(旧)こっそり守る苦労人
暑さは突然来る 後編
???視点
「グゥ・・・」
そいつは、ドンドン温度を上げていた。
「・・・・グゥ」
そいつは感じ取る、自分にチカラが溜まりつつある事が、
「グゥ・・・」
徐々に吸い上げていく。
「グゥ・・」
自分の存在を高めていく。
********
とある校舎裏
佳奈視点
「え?・・・今何と?」
昼の休み時間に携帯からメールが届いた所、至急連絡されたしとの事だったので、友達にお手洗いに行くといい、途中で切り上げて、現在人気無い校舎裏でメールの相手と電話をしているのだが、
「ま、またいつもの冗談とかじゃあ無いですか?・・・」
電話相手である上司に向かって苦笑しながら言う。
上司は事ある毎に自分をおちょくるのだ。
今回もまた同じ事なのでは、期待しているが、
『流石の私でも、こんな冗談は言わんさ。』
キッパリ言われました。
『もう一度言う、先程、その街から推定Bランク相当の瘴気が確認された、まだ本体は見つかっていないが、恐らく既に何処かで出現して身を潜めている筈。』
「・・・・Bランク」
彼女は、ボソッと呟いた、彼女は今までBランクまでなら何度か戦った事がる・・・しかし、それはチームとしてであり、1人で戦った事はない・・・・と言うより、出来ない。
彼女が此れまでに単独で撃破した最高ランクはCだ。
けど今回相手はB、ハッキリいって1人では話にならない。
それだけの差があるのだ、CランクとBランクの境界は、
だから彼女、困惑している。
「そんな・・・いったい・・どうすれば」
勝ち目が無い、とまでは言わないが、それでも自分1人では、勝つのは不可能だと彼女は感じている、如何に彼女が戦闘に長けた異能者であろうと、実力が足りないのだ、今回の相手には、
『落ち着け佳奈君』
困惑している彼女を、落ち着かせるよに優しく、だかそれでも少し厳しい声で、上司は言う。
『今は、混乱している時では無い、事態をどう打開するかだ。』
「でっですが、」
戸惑う彼女に上司は、もう一度言う。
『良いから落ち着くんだ。』
「・・・・はい」
どうにか落ち着いた彼女に、上司は頷き、改めて、現状についての説明を続けた。 
『よし、良いかい?今そっちの近くにいるメンバー集めてチームを作り向かわせている、だが、知っての通り各メンバーは、自分の担当している所で手一杯なのだ、今から向かわせても、時間が掛かる、一応翔子君にも向かう様に言ったが、あちらも厳しい様だ、どんなに急いでも丸一日は掛かると思う。』
現在此方に、増援が向かっている事知り、安心しそうになるが、続けて説明を聞き、
「1日・・・」
到着するまで丸一日、厳しいと彼女は思った、魔獣がいつ活発に動き出すか分からない、既に動き出してるかも知れない、それなのに丸一日では、間に合わない可能性があるのだ。
『更に此方が掴んだ情報では、現在その街で、異常な気温の変化が起きていると聞いているが、確かか?』
上司は確認を取りたいとそう言ってきました。
「?・・はい、そうですが・・・まさか!?」
驚く彼女に上司は頷き言う。
『此方の情報では、どうやらそれが関係ある様だ、衛星から探知した瘴気なだが、驚いた事に街の全体の7割以上を覆っているのだ。』
「!?、この暑さが瘴気の影響と言うのですか!?」 
彼女は驚く、この異常気温が魔獣の原因だとすれば、恐ろしい事だ。
『更に言えばその影響で、対象の位置を衛星から探知、出来なくなってしまっている、より濃度の高い場所を割り出そうとしているが、難しい様だ、つまり此方から支援は不可能だと思ってくれ給え。』 
魔獣の居場所が分からず、機関からの常時支援も難しい、これで不安になるなと言うのが、ムリな話だ。
「そんな・・・・でも変です・・・何で私は、感知出来ないのかしら?」
そう、異能者であれば、瘴気の気配を感知出来てもおかしくない。
それなのに、今日まで一切感知出来ていないの変だと、彼女は思った。 
彼女の疑問について、予想していた上司は、理由を説明する。 
『その暑さが原因だろう、恐らく魔獣の能力は、その瘴気の熱を浴びた、対象の感覚器官を狂わせる事だろう、普通の人間の場合は熱中症の様な作用があり、異能者の場合は、感知する感覚が狂わされるのであろうな、しかも、さっき入った情報では、ドンドン暑さが増している様なのだ、グズグズしていたら、手遅れになる。』
何やら一気に話されたので、彼女は、1ずつ頭の中で整理していく。 
「成る程、って!どうすれば良いんですか!?、急いで対象を探すにしても、これじゃあ見つけれませんよ!?、それに見つかっても私一人では、勝ち目なんて無いですよ!?」
