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(旧)こっそり守る苦労人

ルド@

クラス戦決着!

武道場 
『それでは発表したいと思います。』


試合進行が書かれていたボードの前に、審判の一人である実行委員が各代表チーム達の視線が集まる中、審判代表として言う。  




『球技大会クラス戦卓球部門1年優勝は・・・・・・・・・・1年C組に決定!!』 
「「「「おおおおおおお!!!」」」」


そんな実行委員の言葉に周囲が叫ぶ。
驚きや感動やショックなどが混じり合った声


 「「「・・・・・。」」」


その中、黙ったままでいた3人の1年がいた。 


「勝ちましたね?」
「勝ったね?」   
「うん・・・勝った。」  


困惑しているのが二人いるーーーC組代表の九重と桜井だ。
二人は同じく代表の一人である英次に確認してくるので、英次は苦笑しながら・・・いや?やり過ぎた・・・・・みたいな顔で頷き答える。


「不思議な体験だったね。」
「英次君に言われた通りに警戒してたら、本当にその通りになりました。」


二人の言葉に頰引きつらせて、苦笑する英次。
そう、二人は試合が始まる前の休憩時間に次の対戦相手について、アレを警戒しろ、こうすればいいなどアドバイスを貰って対処したのだ。
彼のアドバイスは的確で・・・まるで実際に見た・・・・・かの様な言い方で二人に言ってくるので、二人は聞きながらも首を傾げたのだった。 


「英次君って事前に分析して調べるタイプなんだ・・・・ちょっと以外」
「うんそうだね〜?」


そんな桜井の反応に適当に答える英次
・・・これ以上、その話はしないでと言ってるかの様に  


それより、と九重が前置きをして二人に言う。 


「向こうはどうなりましたかね?」


向こうと言うのは当然ドッジボールチームだ。


「ん〜〜どうだろう?正直わかんないな。
B組だよね?苦戦するとしたら」


そう桜井が英次に質問してくるが、英次は難しそうな顔で武道場の窓から空を見ている・・・・・少し曇った空を 


「・・・そっちについては、色んな可能性苦難の道があるからね?
・・・・・・ひょっとしたら負けてるかも?」
「他人事だ・・」


ボソリと桜井が呟く。


「仕方ないよ?こっちには本当に関係ないんだから、こっちはこっちの役割を果たしたんだから・・・・・まあ僕としては、その後にある大仕事に支障がなければ僕は問題ないかな?」   


仕事?と二人は疑問に思ったが、話していた実行委員が自分たちを呼んでいたので、途中で打ち切られた。        


********
第一体育館 
何か?英次が他人事みたいに今の状況を話してる気がしたが? 
・・・・・。 
はいその通りです。 只今大変苦戦中です。 
試合時間残り11分なんだが、  
現在B組が優勢中だ。   




向こうの司令塔である木乃香が体力や運動能力の高い鈴や木崎といった体育会系メンバーを左右に動かし更に外野でソフトボール部仙波を配置して正確な投球でC組陣地のメンバーを次々と倒してる。
その際何度か俺や転校生の所にボールが来てバトルに入るが、仕留めきれず相手ボールになる。
久保と武の所も同じだ。
互いにボールを打つけあっているが均衡してーーーーーいや、僅かに武が押されてる・・・
あの筋肉バカの豪速球を何度も受けている武・・・・既に限界が近いんだ。


ヤバイな・・・今武がやられたら、均衡が崩れ一気にやられる。
何とかその前に莉緒を倒したいんだが・・・
  

「泉さんボールが来ましたっどうぞ!」 
「おう!」 


後ろにいる藤堂に、回ってきたボールを受け取ると、すぐさま莉緒に向けて投げようとするが  


「・・・やっぱ下がるか」 
「至近距離はないっす」


先程まで正面に迎えていた莉緒は俺がボールを持つと一気に後方へ下がり距離を取るーーー安全セーフティエリアかッ


「・・・・。」
「・・・・。」


無言で見詰め合う中・・・一瞬だけ目線と右にズラす俺、その先には現在試投中の武と久保がいる・・・そんな俺の視線に莉緒もチラリと武、久保の方へ一瞬、目線だけズレたーーー無意識の視線の移動ーーーそこッ!    


「シッ!」
「ッ!ムッ!」 


視線を逸らした瞬間の不意の投球だったが、
驚異的な動体視力と反射能力で当たる寸前でギリギリ躱す莉緒 




「セオリー通りにはイカンか?」


とんでもない反応速度だ。
たぶん今のは水野でも反応できなかったと思うぞ? 
そんな不意打ちに反応してしまうこいつ 






「・・・・やっぱ怖いっすね零っち」
「怖い?」


何が怖いと?怖いのはお前だよ。と俺が思っていると




「正直この距離・・・・でもヤバかったっすよ?
全然投げる・・・・・気配がしないっす・・・・・・・・・・・・」 


と、額に冷や汗をかきながら彼女が言う。


「・・・・褒め言葉と受け取っておこう。」


 何か素直に喜べん俺がいる・・・不思議だ。


「スッ!」


複雑な心境でいる俺に、莉緒がソフトボール部直伝下投げ投球を仕掛けてくるが、


「ホッ」 


来るのが分かっていた俺は余裕を持って躱すーーーーしまッ!? 


