよ零? 


「なるほど・・・ですが、敵は保険を掛けた。」


僕が結構悩んでる最中に凛さんが話を進め出した・・・・すごいね本当に
 

「あぁ、『分裂』の能力を使って、この学校以外ーーー緊急用逃走用として探しておいたんだろう。」
「奇襲が失敗した時のためですか?」  
「うん、結果して魔獣は別の身体で逃走しようとするけど・・・逃がさないよ・・・・・・?」


というか既に手は打ってある。


スノウ・・・さんにも助っ人を頼んだからね。何とかなるでしょ?」
「私はあの人が苦手です。」


顔をしかめる凛さん・・・彼は・・特定の人にはモテるよ?プロレス好きとか筋肉好きとか・・・色々・・  


「あぁっ忘れてた。ふたつ目の質問については答えはYesだ。所詮借り物なのは変わらないからね。それでも魔獣と比べると少しはマシなのかな?僕もしたけどたぶん零も感知を行った筈だ。多少乱れてたけど、予想してたより安定してたーーーー徐々に馴染んでる・・・・・・・・気がしたなアレは・・・・・・・・
「それも英次さんが急いでた理由ですね?」
「うん・・・それもある。」


もうひとつ・・・警戒してることがあるけどね。


「ところで」
「ん?」


他に聞きたい事でもあるのかな?と聞いてみる僕。
何か言い忘れた事でもあったかな? 


「わ、私は何時まで・・・・この状態・・・・維持すれば・・・・・?」


・・・・ああ・・それね。


「ん〜〜?今何処まで進んだ?」
「ラリーを続けて・・・6ー6シックスオールです。」
「・・・・・・・・あと10分は粘って?」
「えぇ〜〜〜!?」


驚きの声を上げる凛さんだが、視線は現在試合・・中の零と女子生徒・・・・・・・・に固定したままだ。
まあ逸らしたら”能力が解ける”とまでは言わないけど・・・周囲に違和感が出るからね。 


「まぁ頑張ってね?・・・・・零のためだよ♪」  
「ぅ〜〜〜っ、零さん〜〜〜早く帰ってきてください〜〜〜!(涙目)」(小さい声です。)    
********
零視点


ん?なんかリンの悲鳴が聞こえた気が・・・気のせいか聞こえるはずないし


「「ヨソミカ!?ナメルナーークッ!?」」 
「・・・・・・。」


そんなつもりはないぞ?ちゃんと攻撃してるし 
俺が少し視線を外してる隙に大鎌で叩き付けようとしてきた魔獣。
だがそんなモノを俺ではない。簡単に避けて振り切った状態でいる魔獣に大斧をかます。


「「シューナントミガルナ!」」
「・・・・。」


小さな身体で助かったな?大斧が当たる寸前、体を捻って上手く躱しやがった。
・・・随分馴染んでるみたいだ・・・人間のスピードとパワーじゃなくなってきた。


「・・・・・。」
「「シュー!」」


大斧で追撃、縦に振りかざすがーーー避けられる。
ダンッ! 


「「シュー!?」」 


逃さない!大斧を消して一気に接近ーーー懐に入る! 


「「キサマァ!」」 


至近距離だ。これで大鎌は使えんだろ?  
身体に纏った【黒炎煉鎧】に心力を注ぎ異能量を底上げする。
身体の黒炎が噴きあがってる。


【黒炎煉鎧】は、【異能術式カードアンサー】を使う事で発現可能な技である。
これは『形状変化』の上位に位置する『現象変化』『事象変化』を操り、本来なら出す事が出来ない黒炎・・を発現している。
この【黒炎煉鎧】の能力は至ってシンプルーーーー触れて燃やすだ・・・・・・・。瘴気・・・そして心力を   


「「シューッ!」」


魔獣も身体の泡を更に増やし、対抗するようだ・・・面白い。


ガーッ!  


「・・・・・。」
「「シュー!」」
 

俺の黒炎の右腕右ストレートを両手の泡で受け止める魔獣
泡が黒炎触れプクプク割れて蒸発している。 
・・・・追撃


ここからはノンストップの攻守である。
俺が拳で連打して魔獣はそれを受け止める。
蹴りを腹にかまそうとするが両腕を下にクロスしてガード。


拳をガードされ、蹴りをガードされ・・・その繰り返しだ。
魔獣も全て受けてる訳ではない。所々で躱して泡の拳や足で攻撃してくるが、【黒炎煉鎧】を纏ったから効くわけがない。泡は蒸発してこちらの攻撃だ。


「・・・・・。」
「「クゥ!オノレ!」」


何とか抵抗しようと逃れる魔獣だが・・・逃がすわけないだろう?
【武闘】で強化している俺は一気に後方に下がろうとした魔獣に一瞬で接近してそのまま6発程パンチを加える。


「「シュ、シュー!シュー!」」


鎌を振り牽制しようとする魔獣ーーー鎌の持つ手を掴み封じる。


「「シュー!?」」 
「・・・・。」


もう終わりだ。逃しはしない。
掴んでない方の拳を振り上げガード越しに叩き込む。 
ん?


「「ナゼ?ナゼ?ナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼダァァァァァァァ!?」」 
「・・・・。」


発狂でもしたか?・・・ああそういう事か


「・・・貴様の侵食はーーーもう俺には届かん・・・。」
「「ナ、ナニ!?」」 


蹴りも食らわせながら俺は言う。
そんなに驚く事か? 
その為の【黒炎煉鎧】だぜ?対策ぐらいとっておくさ。
コイツの能力で厄介なのは『分裂』そして『侵食』だ。 
さっき気絶した時は素手・・でコイツに触れた・・・その為侵食を許した。
ならば対策は簡単だーーーー直接触ら・・・・なければ良い・・・・・・


【黒炎煉鎧】は身体を纏う鎧
もう分裂体を使い俺を侵食するのは不可能だ。
更に拳で3度当て一発は腹に入った。 
蹴りも一発追加で加える。 


「「フ、フフフッ!」」


・・・何笑ってんだ? 


「「イイノカ?ココデワレヲタオセバ、コウカイスルノハキサマダゾ?」」
「・・・・・。」


あ?


「「ココニイルワレハイチブニスギナイ。タトエタオセテモ、ワレハシスルコトハナイ!」」
「・・・・・。」
 

あー・・・片言過ぎてよく聞き取れないが・・言いたいことは分かった。
ようはこの場でコイツを倒しても別の個体がいるから意味がないってことだろう?
確かにそりゃあ厄介だな・・・・けどさ


「それがなんだ?」
「「シュ!?」」
「此処で死ぬ貴様にーーー関係ないことだ。」


鎌を掴む手から心力を集まる。
異能チカラ膨れ上がる。


「「シュー!ハ、ハナセ!」」
「貴様は此処でーーー終わる。」
「「コ、コノカラダだドウナッテモ」」
「関係ないって言った筈だ。」


先程の【心衝】なんかとは桁が違うぞ?
これも対象が近ければ近いほど威力を上げる技だ。
【黒夜】・・・黒炎を使った攻撃技法・・・・


「【ー始炎しえん黒葬こくそう】」           
 

放出した黒炎が魔獣を包んだ。


信じる心へ続く。



「(旧)こっそり守る苦労人」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く