理解出来たと思ったら、実は、結構ピンチである事を改めて理解する彼女、どちらにしろ、時間もなく、探す方法もなく、見つけても勝ち目がない、打つ手がない。
そんな彼女に、溜息つく上司は、諭すように彼女に言う。   
『だから落ち着くんだ、良いかい?、確かに君1人では、対象を探すのは難しい、更にBランクの魔獣を倒すのも難しいだろう・・・だが忘れたかね?・・何の為に君が其処にいるか?』 
若干呆れた様な声で言われて、カチンと来そうなるが、改めて考えてみた結果、
「え、まさか?」
『うむ、今君が考えた通りだ、例の異能者に力を借りる。』
確かにこの街にいるであろう異能者、だが居るであろう学校は分かっていても、誰なのかまだ・・・  
「ムリですよ!、まだ相手が誰なのか分からないのに、それこそすぐには、見つかりませんよ!?」
悲鳴にすら聞こえる、彼女の反論に上司は、ゆっくりと落ち着かせるように、話していく。
 
『よく考え給え、例の異能者は、その街に出る魔獣を何度も討伐してきたのだ、その街の異常気温が魔獣仕業だと分かれば、すぐにでも動き出すだろう、更に相手のレベルを知れば、君に協力してくる可能性が極めて高いのだ。』
上司の言う通り、魔獣が出現すれば、自動的に例の異能者が出てくる筈、それにヘタしたら魔獣はその異能者よりも強い可能性が高いのだ、そして相手は私について気付いている、向こうから話してくるかも知れない。
『君は前回の接触で、ある程度実力がバレているだろう、戦闘能力は高いからな君は、』
・・・戦闘能力は、その一言に、イラッとくる彼女に上司は、あっ!、とうっかり言ってしまった、様な雰囲気を出して、少しの間黙り込む上司。
『はっ、話を進めるぞ?』
「・・・・はい」
何度目だろうか、自分を落ち着かせようと努力するのは、でもこの時だけは、凄く頭の中で、彼女は頑張りました。
『取り敢えず君は、此方の指示があるまで待機しながら、学校に居るであろう、異能者の捜索をするんだ、勿論出来る限りで良い、魔獣が活発になれば、動きがあるがある筈だ。』
さっきまでと変わって、真剣な声で上司は、今後について指示を出す。
『こっちも出来る限りで、早く其方に着く様に急がせる、その間・・・・頼む。』 
増援が向かっているとは言え、現状動けるのは自分だけだ。
彼女は、気を引き締めて、上司に返事します。
「了解しました。」
********
 放課後
佳奈視点
彼女は現在、
「あ〜どうしよ〜」
頭を抱えて悩んでいました。
「ハァ〜、美希さん達は、部活に行っちゃたし、泉君は気が付いたら、既にいなし、どうしよ〜」
この学園に入って最初に、彼女が行うとしていた事、それは学校内に居るであろう、異能者の捜索だった。 
「まず教師では無いのは、分かってる。」
短い期間ではあったが、彼女まず教師や警備員など、大人達について調べていったのだ。
その結果、彼等には、異能者特有の気配(彼女の勘です。)が一切無く、一応新兵調査を行ない、この学校の生徒の中に異能者が居ると推定した。(因みにこの殆どは、上司や他の部下が、彼女から上がってきたデータを元に、調べた結果である。)
「だから、次は生徒の中から調べる予定だったけど、」
彼女は、大人達に異能者がいない事が分かった所で、長期戦を覚悟していたのだ、幾ら絞れたとは言え、学生全員を調べようとすると、どれだけ時間が掛かるか考えただけでもイヤになる、だから、彼女じっくりと確実に、割り出していこうと、考えていたのだが
「急すぎるわよ〜!」
既に魔獣の被害が街全体でほぼ出ているのだ、一刻を争うとまでは言わないが、それでも時間が経つにつれて、被害は拡大していく。
「調べてみたけど、うちの学校でも、10人以上休んじゃってるわね。」
それとなく調べてみた所、今日学校に来ていないのが、3学年で6〜8人程、途中早退が3人、という事が分かった。
「これって、増援待ってたら、手遅れになるんじゃ、ないかしら?」
冷汗を掻き、この異常事態について改めて考える。
「やっぱり、1人で戦うしか、ないのかな、けど見つからないし、勝てる気がしない。」
いつになく彼女は弱気でいた、割と好奇心旺盛な部分があり度胸もある彼女だが、今回は違う、勝てる可能性が見つからないのだ。
あと、
「例の異能者がそのうち出てくるって、高さん言ってたけど、いつ出てくるのかしら?」
今彼女が行える方法は、待つ事だ。
増援を待つ事も含まれているが、それが本当の目的ではない。
例の異能者が接触してくるのを待っているのだ。
「ハァ〜早く来ないかな?」
恋人を待つ気分とはこの様な感じなのか?
