(旧)こっそり守る苦労人

ルド@

生徒会のお願い 前編

高林視点


『そうですね、問題ないと思います。』 


電話の相手の返事を聞いてとりあえず安心した。 


「そうか・・」


万が一の可能性があったのだ、いくら情報があっても、不安要素は多々あったから、だがその心配も無さそうで、安心できたのだ。(あんな子でも、私にとっては娘の様な存在だ、小まめに連絡してたが、やはり心配だった。) 


「いや済まなかった、色々動いてもらって」
『構いません・・・それより分かってますよね?』 
「あぁ、約束は守る、この件は本部には報告しない。」


しかし、こんな事で良いのだろうか?
 彼は我々に、あの街の情報を提供した協力者なのだ。
その後も、学校や町などでも、佳奈君にバレない様にカバーしてくれたのだ。
 そして彼が協力する代わりに求めてきた条件は、その街についての情報を一切流さず、本部にも知らせない事だった。
 不思議な話だ、情報を提供してきた者から、情報を流すなと、きたのだ、可笑しな話だが彼はそれを何度も念押ししているのだ。


そして今も 


『頼みますよ?』 
「分かってる、それより君は随分と苦労人だね?」  
『はい?』
「父親や例の彼に内緒で影ながらその街を守っている、なかなか泣けてくる話だと思うがね?」
『・・・・・』


こんな揺さぶりでは、意味がないか・・・  
 一応彼についても調べてみたのだ、驚いた事に彼の父親はとある組織に所属していた者だった(『四神』ではないが、既に現役を引退したそうだ)そして彼自身も異能者である事が分かった、何の能力かは分からないが 


『ははは、嫌ですね〜そんなじゃありませんよ?
ただ僕は自分の身を守りたいだけですから』
「そうなのかい?」


実際はどうかな? 
これまで2度、直接彼に会って話をしてみたが、何というか、つかみ難い印象があった、常に笑顔で私の質問に応えていった彼の言葉は、ウソかホントか全く分からなかった、これでも人の感情を読むのは得意なのだがね、正直相手にしたくない分類だった。
 自分の身を守りたいだけと言っているが、果たしてこれは真実なのか、私には分からない。 




『はい、僕はただ単に臆病なだけですよ?あの人曰く』
「あの人?」
『父です。いや元父親ですね。』
「・・・・」


あっさりしてるね?
普通は、応え難い筈なのだが、何でない様に応えていった。


『それにねですね、苦労人って言葉は僕に相応しくないですよ?
本当の苦労人は彼だけどね(ボソ)』 
「うん?」 


最後の部分がよく聞き取れなかったが


『とにかく、そっちの子が動ける様にほろーしたんですから、そっちもほろーして下さいよ?・・・・まぁ〜そんな面倒な事ではありませんよ?、ただ見守ってくれればいいので・・・いざという時まで、その間は彼が守っていきますから・・・・この街にいる・・・僕の親友・・がね♫』  


電話の向こうで楽しそうな声が聞こえた。
・・・・楽しそうだね?英次君? 
********
生徒会室
あのくそ暑い能力を持った魔獣を倒してから翌週の月曜日
由香さんからメールで生徒会室に呼び出された俺は放課後、指示どおり生徒会室へやってきたのだが、


「やっほ〜!ゼロ・・君〜!
来てくれたね♫」 
ゼロ・・君言うな」


出会ってしまった・・・学校最悪のモンスターに・・・・    
後お願いだからゼロって呼ばないでくれ恥ずかしいんだ。


「だって零はぜろでしょ?だから呼び方はゼロ君!    
ゼロ君何と言おうと・・・・ゼロ君なのだ!!!!(ドン!)」   


何それ?
ぜろだからゼロ君?どんな思考してるんだこの人、幼稚過ぎないか?    


