冷たい部長の甘い素顔【コミカライズ連載中】
その後 第13話 帰国
・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・
8月10日 土曜日
・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・
今日、将軍さんが帰ってくる!
早朝、7時過ぎに空港に着く予定。
少しでも早く会いたい私は、朝5時から起きて、身支度を整えている。
たかが2週間。
それでも、付き合い始めてから、初めて2週間も離れ離れになったんだもん。
しかも、西野さんっていう台風付きで。
私は、空港で出迎えようと、週末の早朝の電車に乗った。
週末だから、今日は座ることができるくらい、空いている。
私は、電車の中でメールを打つ。
〔今、電車の中。
空港まで迎えに行くところ。
到着ロビーで待ってるね〕
これで、すれ違うことはないはず。
私は安心して、空港へと向かった。
将軍さんの飛行機はまだかな?
そうだ!
また倒れたら、将軍さんに心配をかけちゃう。
私は、いつもなら座らないのに、空いているベンチを探して、腰を下ろす。
15分ほどして、飛行機が到着したのか、人が列をなして流れてくる。
将軍さんは……
背の高い将軍さんは、人混みにいても頭ひとつ飛び出してるから、見逃すことはないはず。
私は、立ち上がり、目を凝らして、将軍さんを探す。
……いた!
私は、我慢できなくて、将軍さん目がけて駆け出した。
「将軍さん、おかえりなさい!」
私が将軍さんに飛びつくと、将軍さんは、私をしっかり抱きとめて言った。
「爽! ダメだろ、走っちゃ。お腹の子に何かあったら、どうする? 爽の体だって、危険なんだぞ!」
「ごめんなさい……」
将軍さんに叱られて、しょんぼりと視線を落とすと、すぐ隣に西野さんを見つけた。
金髪ですごく目立つ容姿の西野さんが隣にいることすら気づかないなんて、私ってば、どれだけ将軍さんしか目に入ってないんだろう。
我ながら、呆れてしまう。
「西野さんもおかえりなさい」
私は、笑顔で挨拶をする。
すると、西野さんは、呆れたように私に一瞥をくれた
「あなたって……
たかが2週間の出張で、わざわざ空港まで迎えにくる?」
えっ?
「普通は来ないんですか? 2週間も離れてたのに!? 私たち、付き合ってから、ずっと一緒だったから、こんなに離れたの、初めてなんですよ」
だから、すっごく寂しかった。
「くくくっ
だな。爽、ただいま」
将軍さんは、私の頭をくしゃりと撫でて、微笑んでくれる。
さっき、叱られたばかりだから、余計に嬉しくなる。
「おかえりなさい」
私が将軍さんを見上げると、将軍さんは、そのまま肩を抱いてくれる。
「はぁ……
いい年して、そういうイチャイチャは、家でやっていただけません?」
西野さんは、私たちに冷たい視線を投げかける。
そういえば、以前のような、将軍さんにこびるような態度は微塵もない。
なんで?
「2週間も我慢したんだから、これくらいはいいだろ」
将軍さんにきゅっと抱き寄せられて、心臓がトクンと音を立てる。
「はいはい。私はもう失礼するので、ご自由にどうぞ」
西野さんは、そのまま立ち去ろうとする。
私は慌てて声を掛けた。
「主人が2週間、大変お世話になりました。ありがとうございました」
振り返った西野さんに向かって、私はペコリと頭を下げる。
西野さんは、ぼそっと何かを呟いた。
「ほんと、嫌味な子」
って言われた気がしたんだけど、聞き間違いかな?
8月10日 土曜日
・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・
今日、将軍さんが帰ってくる!
早朝、7時過ぎに空港に着く予定。
少しでも早く会いたい私は、朝5時から起きて、身支度を整えている。
たかが2週間。
それでも、付き合い始めてから、初めて2週間も離れ離れになったんだもん。
しかも、西野さんっていう台風付きで。
私は、空港で出迎えようと、週末の早朝の電車に乗った。
週末だから、今日は座ることができるくらい、空いている。
私は、電車の中でメールを打つ。
〔今、電車の中。
空港まで迎えに行くところ。
到着ロビーで待ってるね〕
これで、すれ違うことはないはず。
私は安心して、空港へと向かった。
将軍さんの飛行機はまだかな?
そうだ!
また倒れたら、将軍さんに心配をかけちゃう。
私は、いつもなら座らないのに、空いているベンチを探して、腰を下ろす。
15分ほどして、飛行機が到着したのか、人が列をなして流れてくる。
将軍さんは……
背の高い将軍さんは、人混みにいても頭ひとつ飛び出してるから、見逃すことはないはず。
私は、立ち上がり、目を凝らして、将軍さんを探す。
……いた!
私は、我慢できなくて、将軍さん目がけて駆け出した。
「将軍さん、おかえりなさい!」
私が将軍さんに飛びつくと、将軍さんは、私をしっかり抱きとめて言った。
「爽! ダメだろ、走っちゃ。お腹の子に何かあったら、どうする? 爽の体だって、危険なんだぞ!」
「ごめんなさい……」
将軍さんに叱られて、しょんぼりと視線を落とすと、すぐ隣に西野さんを見つけた。
金髪ですごく目立つ容姿の西野さんが隣にいることすら気づかないなんて、私ってば、どれだけ将軍さんしか目に入ってないんだろう。
我ながら、呆れてしまう。
「西野さんもおかえりなさい」
私は、笑顔で挨拶をする。
すると、西野さんは、呆れたように私に一瞥をくれた
「あなたって……
たかが2週間の出張で、わざわざ空港まで迎えにくる?」
えっ?
「普通は来ないんですか? 2週間も離れてたのに!? 私たち、付き合ってから、ずっと一緒だったから、こんなに離れたの、初めてなんですよ」
だから、すっごく寂しかった。
「くくくっ
だな。爽、ただいま」
将軍さんは、私の頭をくしゃりと撫でて、微笑んでくれる。
さっき、叱られたばかりだから、余計に嬉しくなる。
「おかえりなさい」
私が将軍さんを見上げると、将軍さんは、そのまま肩を抱いてくれる。
「はぁ……
いい年して、そういうイチャイチャは、家でやっていただけません?」
西野さんは、私たちに冷たい視線を投げかける。
そういえば、以前のような、将軍さんにこびるような態度は微塵もない。
なんで?
「2週間も我慢したんだから、これくらいはいいだろ」
将軍さんにきゅっと抱き寄せられて、心臓がトクンと音を立てる。
「はいはい。私はもう失礼するので、ご自由にどうぞ」
西野さんは、そのまま立ち去ろうとする。
私は慌てて声を掛けた。
「主人が2週間、大変お世話になりました。ありがとうございました」
振り返った西野さんに向かって、私はペコリと頭を下げる。
西野さんは、ぼそっと何かを呟いた。
「ほんと、嫌味な子」
って言われた気がしたんだけど、聞き間違いかな?
「恋愛」の人気作品
書籍化作品
-
-
361
-
-
381
-
-
841
-
-
1
-
-
444
-
-
157
-
-
37
-
-
2813
-
-
11128
コメント