彼女ふとそう思ったが、
「こんな気分で、待ち焦がれているのは、世界中探しても、きっと私だけね」 
疲れた様な溜息を吐き、自分の席から離れずにいる彼女、現在教室には、彼女以外誰もいない・・・いや寧ろ居ない方が彼女にとって都合がよかったかも、ずっと座ったままで居る彼女を見れば誰だって不信感を抱く、更に言えば彼女は転校生して来て、まだ日が浅いのだ。
以上の事から、彼女一刻も早く例の異能者と接触を行いたいのだが、
「・・・相手は、私の事を気付いているのに、なんで来ないのよ〜!!」
つい大声で叫んでしまい、慌てて口を塞ぐ。
端から見たら、奇妙な光景だ。
「・・・・何してるんだろう?私・・・馬鹿みたい」
少し悲しくなってきた、今街では、魔獣の危機が降り注いでいるのに、自分はこんな所で、来ないかも知れない人間を、待っているのだ。
「ッ!、イケないわ、今は非常事態だから、今出来る事考えなきゃ」
両方とも見つけられないなら、残った方法は、時が来るまでに、コンディションを整える事だ。
キツイ戦いになるのは、間違いない、なので時が来るまでしっかりとコンディションを整える事にしました。
「そうと決まれば、一旦帰宅して体調を・・」
その時、携帯から電話が掛かった。
上司からだ。
「!、もしもし」
『・・・佳奈君、そっちはまだ学校に居るかい?』 
電話の向こうで、重々しい声が聞こえてきました。
「はい、此れから一度帰宅しようと思っていた所です。」
『そうか!、ならタイミングが良かった!』
何がタイミングが良いのか?そんな事を考えていると 
『魔獣の潜伏場所が分かったぞ。』
思い掛け無い内容だった。
「!?、どうやってですか!?確か居場所の探知は、出来なかった筈ですが」
探知は難しいと言われていたので、彼女は戸惑いを隠せずに入る。 
そんな彼女に、更に重々しく上司は言う。
『・・・その通りだ、・・・だが相手は隠す気が・・・無いようだ。』
「え?・・・」
いったい何が?・・・・嫌な予感がしている中 
『魔獣が活発に動き出した。』
上司の言葉に頭が真っ白になった佳奈であった。
孤独の戦い 前編へ続く。 
おまけ
とある教室での一幕 (夏服その2)
*これの話は、女子達に絶対、聞こえない様にしています。
「なぁ零、どうして参加しなかったんだよ?」
「武か・・・・あのアホな会か?」
「アホ言うな!・・・本来であれば、クラスの男子、全員参加の予定だったのによ。」 
「冗談は存在だけにしてくれ。」
「存在全否定!?」
********
「まぁお前の言いたい事も分かる、この学園に居る女子は、選りすぐりだし、うちのクラスでも、美女ばかりだしよ。」
「だったらよ、何か意見ぐらいあるだろう?」
「あのな〜・・・・よく考えてみろよ。」 
「???」
「あの美希に、もしバレたら最悪、・・・・・クラスが男女で割れるぞ?」  
「・・・・・」
「風紀委員の栞程じゃないが、それでも自分の体型気にしてる分、キレたら美希の方が危険だぞ?、しかも最終的に泣くかも知れないぞ?、あいつ」    
「・・・・・」
「更に美希が泣いて、それが他の女子達にバレたら、絶対クラスの女子全員がキレるぞ? 」 
「・・・・・(冷汗)」 
「結果クラスが男女に割れて、残り学生生活が、確実に暗黒時代に入るぞ?」
「・・・・・(カタッカタッ)」震えています。
「もう一度・・聞く・・・いいか?」(冷眼)
 
*こうして、夏服が1番似合う女子会議は、閉幕しました。(暫くの間、武は震えが止まりませんでした。) 
「グゥ・・・」
そいつは、ドンドン温度を上げていた。
「・・・・グゥ」
そいつは感じ取る、自分にチカラが溜まりつつある事が、
「グゥ・・・」
徐々に吸い上げていく。
「グゥ・・」
自分の存在を高めていく。
********
とある校舎裏
佳奈視点
「え?・・・今何と?」
昼の休み時間に携帯からメールが届いた所、至急連絡されたしとの事だったので、友達にお手洗いに行くといい、途中で切り上げて、現在人気無い校舎裏でメールの相手と電話をしているのだが、
「ま、またいつもの冗談とかじゃあ無いですか?・・・」
電話相手である上司に向かって苦笑しながら言う。
上司は事ある毎に自分をおちょくるのだ。
