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(旧)こっそり守る苦労人

ルド@

昼食を兼ねた話し合い

零の教室


「さあ零、沢山食べるのじゃ!」
「全部食べて頂いて大丈夫ですからね?零さん」 
「・・・・。」  


お昼時間の半分の時間を使ってしまった俺たちは
教室に戻ってすぐ昼食にする事にしたんだが・・・。


「零よこの肉じゃがは自信作なのじゃ!コレからどうじゃ?」   
「零さん、此方の魚の煮付け、私の得意料理なんです。
良かったら此方からどうですか?」 
「あ、ああ」


俺の机の上には、二つの弁当がある・・・・。
ひとつは何段にも重ねてあり、中には和風の料理がこれでもかと含まれている。
もう片方は、二段重ねの弁当であるが、幅が広く、中には様々な料理が一つずつ丁寧に入っている。
美希とリンからの手作り弁当である・・・・うん多いな


「もしかして、じゃが」  
「余計でした?・・」 
不安そうな目で見てくる2人ーーう  
「いた・・・いただきます。」


 箸を持ち、手を合わせる俺にパァー♪した嬉しそうな表情になる美希とリンに苦笑してしまう俺 
周囲では、羨ましそうな顔をして俺を睨む男子(おまえら現実を見ろ、全部食えると思うのか?)と二股とか、女たらししとかブツブツ言ってる女子(誤解ですッ後輩なんですリンは!)、あとは、なんとなく俺の事態を把握した同情するヤツ、呆れるヤツ、ニヤニヤするヤツーーー武と英次?後でしばく!


「モテモテじゃないか泉君・・ん?楓はどうかしたの?」
「へッ!?ん、ううんッ!なんでもないです!」
「泉君て、もしかして・・・たらし?」


色々ツッコミたい事があるが・・・・とりあえず白石?誰がたらしだッ! 
こうなった原因の半分はお前にあるんだぞ!?     
・・・・・ハァ〜・・・何故こんな事に・・ 
******** 
少し時間は遡る。


「納得いきません」


ぶすぅとした不満顔でリンが呟く。


「またそれか」


何度目だ。


「零さんは被害者ですよ?
なんで謝らないといけないんですか?」


攻撃されたのが俺だから、俺が謝るのはおかしいリンはそう言いたいらしい。


「しかも土下座までして・・」


さっきからずっとこれだ。
どうしても納得がいかないようだ 




俺の謝罪土下座後、一旦教室に戻る事にした俺は、今にも白石たちに文句を言おうとしているリンを連れて、校舎裏から離れ教室へ向かっていた。(白石は、篠崎兄妹が一旦学校から離れる様なので見送るそうだ。
これは、ついでだが、俺の謝罪を見た篠崎妹は、すっかり傷心しており、兄の蓮に連れられる形で歩いて行った。)


「もう済んだ話だ。」
「ですがッ」


尚食い下がろうとするリンに


「さっきも言った通り、今回の件は俺が原因で起きた事だ。
篠崎妹の暴走には驚いたが・・・」


俺が悪かったと説明するのだが 


「暴走と言うレベルを超えてますよ!?アレは! 
一歩間違えたら、零さんが死んでたかも知れないんですから!」


信じられませんッ!と彼女は言うが 


「だから、その件については、ちゃんと釘を刺しておいただろう?
さすがにアレだけ脅かしときゃあ、大丈夫だろ。」


結構本気の異圧で脅かしたからな・・・まああんなやり方は本来好かんけどな 


「とにかく、もう済んだ事をグダグダ言ってもしょうがないだろ?
お前も何時までも可愛く膨れてないで、切換えろ。」
「ふぅッ!?」 


不意打ちの可愛いコールに噴き出してしまうリンに、ニヤニヤする俺
あーやっぱいいなぁ・・後輩って♪
・・・ ・・・・・。


「・・・・。」ジー・・・   


リンが不審そうな目でで見詰めてくる・・・な、何?  


