For Your Smile~君の心を救う~
16
事件の翌日、僕は凛華と親父、弁護士の早瀬さんと一緒に高橋家へ話し合いに来ていた。高橋家には僕達の他にも大口家、若月家の方々も来ている。
早瀬さんは被害届を出さない事、示談金を払っていただく事を話し始めた。
「以上です。親御さん達はこれでよろしいですか?」
「それでいいです。これ程、悪質な行為をしていたのですから」
「こちらも、バカ娘がご迷惑をおかけしましたし」
「私達もそれでよろしいです。被害届を出さないでいただけるだけありがたいです」
話し合いが終わり高橋家へ出る。高橋 夏美、大口 優花、若月 歩はこの事が学校に知らされ退学処分になったようです。
「凛華様、本当に被害届を出さなくてよろしいのでしょうか?」
早瀬さんは凛華に問いかける。そもそも、被害届を出さない事を最初に言い出したのは被害者の凛華である。早瀬さんも僕も被害届を出した方がいいと思ったが凛華が拒んだ。
「高校も中退させられるので、今後もっと厳しい生活をすると思いますから同情してあげたのです」
僕は凛華が物凄く強い素晴らしい妹だと思った。
「なんか、湊みたいになってきてるな。腹黒いって言うか」
「親父••••••喧嘩売ってるのか?」
「なるほど、湊様に似てきたのでしょうね。それでは皆様、私はここで」
早瀬さんとはここで別れ、僕達は家へ帰る事にした。
夜になり、自室で勉強しているとノックの音が聞こえた。
「どうぞ」
「失礼します」
扉を開くと不安そうな顔をしている凛華が入ってきた。
「何かあった?」
「いえ、その少し質問をしたくて」
「いいよ。どんな質問?」
「この前言ってたお兄ちゃんが養子って事が聞きたくて」
ああ、その話か••••••。今までは特に気にしてなかったけど、この話は隠す理由もないな。
「僕は産まれてすぐ、物心がつく前に凛華達が居た施設に捨てられたんだ。そして5歳の時に親父に拾われたんだよ」
「そうなんですか」
「僕としては親父とかと巡り会わせてくれてありがたかったよ。子供を捨てるような人に育ててほしくないからね」
僕は笑顔を見て、自然と凛華の顔も少し明るくなる。
「あの、もう1ついいですか?」
「どうぞ」
「あの、若月さんが言ってた彼女の座って」
「僕が社長の息子って事が理由かな。他にも理由があるけどそれは文化祭の時に分かるから」
「文化祭ですか?」
「文化祭の時に僕のクラスに来てみれば分かるよ」
まさか去年やった事と同じ事を今年もやるなんて思ってなかったからな••••••。僕1人の1票なんて意味をなさなかった••••••。
僕が遠い目をしていると凛華が口を開く。
「最後にもう1ついいですか?」
「あ、いいよ」
「彼女っているんですか?」
ん?なんで?
僕は文化祭のアレと親父が社長って理由で結構告られる事が多いのだ。まぁ、諸事情のせいで彼女はいないけど。
僕は疑問を持ちながらも答える。
「彼女はいないな。みんな高橋さん達みたいに社長婦人の座を狙ってるみたいなんだよね。まぁ、僕は社長になるつもりはないんだけど」
「そうなんですか。ありがとうございます」
「質問タイムはおしまい?」
「はい。ありがとうございます」
そう言うと凛華は部屋をそそくさと出て行った。
••••••なんで彼女の事聞いたんだろう。
早瀬さんは被害届を出さない事、示談金を払っていただく事を話し始めた。
「以上です。親御さん達はこれでよろしいですか?」
「それでいいです。これ程、悪質な行為をしていたのですから」
「こちらも、バカ娘がご迷惑をおかけしましたし」
「私達もそれでよろしいです。被害届を出さないでいただけるだけありがたいです」
話し合いが終わり高橋家へ出る。高橋 夏美、大口 優花、若月 歩はこの事が学校に知らされ退学処分になったようです。
「凛華様、本当に被害届を出さなくてよろしいのでしょうか?」
早瀬さんは凛華に問いかける。そもそも、被害届を出さない事を最初に言い出したのは被害者の凛華である。早瀬さんも僕も被害届を出した方がいいと思ったが凛華が拒んだ。
「高校も中退させられるので、今後もっと厳しい生活をすると思いますから同情してあげたのです」
僕は凛華が物凄く強い素晴らしい妹だと思った。
「なんか、湊みたいになってきてるな。腹黒いって言うか」
「親父••••••喧嘩売ってるのか?」
「なるほど、湊様に似てきたのでしょうね。それでは皆様、私はここで」
早瀬さんとはここで別れ、僕達は家へ帰る事にした。
夜になり、自室で勉強しているとノックの音が聞こえた。
「どうぞ」
「失礼します」
扉を開くと不安そうな顔をしている凛華が入ってきた。
「何かあった?」
「いえ、その少し質問をしたくて」
「いいよ。どんな質問?」
「この前言ってたお兄ちゃんが養子って事が聞きたくて」
ああ、その話か••••••。今までは特に気にしてなかったけど、この話は隠す理由もないな。
「僕は産まれてすぐ、物心がつく前に凛華達が居た施設に捨てられたんだ。そして5歳の時に親父に拾われたんだよ」
「そうなんですか」
「僕としては親父とかと巡り会わせてくれてありがたかったよ。子供を捨てるような人に育ててほしくないからね」
僕は笑顔を見て、自然と凛華の顔も少し明るくなる。
「あの、もう1ついいですか?」
「どうぞ」
「あの、若月さんが言ってた彼女の座って」
「僕が社長の息子って事が理由かな。他にも理由があるけどそれは文化祭の時に分かるから」
「文化祭ですか?」
「文化祭の時に僕のクラスに来てみれば分かるよ」
まさか去年やった事と同じ事を今年もやるなんて思ってなかったからな••••••。僕1人の1票なんて意味をなさなかった••••••。
僕が遠い目をしていると凛華が口を開く。
「最後にもう1ついいですか?」
「あ、いいよ」
「彼女っているんですか?」
ん?なんで?
僕は文化祭のアレと親父が社長って理由で結構告られる事が多いのだ。まぁ、諸事情のせいで彼女はいないけど。
僕は疑問を持ちながらも答える。
「彼女はいないな。みんな高橋さん達みたいに社長婦人の座を狙ってるみたいなんだよね。まぁ、僕は社長になるつもりはないんだけど」
「そうなんですか。ありがとうございます」
「質問タイムはおしまい?」
「はい。ありがとうございます」
そう言うと凛華は部屋をそそくさと出て行った。
••••••なんで彼女の事聞いたんだろう。
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