今回もまた同じ事なのでは、期待しているが、
『流石の私でも、こんな冗談は言わんさ。』
キッパリ言われました。
『もう一度言う、先程、その街から推定Bランク相当の瘴気が確認された、まだ本体は見つかっていないが、恐らく既に何処かで出現して身を潜めている筈。』
「・・・・Bランク」
彼女は、ボソッと呟いた、彼女は今までBランクまでなら何度か戦った事がる・・・しかし、それはチームとしてであり、1人で戦った事はない・・・・と言うより、出来ない。
彼女が此れまでに単独で撃破した最高ランクはCだ。
けど今回相手はB、ハッキリいって1人では話にならない。
それだけの差があるのだ、CランクとBランクの境界は、
だから彼女、困惑している。
「そんな・・・いったい・・どうすれば」
勝ち目が無い、とまでは言わないが、それでも自分1人では、勝つのは不可能だと彼女は感じている、如何に彼女が戦闘に長けた異能者であろうと、実力が足りないのだ、今回の相手には、
『落ち着け佳奈君』
困惑している彼女を、落ち着かせるよに優しく、だかそれでも少し厳しい声で、上司は言う。
『今は、混乱している時では無い、事態をどう打開するかだ。』
「でっですが、」
戸惑う彼女に上司は、もう一度言う。
『良いから落ち着くんだ。』
「・・・・はい」
どうにか落ち着いた彼女に、上司は頷き、改めて、現状についての説明を続けた。 
『よし、良いかい?今そっちの近くにいるメンバー集めてチームを作り向かわせている、だが、知っての通り各メンバーは、自分の担当している所で手一杯なのだ、今から向かわせても、時間が掛かる、一応翔子君にも向かう様に言ったが、あちらも厳しい様だ、どんなに急いでも丸一日は掛かると思う。』
現在此方に、増援が向かっている事知り、安心しそうになるが、続けて説明を聞き、
「1日・・・」
到着するまで丸一日、厳しいと彼女は思った、魔獣がいつ活発に動き出すか分からない、既に動き出してるかも知れない、それなのに丸一日では、間に合わない可能性があるのだ。
『更に此方が掴んだ情報では、現在その街で、異常な気温の変化が起きていると聞いているが、確かか?』
上司は確認を取りたいとそう言ってきました。
「?・・はい、そうですが・・・まさか!?」
驚く彼女に上司は頷き言う。
『此方の情報では、どうやらそれが関係ある様だ、衛星から探知した瘴気なだが、驚いた事に街の全体の7割以上を覆っているのだ。』
「!?、この暑さが瘴気の影響と言うのですか!?」 
彼女は驚く、この異常気温が魔獣の原因だとすれば、恐ろしい事だ。
『更に言えばその影響で、対象の位置を衛星から探知、出来なくなってしまっている、より濃度の高い場所を割り出そうとしているが、難しい様だ、つまり此方から支援は不可能だと思ってくれ給え。』 
魔獣の居場所が分からず、機関からの常時支援も難しい、これで不安になるなと言うのが、ムリな話だ。
「そんな・・・・でも変です・・・何で私は、感知出来ないのかしら?」
そう、異能者であれば、瘴気の気配を感知出来てもおかしくない。
それなのに、今日まで一切感知出来ていないの変だと、彼女は思った。 
彼女の疑問について、予想していた上司は、理由を説明する。 
『その暑さが原因だろう、恐らく魔獣の能力は、その瘴気の熱を浴びた、対象の感覚器官を狂わせる事だろう、普通の人間の場合は熱中症の様な作用があり、異能者の場合は、感知する感覚が狂わされるのであろうな、しかも、さっき入った情報では、ドンドン暑さが増している様なのだ、グズグズしていたら、手遅れになる。』
何やら一気に話されたので、彼女は、1ずつ頭の中で整理していく。 
「成る程、って!どうすれば良いんですか!?、急いで対象を探すにしても、これじゃあ見つけれませんよ!?、それに見つかっても私一人では、勝ち目なんて無いですよ!?」
理解出来たと思ったら、実は、結構ピンチである事を改めて理解する彼女、どちらにしろ、時間もなく、探す方法もなく、見つけても勝ち目がない、打つ手がない。
そんな彼女に、溜息つく上司は、諭すように彼女に言う。   
『だから落ち着くんだ、良いかい?、確かに君1人では、対象を探すのは難しい、更にBランクの魔獣を倒すのも難しいだろう・・・だが忘れたかね?・・何の為に君が其処にいるか?』 