「避けろッ!」
「「「え?」」」


後ろで控えていた藤堂達に避けろと言うがーーーー遅かった・・・


「!?うっ」 
「きゃっ!」 


後方にいたテニス部の佐久間とバレー部の中條が当たってしまいアウトとなった・・・・ダブルアウトだ。 


「裕也くん!?」
「中條さん!」


彼氏がやれた事で悲鳴にも似た声を出す薗田とその側でアウトなったショックで膝をついた中條に近寄る藤堂 


「マズイぞ零、このままだと」


その光景に同じく後方に控えていた野球部の翔太が危機感を抱いて俺に言ってくる。  


「あぁ分かってる。」    


翔太の言う通りこのままだとジリ費だ。
相手は一応女子だから体力が切れるまで待とうかもしくは集中力が途切れたところを仕留めようかと思ってたが
そんな余裕はないみたいだ。 




・・・・仕方ない


なら・・ーーーとっておきの秘策・・・・・・・・を使おう・・・・。」








「少しずつでいい!動きが止まった相手から仕留めて!」
「相手も一個持ってる!ボールから目を離さないで!」 


お互いの司令塔である木乃香と川原がメンバーに指示を出している中


「・・・・・。」
「・・・・・。」 


黙ったままも、見詰め合う俺と莉緒


「秘策っすか?」
「あぁ、とっておきのな」


そんなやり取りした後、警戒しながらも思考を巡らしている莉緒




しばし考え込んでいると 
「不意打ちっすね。」
「・・・・。」
「と言うより、それしかないっすね?」 


俺が黙ったまま見つめる中、莉緒は続けて言う。


「これまでの数多くの不意打ちによる奇襲
そして、さっきの零っちの発言・・・・・アレは不意打ち・・・・・・・による奇襲への警戒を緩めさせて・・・・・・・・別の可能性へ・・・・・・と警戒させる為のフェイク・・・・っすね?」
「・・・かもな」  
「・・・・間がありましたっすね?」 
「・・・・。」
「あっしには効かないっすよ?」 
「かもな?」  


そんな言葉のキャッチボールをしていると後ろから藤堂がボールを渡してくれた。
再び距離を取る莉緒
さっきほどと同じ場面だ。
確かに莉緒の言う通り、秘策と言うのは奇襲だ不意打ちの。
そして莉緒ならそれに勘づき、避けることも容易いだろ。




だが莉緒よ?お前はひとつ勘違いをしてるぞ?
奇襲にはな・・・色んな方法がある。




そうーーー色んな方法だ・・・・・・






「ところで莉緒?」
「?・・何っすか」


莉緒は警戒しながらも俺の声に答えてくれる・・・・いい奴だな
まあそれだけ、余裕があるって事だろう。
たとえ今高速で投球しても莉緒は簡単に避ける事が出来るはずだ。
この状況でのあらゆる手段を予想して対処する事が出来るのが莉緒だ。 


けど莉緒?
これは予想外だったろう? 
 



薄い黄色・・か?(ボソ)」 
「はい?ーーーなぁッ!?」


俺の質問?に警戒しながらも一瞬だけ考え込むと突然狼狽して両腕で身体を抱く莉緒 


「スキあり」
「あうッ」 


予想通り隙だらけなった莉緒に軽くボールを投げる俺
緊張意図が緩んだ莉緒はあっさり当たってしまう。




「「「・・・・・。」」」


何か莉緒の後ろのB組のメンバーとか後ろの藤堂達から鋭い視線を感じます。
・・・・。
・・・・。


「ハハハハハッ勝った勝った!」
「・・・・・。」
「ふっーーじゃあそうゆう事で「待ちっす零っち」」


さっさと武へ向かおうとしてる俺に 


「零っち〜♪何かあっしスッゴイ傷つけられたんっすけど?」 


すっごい笑顔で俺の肩を掴んでくる莉緒・・・ライン出てますよ? 


「へ?そうなのか?」
「何すっかね?一瞬零っちの視線があっしの顔から下に向いたような気が?」


笑顔のまま顔近付けて聞いてくる莉緒・・・・ち、近いよ?それに掴んでる肩が痛いんですが 


「気のせいさ」
「それに何ていったすか?黄色?なんかウチの体操着の中で・・・・・・身に付けてる物・・・・・・・を言われた気が?」 
「キノセイサ」


キノセイ
キノセイですよ?莉緒さん 
と言うか周りの、主に女子の方からの視線が痛いんですが 
・・・おかしい・・遠くの外野から聞こえない筈の美希が凄い殺気を俺にぶつけてくる。 
男子に至っては『やっちまったなあの馬鹿』みたいな呆れ顔で見てくる・・・て、戦闘を一旦止めた久保と武にもそんな表情で見られてる!?く、屈辱! 