「あの零さん・・何か隠してません?」


疑いの目でそう言うリンに 


「・・・・どうしてそう思う?」


なるべく自然に問う俺であるが 




「なんだか・・何時もより・・強引な印象があると言いますかーーーー演劇で行う演技を見てる気分です」


少し自分の顔が強張るのが分かったーーー彼女がそれ・・を見逃さなかった事も 


「・・・・・ふぅー・・さすが・・俺の後輩だ」


誤魔化し切れんか 


「零さん?」
「そうだな・・。」 


・・・何故、こんなにもーーー動揺してんだ?俺は  


「確かに隠してた事はある・・・実は校舎裏に行く前ーーーー英次と話したんだ。」


俺はリンにそこでの内容を上手く・・・かどうかは分からないが、掻い摘んで説明した。 








「眼に映るモノを全て真実とは考えていけない・・・・」 


考える様な仕草をしながらリンが呟く。


「意味わかんねぇだろう?」


あいつはいつもそうだ。


なんでも知ってる風な感じで話、肝心な事は全然言わないーーーあの語り屋め  


「本当にあいつのあの話し方には参るぜ・・・けど」 


今なら・・・少し分かる気がする 


ふと、頭の中にあいつの言われた事が浮かび出る。 
『零、君の凄いところは、どんな姿、形、強さを持った相手でも一切動揺せず、焦らず、怯えず、倒してしまう無心なる精神だ』
「俺は・・・無心でーーー感情が乏しい」  


『けどそれは逆に言えば目の前の光景に対して客観的に見る眼が不足してる証拠だ』
「俺は目に映るモノをそのまま捉える・・・それは正しいがーーーそれだけが全て真実じゃない」 


『ちゃんと見ないとダメなんだよ』   
「俺はそれをちゃんと見ようとしなかったーーーだから失敗した・・・・」 


あいつは、ちゃんと警告してた、言い方はともかく、確かに俺が注意しないといけない事をしっかり答えてたーーー言い方はともかくとして・・・ 


「そして最後に言った一言」  
君達・・にとってーーーー大事な事なんだから』




「君達か・・・白石相方を泣かせたら・・・意味ないじゃないか」


もっと分かりやすくしてほしかった・・・ 


「零さん・・」


心配そうな顔でリンが見上げてくるので俺はニィと笑みを浮かべ 


「だから、あれぐらいの事は、今の俺にはちょうど良い罰だ・・・・・・・・・・・・」 






「・・・零さんがそれで良いなら・・・
もう何も言いませんーーーですが」


俯きながら  


「それでもやっぱりーーーー零さんは悪くありません」


絞るように呟くリンに苦笑いをしてしまう俺 




「私は知ってますーーーー零さんが今まで頑張ってきた事を・・・努力してきた事を・・・」
長い付き合いだから知っている、か・・・




「私にとってーーーーー誇りなんです。零さんは・・・」  
「・・・・・。」 


リンに出会ったのは、中学2年の夏だったが
あれから約2年・・・色々あった 
最初は俺の事を、あんなに毛嫌いしていたリンが、ここまで・・・誰が予想した?
 



「私にとって尊敬ある先輩・・・それをあんな風に傷付けるのであれば、私はッ!ーーーーいえ何でもありません」  


そのまま早歩きで、歩いて行くリンを見ながら 




「はぁ・・・なかなか・・・上手くいかねぇな・・・参るな、ほんと」  


リンに聞こえないようにそう呟く俺であった。








暫くそのまま歩いていると 
・・・・あ


「なあリン?おまえこの後どうするつもりだ?」
「?・・・どうするとは?」 
「いや・・俺はこのままクラスに戻って昼飯のパンを食うが 」
「ーーー!」


俺の質問に思い出したかのように驚きの顔をする 
もう直ぐ教室だから、このまま一緒に居ると・・・・面倒になる気がする・・・勘ですが 
なので、面倒ごとを起こさせないために、俺は先手を取るのです!
フッ俺だって成長してるんだ。今までとは違うんです! 