若干呆れた様な声で言われて、カチンと来そうなるが、改めて考えてみた結果、
「え、まさか?」
『うむ、今君が考えた通りだ、例の異能者に力を借りる。』
確かにこの街にいるであろう異能者、だが居るであろう学校は分かっていても、誰なのかまだ・・・  
「ムリですよ!、まだ相手が誰なのか分からないのに、それこそすぐには、見つかりませんよ!?」
悲鳴にすら聞こえる、彼女の反論に上司は、ゆっくりと落ち着かせるように、話していく。
 
『よく考え給え、例の異能者は、その街に出る魔獣を何度も討伐してきたのだ、その街の異常気温が魔獣仕業だと分かれば、すぐにでも動き出すだろう、更に相手のレベルを知れば、君に協力してくる可能性が極めて高いのだ。』
上司の言う通り、魔獣が出現すれば、自動的に例の異能者が出てくる筈、それにヘタしたら魔獣はその異能者よりも強い可能性が高いのだ、そして相手は私について気付いている、向こうから話してくるかも知れない。
『君は前回の接触で、ある程度実力がバレているだろう、戦闘能力は高いからな君は、』
・・・戦闘能力は、その一言に、イラッとくる彼女に上司は、あっ!、とうっかり言ってしまった、様な雰囲気を出して、少しの間黙り込む上司。
『はっ、話を進めるぞ?』
「・・・・はい」
何度目だろうか、自分を落ち着かせようと努力するのは、でもこの時だけは、凄く頭の中で、彼女は頑張りました。
『取り敢えず君は、此方の指示があるまで待機しながら、学校に居るであろう、異能者の捜索をするんだ、勿論出来る限りで良い、魔獣が活発になれば、動きがあるがある筈だ。』
さっきまでと変わって、真剣な声で上司は、今後について指示を出す。
『こっちも出来る限りで、早く其方に着く様に急がせる、その間・・・・頼む。』 
増援が向かっているとは言え、現状動けるのは自分だけだ。
彼女は、気を引き締めて、上司に返事します。
「了解しました。」
********
 放課後
佳奈視点
彼女は現在、
「あ〜どうしよ〜」
頭を抱えて悩んでいました。
「ハァ〜、美希さん達は、部活に行っちゃたし、泉君は気が付いたら、既にいなし、どうしよ〜」
この学園に入って最初に、彼女が行うとしていた事、それは学校内に居るであろう、異能者の捜索だった。 
「まず教師では無いのは、分かってる。」
短い期間ではあったが、彼女まず教師や警備員など、大人達について調べていったのだ。
その結果、彼等には、異能者特有の気配(彼女の勘です。)が一切無く、一応新兵調査を行ない、この学校の生徒の中に異能者が居ると推定した。(因みにこの殆どは、上司や他の部下が、彼女から上がってきたデータを元に、調べた結果である。)
「だから、次は生徒の中から調べる予定だったけど、」
彼女は、大人達に異能者がいない事が分かった所で、長期戦を覚悟していたのだ、幾ら絞れたとは言え、学生全員を調べようとすると、どれだけ時間が掛かるか考えただけでもイヤになる、だから、彼女じっくりと確実に、割り出していこうと、考えていたのだが
「急すぎるわよ〜!」
既に魔獣の被害が街全体でほぼ出ているのだ、一刻を争うとまでは言わないが、それでも時間が経つにつれて、被害は拡大していく。
「調べてみたけど、うちの学校でも、10人以上休んじゃってるわね。」
それとなく調べてみた所、今日学校に来ていないのが、3学年で6〜8人程、途中早退が3人、という事が分かった。
「これって、増援待ってたら、手遅れになるんじゃ、ないかしら?」
冷汗を掻き、この異常事態について改めて考える。
「やっぱり、1人で戦うしか、ないのかな、けど見つからないし、勝てる気がしない。」
いつになく彼女は弱気でいた、割と好奇心旺盛な部分があり度胸もある彼女だが、今回は違う、勝てる可能性が見つからないのだ。
あと、
「例の異能者がそのうち出てくるって、高さん言ってたけど、いつ出てくるのかしら?」
今彼女が行える方法は、待つ事だ。
増援を待つ事も含まれているが、それが本当の目的ではない。
例の異能者が接触してくるのを待っているのだ。
「ハァ〜早く来ないかな?」
恋人を待つ気分とはこの様な感じなのか?
