冷たい部長の甘い素顔【コミカライズ連載中】
その後 第6話 会食
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7月19日 金曜日
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それから、毎週のように金髪美女は金曜日にやってきて、将軍さんを連れ出して外食をして帰る。
将軍さんは、何も言わないけれど、毎回、ワイシャツに香水の移り香が残っているところを見ると、絶対、金髪さんにベタベタ触られているに違いない。
色仕掛けで迫ってるのかも。
将軍さん、無駄にかっこいいから。
社内では、怖いとか厳しいとかって悪評が先に立って、あえて誰も近寄ろうとはしなかったけど、社外の人は、そんな悪評も知らないし、将軍さんも、社外の人に厳しいふりをする必要もないから、ただの優しくてかっこいい人に見えちゃうのかもしれない。
かといって、仕事の会食について行って見張ってるわけにもいかないし。
私のモヤモヤは、日増しに募っていく。
そんな私の苦悩を知ってか知らずか、7月19日、わざわざ社長が企画部へ来て、私に声を掛けた。
「爽さん、今夜、予定ありますか?」
今日は、金曜日で、やはり金髪美女が来ている。
将軍さんは、きっと今日も接待の飲み会だろう。
「いえ、特にありませんが、何かあるんですか?」
私が答えると、社長はにっこりと笑顔を浮かべて言った。
「いえね、毎週、秦野くんが西野さんの相手をしてくれてるんですが、少し大変そうなので、爽さんも一緒に来てくれたら…と思ってね」
つまり、社長が見るに見かねるほど、彼女の振る舞いがすごいということ!?
私は、一も二もなく了承する。
「大丈夫です。ご一緒させていただきますね」
「良かった。じゃあ、また後で」
そう言って社長は会議室へと戻って行く。
私は、18時に仕事を終えると、将軍さんたちの打ち合わせが終わるのを待った。
18時半になり、社長を先頭に会議を終えたメンバーが廊下を歩いてくるのが見えた。
「爽さん!」
と社長が私を手招きする。
私は、用意していたバッグを手に、社長のもとへと向かった。
「西野さん、紹介しますね。企画部の秦野爽さん。とても明るい子でね、彼女がいると場が和むので、今日は彼女も一緒に誘ったんですよ」
と社長が紹介してくれるので、私はバッグから名刺を取り出して挨拶をする。
「はじめまして。秦野爽です。いつも西野さんをお見かけして、お綺麗な方なので憧れていたんですよ。今日は、よろしくお願いしますね」
私は、よそ行きの笑顔を浮かべてそう言った。
「西野明美です。よろしくお願いします」
西野さんも笑顔で名刺を差し出す。
その横で、将軍さんは、驚いたように固まっていた。
きっと、社長の独断による配慮だったのね。
私は、そのまま、スッと西野さんと将軍さんの間に入って、将軍さんの隣に並ぶ。
「ふふっ
将軍さん、驚いてる?」
「あ、ああ」
将軍さんが、こんなにうろたえてるのを見るのは、珍しいかも。
それを見た西野さんが、不思議そうな顔をする。
「あの、お二人は……?」
すると、すかさず社長が説明してくれた。
「我が社自慢のおしどり夫婦ですよ。さ、参りましょうか」
社長に促されて、一同は徒歩5分ほどの料亭に場所を移す。
一般的な6人ほどが座れる座卓が用意されたその部屋で、私は、常識に従って行動する。
「西野さん、奥へどうぞ」
私は、上座を西野さんに勧める。
「いえ、私は……」
渋る西野さんは、将軍さんを見ている。
これは、将軍さんの隣を狙ってる?