「おまえはどうする?一旦どっかの人の居ない教室に隠れるか?」


俺が聞いてみると、何故かモジモジと手を後ろで組む、その拍子で手に持つ大きめ・・・の鞄も後ろに隠れる 
 

「あ、あのもし良かったら、このまま一緒にお昼をお供して良いですか?」 
「え」


どういう事? 


「・・実は弁当・・・作って来たんです・・・・零さんの分も作って来ました。」


そう言って後ろに持っていた鞄から大きい風呂敷を取り出す。
形からして恐らく、中には弁当が! 


「マジでッ!?良いのか!?」 
「は、はい!お口に合えば良いのですが・・」 


そのまま渡してくるリンに俺のテンションは 


「いや、まじで嬉しいってッ!」


最高潮に達していました!




嬉しいって!憧れだったんだよ!
後輩からの手作り弁当が!(半泣き)    




俺は丁寧に弁当を受け取ると 


「ありがとうなーーーリン」


精神誠意、感謝の気持ちを込めてリンにお礼を言います。 
 

「ふぁ〜・・・はい!」


一瞬クラクラ揺れだすリンに疑問を覚えるが、それよりも、今思い付いた事を言ってみる事にした


「よし!じゃあリンも一緒に教室に来いよ!」
「えッ?それはマズイのでは!?」


確かにそうだ・・・しかし 


「良いよ良いよ。俺の従姉妹って事にして、応援しに来たって言えばなんとかなるさ!」


俺のナイスアイデアに呆とする  


「い、従姉妹ですか?・・・・・・(恋人じゃなくて・・?)ボソ」  
「ああ、さすがに知り合いと言うだけだと、ちょっと厳しいかも知れないが・・・嫌だったか?」
「いえッ!そんな事はありません!」


ハッとした顔で慌てて否定するリン


何か必死過ぎる気が・・・気のせいか? 


「よしーーーじゃ行くか?」
「はい零さん!」


頷くと俺の後をついて行く様に歩き出すリン 
さて、行きますか 


「大丈夫です・・・まだチャンスはあります・・・・大丈夫です大丈夫です・・・・頑張れボソボソ」 


後ろで何か呟いているが、まあいいか 






そして現在ーーーー修羅場?  


「次はこっちじゃ零!」
「零さんコレを!ーーーコレをどうぞです!」


2人とも小皿を用意していたようで、小皿に次々と料理を用意して渡してくる・・・・ 


「うん落ち着いて」


うん、待ちましょう。人は待つ事が出来る人間の筈です


教室に戻るとみんな集合しており(白石は少しして戻って来た)クラスの先生には、従姉妹という設定で誤魔化そうとしたが


『ふーん・・・良いんじゃないか?』 


との事で、あっさり許可が取れたのである・・・・本当に良いのか教師??    


てなわけで、先生の許可が取れたので、いつものメンバーとクラスの連中に従姉妹設定で説明した。
実は先生に説明する以前、教室に入った時から『誰だその子は?』みたいな視線が集中して鬱陶うっとおしかったので、さっさと話す事にしたのだ。
美希からは、従姉妹と言う説明をしたのに、ずっと俺とリンをブンブン交互に睨んでいたのでリンが困惑しっぱなしだった・・・犬かおまえは


心なしか美希の背後から犬がグル〜グル〜!と威嚇してるのが視える 


そんな美希の対応に、途中から俺にベッタリとリンが引っ付いてきたがな、たぶん怖かったんだろうな、相手初対面だし


けど不思議だ・・・リンの背後から仔犬がブルブル震えながらも、く〜!と威嚇してるのが視える   


不思議です、心なしか額に汗が出てきてる・・・暑いのか?夏だし 


でその後昼食を食べる事になったんだが・・・見ての通り
リンの手作り弁当を頂こうとしたら、美希が同じく手作りの弁当を用意したそうで
・・・そこから流れるが如く
美希が俺に料理を配るとリンが俺に料理配り
それが何度も繰り返され


・・・・・うッ!本当にちょっと待って! 


