【完結】幼馴染の専業ニセ嫁始めましたが、どうやらニセ夫の溺愛は本物のようです

さぶれ(旧さぶれちゃん)

最終・旦那様(本物)に愛された嫁(本物)のお話は、大団円を迎えます。・その1

 いよいよ結婚式前日となった。グリーンバンブーが日曜日が定休日だから、日曜日に挙式をする。前日から式場の近くのホテルに宿泊して、全身エステにマッサージ、最終衣装合わせにその他諸々を行い、ネイルやって髪やって、なんじゃかんじゃを美しくして、明日に備えた。
 本当ならグリーンバンブーで汗まみれになって働いている予定なのにね。
 別の意味でつるつるピカピカになった。グリーンバンブーでなる『つるつるピカピカ(汗まみれ)』とは大違いだ。

 ホテルで旦那様(本物)と上品にディナーを摂り、一緒に過ごした。
 バーで少しお酒を嗜んで、甘えたくなったからそのまま一矢に凭れかかった。

「もう酔ったのか?」

「ううん。ちょっと、独身最後の夜を噛み締めているの。色々あったなあーって」

「部屋で話すか?」

「そうだね。そうしよっか。一矢に甘えたい」

「うむ。悪くない」

 一矢が照れた顔を見せた。ビジネス用のスーツもカッコいいけど、フォーマルな恰好も素敵。
ドレスアップしているから、一矢の横に並んでも遜色ない事が嬉しい。この前のグリーンバンブーは悲惨だったから。雲泥の差があるのは、考えてもいいものではない。

 豪華な最上階の、贅の限りを尽くした極上ロイヤルデラックススウィートルームが、今日の宿泊先。はああー。一生縁が無いと思っていたこんな部屋に、たった二人きりでお泊り・・・・。何か、いいのかなぁーって思っちゃう。

 部屋に入った途端、一矢に抱きしめられた。「今日の伊織は、とても麗しい。私の為に綺麗になってくれたのなら、これ程嬉しい事は無い」

 耳筋に一矢の甘い囁きがかかり、ぞくぞくした。
 極上エステにマッサージを施されてつるつるピカピカになった私を、旦那様(本物)はどうやら今すぐ愛でるつもりらしい。

「お喋りは・・・・?」

 ちょっと抵抗してみた。

「愛を囁きながらでも、話くらいはできる」

「きゃっ」

 力強い腕に抱きかかえられた。
 ベッドにとすん、と押し倒される。

「脱がせるのが勿体ないな」

 勿体ないとか言う割に、ワンピースのチャックを早業で脱がせてくる。
 ドレスが乱れて、露出した肌に一矢が唇を付ける。

「ん・・・・」

 甘ったるい声がたちまち漏れる。今夜もまさかの溺愛。あぁ、明日結婚式なのに・・・・。


 でもまあ、明日が本番だから、少しですむよね。大丈夫かな?



 ・・・・なんて、前夜だから多少の手加減はしてくれると思っていたけれど、甘かった。







 旦那様(本物)の甘く激しい溺愛は、留まるところを知らないようです!






 

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