冷たい部長の甘い素顔【コミカライズ連載中】
その後 第4話 金髪美女
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6月28日 金曜日
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株主総会の後、将軍さんは本格的に新しい部署での仕事に邁進していく。
海外にプライベートブランドの工場を作るに当たり、将軍さんのところには、様々な取引先が訪れるようになった。
そんなある日、社内が一瞬ざわめいた。
午前10時。
将軍さんのもとに訪れたのが、金髪美女だったから。
元々、来客予定として、総務に伝えられていたのは、西野 明美というごく当たり前の日本人の名前だった。
当然、先入観として、ごく普通の日本人が来ると思ってたから、みんな驚いたのだ。
日本人が金髪に染めてるのとは違い、明らかに白人の顔立ち。
なんで、この顔立ちで、この名前!?と誰もが違和感を抱く中、将軍さんとその美女、西野 明美さんは、社長の他、数人のメンバーとともに、会議室へとこもった。
本人がいなくなると、なお一層、社内は噂話で持ちきりになる。
「ねぇ、あれ、誰?」
「何人なの?」
疑問は、次から次へと湧いてくる。
経営戦略部の尚ちゃんによると、その金髪美女は、商社の女性らしい。
今度、海外にプライベートブランドの工場を作るので、そのための打ち合わせに来たんだそうだ。
海外って言っても、アジアなのに、なんで金髪美女……と思わないでもないけど、そんなのよく考えたら、商社の人事に人種は関係ないだろうし、金髪美女はアメリカやヨーロッパの仕事しかしないと思うのは、私の偏見でしかない。
やがて、12時になると、会議室から将軍さんたちが連れだって出てくる。
今日はお弁当はいらないと言ってた将軍さん。
どうやら、みんなで外食に行くようだ。
金髪美女こと西野明美さんは、なぜか将軍さんにぴったりと寄り添うように並んで出ていく。
まぁ、確かに今回の件は、将軍さんの指示で動いているわけだし、商社の営業が、担当者にごまをすってると思えば、分からなくもない。
でも、最終決定権があるのは社長だし、現場責任者は商品部の東堂部長と開発部の立川部長のはず。
なんでその間の将軍さんにくっつくの?
自分でも分かってる。これがただのヤキモチだって。
分かってるけど、むかつくんだから仕方ない。
将軍さんは、絶対に浮気なんてしない。
そう信じてはいるけど、金髪美女って、やっぱり日本人男性は弱いものでしょ?
色気で迫ってきたら、ついフラって行ってしまうかもしれない。
私は真由と食事をしながらも、将軍さんのことが、そわそわと気になってしょうがなかった。
「爽、なんでそんなにおとなしいの?
もしかして、さっきの金髪さんを気にしてる?」
真由は、Aランチのシュウマイを頬張りながら、話しかけてくる。
「別に、そんなの……」
気にしてないとは言えない。
「部長、珍しく笑顔だったもんね」
そうか!
真由に言われて気づいた。私が感じてた違和感の正体。
将軍さんは、会社では、ほとんど笑わない。
銀縁眼鏡の奥から、冷たい視線を投げかけて、周りの社員をみんな凍らせている。
将軍さんが笑顔を見せるのは、私にだけだったはずなのに、今、将軍さんは、笑顔で談笑しながら出かけたんだ。
気づいたら、なんだかますます不安になる。
将軍さんなら、信じられるはずなのに……
6月28日 金曜日
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株主総会の後、将軍さんは本格的に新しい部署での仕事に邁進していく。
海外にプライベートブランドの工場を作るに当たり、将軍さんのところには、様々な取引先が訪れるようになった。
そんなある日、社内が一瞬ざわめいた。
午前10時。
将軍さんのもとに訪れたのが、金髪美女だったから。
元々、来客予定として、総務に伝えられていたのは、西野 明美というごく当たり前の日本人の名前だった。
当然、先入観として、ごく普通の日本人が来ると思ってたから、みんな驚いたのだ。
日本人が金髪に染めてるのとは違い、明らかに白人の顔立ち。
なんで、この顔立ちで、この名前!?と誰もが違和感を抱く中、将軍さんとその美女、西野 明美さんは、社長の他、数人のメンバーとともに、会議室へとこもった。
本人がいなくなると、なお一層、社内は噂話で持ちきりになる。
「ねぇ、あれ、誰?」
「何人なの?」
疑問は、次から次へと湧いてくる。
経営戦略部の尚ちゃんによると、その金髪美女は、商社の女性らしい。
今度、海外にプライベートブランドの工場を作るので、そのための打ち合わせに来たんだそうだ。
海外って言っても、アジアなのに、なんで金髪美女……と思わないでもないけど、そんなのよく考えたら、商社の人事に人種は関係ないだろうし、金髪美女はアメリカやヨーロッパの仕事しかしないと思うのは、私の偏見でしかない。
やがて、12時になると、会議室から将軍さんたちが連れだって出てくる。
今日はお弁当はいらないと言ってた将軍さん。
どうやら、みんなで外食に行くようだ。
金髪美女こと西野明美さんは、なぜか将軍さんにぴったりと寄り添うように並んで出ていく。
まぁ、確かに今回の件は、将軍さんの指示で動いているわけだし、商社の営業が、担当者にごまをすってると思えば、分からなくもない。
でも、最終決定権があるのは社長だし、現場責任者は商品部の東堂部長と開発部の立川部長のはず。
なんでその間の将軍さんにくっつくの?
自分でも分かってる。これがただのヤキモチだって。
分かってるけど、むかつくんだから仕方ない。
将軍さんは、絶対に浮気なんてしない。
そう信じてはいるけど、金髪美女って、やっぱり日本人男性は弱いものでしょ?
色気で迫ってきたら、ついフラって行ってしまうかもしれない。
私は真由と食事をしながらも、将軍さんのことが、そわそわと気になってしょうがなかった。
「爽、なんでそんなにおとなしいの?
もしかして、さっきの金髪さんを気にしてる?」
真由は、Aランチのシュウマイを頬張りながら、話しかけてくる。
「別に、そんなの……」
気にしてないとは言えない。
「部長、珍しく笑顔だったもんね」
そうか!
真由に言われて気づいた。私が感じてた違和感の正体。
将軍さんは、会社では、ほとんど笑わない。
銀縁眼鏡の奥から、冷たい視線を投げかけて、周りの社員をみんな凍らせている。
将軍さんが笑顔を見せるのは、私にだけだったはずなのに、今、将軍さんは、笑顔で談笑しながら出かけたんだ。
気づいたら、なんだかますます不安になる。
将軍さんなら、信じられるはずなのに……
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