彼女ふとそう思ったが、
「こんな気分で、待ち焦がれているのは、世界中探しても、きっと私だけね」 
疲れた様な溜息を吐き、自分の席から離れずにいる彼女、現在教室には、彼女以外誰もいない・・・いや寧ろ居ない方が彼女にとって都合がよかったかも、ずっと座ったままで居る彼女を見れば誰だって不信感を抱く、更に言えば彼女は転校生して来て、まだ日が浅いのだ。
以上の事から、彼女一刻も早く例の異能者と接触を行いたいのだが、
「・・・相手は、私の事を気付いているのに、なんで来ないのよ〜!!」
つい大声で叫んでしまい、慌てて口を塞ぐ。
端から見たら、奇妙な光景だ。
「・・・・何してるんだろう?私・・・馬鹿みたい」
少し悲しくなってきた、今街では、魔獣の危機が降り注いでいるのに、自分はこんな所で、来ないかも知れない人間を、待っているのだ。
「ッ!、イケないわ、今は非常事態だから、今出来る事考えなきゃ」
両方とも見つけられないなら、残った方法は、時が来るまでに、コンディションを整える事だ。
キツイ戦いになるのは、間違いない、なので時が来るまでしっかりとコンディションを整える事にしました。
「そうと決まれば、一旦帰宅して体調を・・」
その時、携帯から電話が掛かった。
上司からだ。
「!、もしもし」
『・・・佳奈君、そっちはまだ学校に居るかい?』 
電話の向こうで、重々しい声が聞こえてきました。
「はい、此れから一度帰宅しようと思っていた所です。」
『そうか!、ならタイミングが良かった!』
何がタイミングが良いのか?そんな事を考えていると 
『魔獣の潜伏場所が分かったぞ。』
思い掛け無い内容だった。
「!?、どうやってですか!?確か居場所の探知は、出来なかった筈ですが」
探知は難しいと言われていたので、彼女は戸惑いを隠せずに入る。 
そんな彼女に、更に重々しく上司は言う。
『・・・その通りだ、・・・だが相手は隠す気が・・・無いようだ。』
「え?・・・」
いったい何が?・・・・嫌な予感がしている中 
『魔獣が活発に動き出した。』
上司の言葉に頭が真っ白になった佳奈であった。
孤独の戦い 前編へ続く。 
おまけ
とある教室での一幕 (夏服その2)
*これの話は、女子達に絶対、聞こえない様にしています。
「なぁ零、どうして参加しなかったんだよ?」
「武か・・・・あのアホな会か?」
「アホ言うな!・・・本来であれば、クラスの男子、全員参加の予定だったのによ。」 
「冗談は存在だけにしてくれ。」
「存在全否定!?」
********
「まぁお前の言いたい事も分かる、この学園に居る女子は、選りすぐりだし、うちのクラスでも、美女ばかりだしよ。」
「だったらよ、何か意見ぐらいあるだろう?」
「あのな〜・・・・よく考えてみろよ。」 
「???」
「あの美希に、もしバレたら最悪、・・・・・クラスが男女で割れるぞ?」  
「・・・・・」
「風紀委員の栞程じゃないが、それでも自分の体型気にしてる分、キレたら美希の方が危険だぞ?、しかも最終的に泣くかも知れないぞ?、あいつ」    
「・・・・・」
「更に美希が泣いて、それが他の女子達にバレたら、絶対クラスの女子全員がキレるぞ? 」 
「・・・・・(冷汗)」 
「結果クラスが男女に割れて、残り学生生活が、確実に暗黒時代に入るぞ?」
「・・・・・(カタッカタッ)」震えています。
「もう一度・・聞く・・・いいか?」(冷眼)
 
*こうして、夏服が1番似合う女子会議は、閉幕しました。(暫くの間、武は震えが止まりませんでした。) 
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