「意味分からん、ちゃんと日本語で話してくれ沙耶さやさん」


  小森こもり 沙耶さや
2年生で生徒会会長を務めてる人、特徴しては少しオレンジ色長髪、前髪に少しパーマがかかってる、スタイルは由香さんと同じくらいで(一部分だけ由香さんより大きい)学校では由香さんに並ぶ『二大女神』として崇められている・・・・のだが・・・・・なんだが・・・
 見ての通り・・・大変ホントに残念な思考の持ち主なのだ。


 

俺は思う・・この人は人間じゃない・・・宇宙人だ!(ドンッ!!!)  




 変な事言ってる様に聞こえるけど、俺としてはここまでの変人にあったのは初めてなのだ、正直この学校の中で1番面倒くさくて疲れる人だと俺は思う。
 考え方がおかしいんだよ!!!俺がこの学校に入学して初めて1年生に対して行われた行事でこの人が企画したのが・・・・『鬼ごっこ』だ、子供頃によくやっていたアレだ、しかも逃げるのは俺達1年生全員で鬼は生徒会が選抜した2〜3年とあの・・風紀委員会で構成されたメンバーだった。


どんな鬼ごっこだったか内容は省くが、コレを企画した生徒会長・・・マジで人間か?と俺はその時思った。   
  

「ゼロく〜んゼロく〜ん」   


その後由香さんのお手伝いや風紀委員会との小競り合いなどで彼女に目を付けられてしまったのだ・・・・入学して僅か2週間ほどで 
・・・誰か助けて・・・俺じゃ・・こんな宇宙人の相手はできません(涙)     


「も〜沙耶ちゃん?
あまり零くんを困らしたらダメだよ?」


沙耶さんと一緒に俺が来るのを、待っててくれた生徒会副会長の由香さんだ
 彼女はため息を吐きながらが助け舟を出してくれますが、、沙耶さんは指をチッチッとして 


「フフ、残念だね由香ちゃん  
わたしにとってこのやりとりは、もはや習慣なんだよ!楽しみなんだよ!?これをしなかったらわたし死んじゃうよ!?」    


おい! 
何だよ!そのふざけた呪いは 


「・・・・ほんと勘弁してくれよ?沙耶さん」  


来てそうそうこれでは、身が保たん 


「ゴメンね?零くん沙耶ちゃんがいつも」
「いっ!、いやべっ、べつに・・・」   


 由香さんが申し訳なさそうな表情で、謝ってきたので、慌てて否定する。
 ・・・いや、あなたが悪わけではないのですが 




「フフフフ流石ゼロ君!
分かってる〜!うりうり〜!」 
「・・・・」


あんたただよ、あんた、何肘を俺に擦り付けてくるんだ? 
ーーー近いぞ?   




「ほれほれ、頰っぺた、プニプニ」
「・・・・」


頰を指でプニプニすんな・・・!   
後近い・・・暑い・・。  




「二の腕をツンツン」
「・・・・」


腕をツンツンするな・・・! 
て言うか、腕に引っ付くな!暑苦し!(柔らかい感触なんか気にするか!)   




「胸もモミモミ」
「・・・・」


いやいや待て待て、揉む様なところは無いだろう!?(それ胸筋だ!)   
・・・それより暑い・・・そろそろ離してくれ。 


「お腹もモミモミ」
「・・・・」


おかしい・・・これでも一応鍛えてる筈なのだが・・・自信家じゃないけど
・・・それよりもいい加減イライラしてきた 


だが沙耶さんはその俺の心情を知らずどんどん上から下へ俺の体を弄っていき、腹を通り過ぎ、へそを通り過ぎ、俺のズボ・・・・  


「そして最後に「バッシッ!!!」いっ〜〜〜た!!」


 アホなことをしようとしたので、頭を叩きました。
 えぇ!叩きましたよ!見た目は美少女の頭を!
 

だが後悔はない!
この宇宙人を止めるためだ 


「さっきから何してんだ?・・あ?」   


俺は宇宙人に問い掛けます。
優しく・・・笑顔で話し掛けるのだが、沙耶さん何やらビクビクして俺から少しずつ離れて行きます・・・変ですね〜 ? 


