【完結】幼馴染の専業ニセ嫁始めましたが、どうやらニセ夫の溺愛は本物のようです

さぶれ(旧さぶれちゃん)

8.ニセ嫁、旦那様(ニセ)の為に、腕を振るって愛妻弁当を作ります。・その5

 ・・・・いい機会だから、もうお弁当は買わなくてもいいって言っちゃおうか。

 私は一矢の為にお弁当を作るのは、全然苦じゃないし、むしろ平日は一矢に・・・・少しでも会えて、嬉しいって思ってしまうけど、初恋にさよならするなら、何時までも一矢のお弁当を作り続ける訳にはいかないもんね。
 それに、この屋敷で少しだけど暮らしてみて思った。
 今まで、何という貧相なお弁当を一矢に作り、食べさせていたのだろう、と。

 やっぱり恩よ。それしかないわ。
 お金出せば豪華で無添加なお弁当なんか何だって買えちゃう一矢が、わざわざグリーンバンブーのお弁当を買うなんて、考えられないもの!

 一日二人分のお弁当代、確かに店の売り上げの足しにはなっているわ。
 お釣りの要らないように、中松から毎月の初めにまとめてお弁当代の二人分を貰っているの。
グリーンバンブーの定食が殆ど八百円だから、お弁当の値段は、豪華サービス品も含めて幼馴染価格設定で、定食と同じ値段にした。千六百円×二人分×五日分で合計四万円、一矢がお弁当代に使ってくれている。


 ・・・・断ったら、月の四万円の収入がなくなっちゃうわ。年間で四十八万円。それは痛い。
 一矢の為に朝から仕込みとお弁当作りを頑張るのが、私の生きがいみたいなものだし、やっぱり断れない。




 はあああぁー。



 この恋もお弁当作りも、当分やめられそうに、ない。






 

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