「ーーで、午後に競技に出るのは俺以外どうなんだ?」


俺が逸らすため・・・ではなくッ!興味本位で聞いてみる 
・・・くるしい・・そして美味しい 
 

「オレは部活会だな」
「ワシは空手部じゃ
零つぎはこれはどうじゃ?」 
「ボクは陸上部だね」
「私は美化委員会に所属しているので、そちらの方へ」 
「何処の部活も委員会にも所属してないから、見学ね」 
「零さんこのから揚げも美味しいですよ?どうぞです♪」 


武、美希、桜井、藤堂、白石、そしてリン?の順に答えていく。
・・・全員かと思ったら・・白石は出ないのか  
あと美希さんとりんさんや〜少しは待ってはくれませんかなぁ 


因みにリンことを知ってる英次は、机の上でうつ伏せになったまま終始プルプルと震えていたーーーーオケー・・・・あとで覚えてとけよ? 


それは置いといて
まあ俺も男ですから、頑張って食べますよ! 
こんな美少女からの手作り弁当ーーーー食わない訳がない!
・・・・・葵もこれぐらい出来たらな・・・はぁ 
一瞬キッチンでニコニコしながら包丁を握っている葵が脳裏に浮かんだが・・・・ごめん葵、お兄ちゃんちょっと涙が出そうだよ・・・だってうまいんだよ!美味しいだよ!
今だけはーー今だけはアノ・・料理の事は忘れて、目の前の料理を・・・食す!  


さあ食うぞ〜!と箸を進めようとしたーーーその時 


「美味しいのかなぁ?れ・い・くん♪」 
「(NOoooooーーーーー!?)」 


 背後から今絶対に絶・対に!聞こえたらいけない・・・・・夢じゃない(涙) 
武が俺の背後を見て青ざめたあと、俺に指で十字を切ってから目を瞑ってるーーーーオイッ!その動作はなんだ!?もう駄目ってことか!?  
隣では、英次が俺に視線を合わせると首をゆっくり左右振ったあと、両手で顔を覆ったーーー おい英次!その反応はなんだ!?残酷描写の前振りか!?俺の終わりってこと!?チャンスタイムは無し!?    






「どういう事かな?零くん?」


背後を振り返ると鬼神ーーーいえ由香さんがいました・・・・いました(愕然)  


「ん〜?」  


慈愛に満ちた目で俺に微笑んでくれる女神様・・・・由香さんの背後から幾つもの剣や槍を思った女神様が視えるけどーーーー本当に女神様?阿修羅の間違いでは?  


由香さんの迫力に圧されて、両隣の美希とリンが俺に引っ付いて・・・・あー(真っ青) 


「両手に花だね?零くん♪」


この人の前でそれダメぇぇぇぇぇぇッ!
 

ああ!更に引っ付いてくるよこの2人!


・・・・・・・・・・。
・・・美希のやつ、確かに小さいがそれでも・・・微かな柔らかさが・・ 
リンも昔と比べる・・・やっぱ成長してーーーーハッ!? 


「何が当たって嬉しいの?零くん〜〜〜?」


満面な笑みで尋問質問してくる由香さん・・・・あ、今教室の気温が二度下がった 








「由香さん、人には弁解ーーそして誤解と言う便利な言葉がありますーーー話し合う機会を下さい(汗)」
「えぇ話し合いましょう(ニコリ)」




この後、由香さんの誤解を解くのに苦労しながら、理由は聞かないが不機嫌に美希と何故か不機嫌になったリンを宥める事になった・・・・おかしいなぁ、休憩時間なのに全然休めた気がしない・・・はぁ 


と言うか何しに来たんですか? 


恐ろしい女難へ続く。


おまけ
プチ話し合い? 
零「聞いてください由香さん」キリッ
由香「聞いてるよ零くん」ニコ  
零「あ、あのですね、さっきのは」
由香「さっきのは?」
零「・・・・・。」汗ダーダー 
由香「・・・・。」ニコニコ 
零「ーーー今度買い物でもしませんか?」お許し下さいお代官様 
由香「零くんさっきって何の事?私数分前の記憶が無いのだけど?」私は何もキイテナイ 
D組『(買収したーーーーー!?)』  



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