「いえ、お客様ですから、ぜひ、上座に。社長もどうぞ」
私がそう勧めると、東堂部長も同調してくれる。
「そうですよ。どうぞ」
西野さんは、それ以上、固辞することも出来なくて、渋々奥の席に腰を下ろした。
しかし、そうすると、その次に来るのは、社内の序列からいうと、将軍さんなわけで……
将軍さんは、西野さんの隣に座ることになってしまった。
うーん、失敗。
ただ、私は、将軍さんの向かいには座らず、角を挟んで隣に座布団を移して腰を下ろす。
「へへっ、ダメかな?」
私がそう言うと、将軍さんは、照れたように笑い、東堂部長は、
「さすが爽ちゃん! いいよ、いいよ、好きなだけイチャついてて」
とお調子者なところを見せてくれる。
7月19日 金曜日
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それから、毎週のように金髪美女は金曜日にやってきて、将軍さんを連れ出して外食をして帰る。
将軍さんは、何も言わないけれど、毎回、ワイシャツに香水の移り香が残っているところを見ると、絶対、金髪さんにベタベタ触られているに違いない。
色仕掛けで迫ってるのかも。
将軍さん、無駄にかっこいいから。
社内では、怖いとか厳しいとかって悪評が先に立って、あえて誰も近寄ろうとはしなかったけど、社外の人は、そんな悪評も知らないし、将軍さんも、社外の人に厳しいふりをする必要もないから、ただの優しくてかっこいい人に見えちゃうのかもしれない。
かといって、仕事の会食について行って見張ってるわけにもいかないし。
私のモヤモヤは、日増しに募っていく。
そんな私の苦悩を知ってか知らずか、7月19日、わざわざ社長が企画部へ来て、私に声を掛けた。
「爽さん、今夜、予定ありますか?」
今日は、金曜日で、やはり金髪美女が来ている。
将軍さんは、きっと今日も接待の飲み会だろう。
「いえ、特にありませんが、何かあるんですか?」
私が答えると、社長はにっこりと笑顔を浮かべて言った。
「いえね、毎週、秦野くんが西野さんの相手をしてくれてるんですが、少し大変そうなので、爽さんも一緒に来てくれたら…と思ってね」
つまり、社長が見るに見かねるほど、彼女の振る舞いがすごいということ!?
私は、一も二もなく了承する。
「大丈夫です。ご一緒させていただきますね」
「良かった。じゃあ、また後で」
そう言って社長は会議室へと戻って行く。
私は、18時に仕事を終えると、将軍さんたちの打ち合わせが終わるのを待った。
18時半になり、社長を先頭に会議を終えたメンバーが廊下を歩いてくるのが見えた。
「爽さん!」
と社長が私を手招きする。
私は、用意していたバッグを手に、社長のもとへと向かった。
「西野さん、紹介しますね。企画部の秦野爽さん。とても明るい子でね、彼女がいると場が和むので、今日は彼女も一緒に誘ったんですよ」
と社長が紹介してくれるので、私はバッグから名刺を取り出して挨拶をする。
「はじめまして。秦野爽です。いつも西野さんをお見かけして、お綺麗な方なので憧れていたんですよ。今日は、よろしくお願いしますね」
私は、よそ行きの笑顔を浮かべてそう言った。
「西野明美です。よろしくお願いします」
西野さんも笑顔で名刺を差し出す。
その横で、将軍さんは、驚いたように固まっていた。
きっと、社長の独断による配慮だったのね。
私は、そのまま、スッと西野さんと将軍さんの間に入って、将軍さんの隣に並ぶ。
「ふふっ
将軍さん、驚いてる?」
「あ、ああ」
将軍さんが、こんなにうろたえてるのを見るのは、珍しいかも。
それを見た西野さんが、不思議そうな顔をする。
「あの、お二人は……?」
すると、すかさず社長が説明してくれた。
「我が社自慢のおしどり夫婦ですよ。さ、参りましょうか」
社長に促されて、一同は徒歩5分ほどの料亭に場所を移す。
一般的な6人ほどが座れる座卓が用意されたその部屋で、私は、常識に従って行動する。
「西野さん、奥へどうぞ」
私は、上座を西野さんに勧める。
「いえ、私は……」
渋る西野さんは、将軍さんを見ている。
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私がそう勧めると、東堂部長も同調してくれる。
「そうですよ。どうぞ」
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