「ぜ、ゼロ君?顔怖いよ?」


怖い?変だな〜?俺はただお話がしたいだけでだぞ?・・・さて  


「どうしたのってそ、そのハ・リ・・センは「沙耶さん」びくっ!!」  




これは仕方がないのだ、まだ俺が呼ばれた理由も分からない・・・だがその前に正さなければならない事があるのだ。  
 俺は用意していたハリセン(生徒会室に来てる時は何時も持参して隠している)を持ちながら、沙耶さんに(可能な限り)笑顔で言う。   


「まぁ・・・・色々と言いたい事があるが・・・それは置いておくとして、まず初めにやらないといけないことがある・・・・・沙耶さん・・・・・正座(絶対命令)」


ギッロン!!!!   


「ひっ!、ひぇええええーーー!!!!」      
 

  

・・・・・ハァ〜〜〜何で・・・何でこんな人が・・・・生徒会長なんだあああああ!!!!! 


 俺は心の中でそう叫ばすにはいられなかった・・・・・かえりたい(涙)   


*その後他の生徒メンバー到着した時には、床でグッタリと倒れて、足が痺れて動けないでいる生徒会長をハリセンを持ち見下ろす零の絵図にまたか・・と、ため息を吐きながら、全員スルーして席に着いた。(会長が復活したのは、その後10分掛かった)    




生徒会のお願い 中編へ続く。   




おまけ
生徒会長について


零「一言で言うなら・・・こども」 


沙耶「ちょっと!ヒドイよゼロく〜ん!
わたしはお姉さんだよ!?」 


零「やかましい、あなた見た目と中身が不一致なんだよ。
見た目は大人でも頭脳は子供」 


沙耶「それわたしの知ってるのと逆パターン!?!?」


零「沙耶さんは、まだ自分を抑えられない幼稚な子供という表現が丁度いいよ」   


沙耶「む!失敬だよ!ゼロ君!
わたしだって、由香ちゃんと同じお姉ちゃんだよ!?もっと敬ってよ!?お姉ちゃんって呼んでよ!?」


零「サラッと無茶振りしてきたな沙耶さん
後ぜったいお姉ちゃんとは呼ばん」 


沙耶「う〜〜ひどいよ〜〜ゼロ君が冷たいよ〜〜〜
クールビズだよ〜〜〜」 


零「なんですか?クールビズ?服装関係ないぞ」 


沙耶「ぐ〜〜」


零「唸っても、俺の評価は変わらん(ビシッ!)」    


沙耶「・・・・・・・・おね・・だっ・・む・・あるもん(ボソ)」 


零「はい?」


沙耶「・・・・・おっおっお姉ちゃんだって胸があるもん!!!」 


零「・・・・は?」


沙耶「由香ちゃんと同じくらい胸あるもん!!」 


零「ちょ」


沙耶「大きさだけじゃないよ!?カタチや柔らかさにだって自信あるんだよ!?」


零「お、おい」


沙耶「なんなら、触ってもら「やっめい!!!!」きゅッ!」


零「何やってんだよあんたは・・」


沙耶「だっ・・だって」


零「そーゆう所を自重しろ言ってるんだよ!
子供じゃないなら、もっと大人らしくしろよ!!」


沙耶「・・・・グスッ」  


零「・・・・・・・ハァ〜〜〜(泣くのは反則だろ・・)沙耶さんいつも言ってるよな?ちゃんと考えて行動してくれと、それさえ気にしてくれれば・・・俺だって・・・・・・怒らないよ」ナデナデ  


沙耶「あ、うん!」 


零「(うっ!・・・キツイな〜)だ・・だからな?もう少し自分行動に注意しないと「分かった」・・へ?」


沙耶「つまり、直が良いんだね!?
ならお姉ちゃん、文字通り一肌脱「沙耶さん」ぐ、うん?」


零「ちょっとそこに正座して」


沙耶「え?なんで?ゼロ君?お姉ちゃんの立派なオトナのボディをみ・・・れ・・ば・・・ゼロ・・くん・・その・・・ハリセン」    
   

零「・・・・正座」ギロンッ!!!! 


沙耶「ヒッ!」


*結論として、沙耶さんは何というか、俺の知る女性メンバーの中でダントツの問題児です・・・・アタマがイタイです。  

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