「カタコトっすよ?」


可愛らしく首を傾げて、言ってくる莉緒・・・勘弁してくれ。


「・・・・・。」
「ジ〜〜〜〜♪」   
「「あははははははははははははははは」」


なんかもう笑って誤魔化そうとしたら、莉緒も一緒に笑いだす。






しばらく、笑っていると莉緒が一言 


「エッチ♪」
「スミマセン」


そんな一言に俺は即謝罪する。
本当すみません反省してます。


この時俺は完全に無防備であったのが、近くにいる相手陣地の奴も、外野にいる奴も俺を狙おうとしなかった。
その代わりクズでも見るかのような目で、両チームの女子に見られてたけど・・・・・グスッ 






 

「し、しまッ」    


なんとか久保と均衡していた武だが、長い攻防の中、体力や集中力が消耗してしまいーーーー僅かな隙が出来てしまった。


「オラァッ!」


当然その隙を逃す久保ではない、速攻で持っていたボールを武に向けて投げる。
どうにか受け止めようとする武であるが、反応が僅かに遅く、当たってしまう。


「ぐぅッ和樹ぃ〜!」
「ハハッ!おれの勝ちだな!武!」  


豪快に笑っている久保と屈辱に顔が歪んでいる武
そんな二人に一人の男子が 


「よぉ久保、楽しそうだな?」


莉緒相手に酷い勝ち方をした・・・・零がやってきた。 


「ああ楽しくてしょうがねー」
「そうか・・・」 




しばらく、互いにギラついた視線をぶつけ合っていると 


「それじゃ始めようぜー零」


そう言ってボールを取る構えをする久保
先程まで武と激しい死闘を繰り広げいたのに、その顔には疲れなどまったく感じないかの様な、満面な笑みを浮かべていた。 
そんな笑みに外野に向かうのも忘れて顔を引きつらせる武と体力バカがと呆れ顔でど突く零 
そして覚悟が決まったのか、転がっているボールを拾い久保に仕掛けようとする零




「あぁいく「ショイヤッ!「ヘブぅ」」ぜ。へ?」


宣言しようとした瞬間、久保の背後からボール・・・・・・・が飛んできて、久保の背中に直撃した・・・・・・・・・・・・え? 


「ハハハハハっ油断しのうーーー!」  


ボーとしていると久保の背後ーーーと言うか俺たちの外野からよく聞く声が
久保がバッと後ろを向くとそこには、ニヤニヤした顔で両手を腰に当てて胸を張って高笑いする・・・・美希がいた。  


「残念じゃったの〜?筋肉ダルマ?」 
「げッ!チビロリ!」
「誰がチビロリかッーーーー!?」 


久保にチビロリと言われて憤慨する美希


え?ちょっと待って?


「テメェーーー!!よくも邪魔しやがったな!!?」
「ふん!油断するヤツが悪い!」
「んだとーコラァッ!!」
『ブーーーーー!!!そこまで!!』


そんなやり取りを眺めていると審判がブザーを鳴らしてやって来た。
やべ!退場か!? 




『両チームそこまで!時間切れです!試合終了ーーーー!!』 
「「「「え?」」」」


審判のセリフに固まるB組とC組 
なんて言った?
時間切れ?
試合終了?
・・・・・。 
・・・・・。
・・・・・。


あ・・・え?


『残ってる人数、B組6人!C組8人でC組の勝利!!』


え?・・・え?


『ならびに球技大会ドッジボール部門1年の部優勝は1年C組に決定ーーーーー!!!』 


え?優勝?
え?
え?
えええええええええええええええ!!? 


「「「えええええええええええ!!?」」」 


審判の言葉にB組とC組の全員が驚きの余り体育館を震わす程の絶叫をあげてしまったのだった。
昼休みの密談へ続く。


おまけ
これで良いの?


これは佳奈と栞の戦いの一部である。  
佳奈「行くわよ!」 
栞「勝負!」
佳奈「フンッ!」(ボールを投げる佳奈) 
栞「つッ!」(それを受け止める栞)
栞「こっち番よ!」(ボールを投げ返す。)
佳奈「くぅ!」(何とか避ける。)
栞「やるわね」
佳奈「そっちも」
栞「でも、次で終わりよ!」
佳奈「それはーーーこっちのセリフ!」 


栞と佳奈「「負けな『そこまで!』・・・へ?」」 


審判『C組の勝利!!』


栞と佳奈「「えええええええええ!!?」」


こんな感じで彼女たちの戦いがひっそりと終わりました。
めでたしめでたし
栞と佳奈「「めでたくな〜〜〜〜〜い!!!」」    



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