冷たい部長の甘い素顔【完】
第52話 ダメって言われても……
スーパーで買い物をした私は、将軍さん家で晩ご飯を作ることにした。
鰈が安くなってたから、今日は、和食。
落し蓋をして煮付けにする。
牛蒡・人参などの根菜類は、筑前煮にした。
豆腐と大根のお味噌汁を添える。
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴ると同時にガチャガチャとかぎを開ける音。
私が玄関に向かうと、将軍さんが靴を脱いでいた。
「おかえりなさい!」
「ただいま」
将軍さんが、幸せそうに微笑んでくれる。
私は思わず、将軍さんの首に抱きついた。
さっきまで同じフロアで一緒に仕事をしてたのに、なんでこんなに会いたいんだろう。
なんで、会えただけでこんなに嬉しいんだろう。
将軍さんはそのまま私の額にキスを落とす。
「いい匂いがする」
クンクンと匂いを嗅ぎながら、将軍さんが言った。
「今日は、お魚にしてみたの」
私がそう言うと、
「それは、楽しみだ。すぐに着替えてくる」
と寝室に入っていった。
「いただきます」
「いただきます」
私たちは、2人で向かい合って、食事を始める。
「うまっ!
爽、ほんとに料理うまいな」
へへっ……
将軍さんに褒められちゃった。
すっごく嬉しい。
「ありがとう。
1人だとあんまり作らないんだけど、将軍さんに食べてもらえると思うと、嬉しくて頑張っちゃった」
私がそう言うと、将軍さんは、ほんとに嬉しそうに笑った。
やっぱり、誰かのために作る料理っていいよね。
っていうか、それより!
「ねぇねぇ、それより、あの後、会社でどうだったの?」
私は1番気になってた事を尋ねる。
「くくっ、
別に。
ものすごい量の視線は感じたけど、誰も俺には何も聞いて来なかったよ。
きっと、明日、爽が質問攻めに合うんだろうな」
将軍さんは、堪えきれないとでも言うように、楽しそうに笑う。
「えぇ〜!?
そんなのずるい!!
私は、なんて答えればいいの?」
真由とか、絶対、興味津々で聞いてくるよ。
それだけじゃない。
もしかしたら、噂好きのお姉さまが多い総務とか人事の人たちも身を乗り出して聞いて来そう。
「別に正直に言えばいいよ。俺に告られて、付き合う事になった…って言うだけだから、簡単だろ?」
いやいや、それ、絶対、簡単じゃないし。
「あぁ!  もう! やだ!
明日が怖すぎるんだけど!」
私が少し声を荒げると、将軍さんは、「ハハッ」と楽しそうに笑みをこぼす。
「それより、着替えだな。
明日、同じ服じゃ、あからさま過ぎるだろ?」
はっ!
まさか、今日も泊まれって言ってる!?
「当たり前です!
今日は、絶対、帰りますよ!」
そんなの、社内中の人からからかわれるに決まってる。
「は!? それはダメだ」
将軍さんは当然のように否定する。
なんで!?
ダメって言われても、困るんですけど……
「食べたら車出すから、着替えを取りに行こう」
つまり、泊まるのは、決定だということ?
なんだか、最近、将軍さんが駄々っ子に見える。
なんだか、ちょっとかわいい。
ほんの少し前まで、大人の男の人だって気がしてたのに。
もちろん、ものすごく大人だと感じる時もたくさんあるんだけど……。
食後、将軍さんは、ほんとに車を出してくれた。
そして、明日の分の着替えを持って来ようとしてた私に、
「違う!
5日分の着替え!」
と火曜から土曜の朝着る分までの着替えを持って来させた。
5日分の着替えと化粧品って、ほとんど海外旅行の荷物だよ…
でも、将軍さんがにこにこ笑ってるから、ま、いっか。
もちろん、その後、将軍さん宅に戻った私は、将軍さんの腕の中で、幸せな夢を心ゆくまで見たのだった。
鰈が安くなってたから、今日は、和食。
落し蓋をして煮付けにする。
牛蒡・人参などの根菜類は、筑前煮にした。
豆腐と大根のお味噌汁を添える。
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴ると同時にガチャガチャとかぎを開ける音。
私が玄関に向かうと、将軍さんが靴を脱いでいた。
「おかえりなさい!」
「ただいま」
将軍さんが、幸せそうに微笑んでくれる。
私は思わず、将軍さんの首に抱きついた。
さっきまで同じフロアで一緒に仕事をしてたのに、なんでこんなに会いたいんだろう。
なんで、会えただけでこんなに嬉しいんだろう。
将軍さんはそのまま私の額にキスを落とす。
「いい匂いがする」
クンクンと匂いを嗅ぎながら、将軍さんが言った。
「今日は、お魚にしてみたの」
私がそう言うと、
「それは、楽しみだ。すぐに着替えてくる」
と寝室に入っていった。
「いただきます」
「いただきます」
私たちは、2人で向かい合って、食事を始める。
「うまっ!
爽、ほんとに料理うまいな」
へへっ……
将軍さんに褒められちゃった。
すっごく嬉しい。
「ありがとう。
1人だとあんまり作らないんだけど、将軍さんに食べてもらえると思うと、嬉しくて頑張っちゃった」
私がそう言うと、将軍さんは、ほんとに嬉しそうに笑った。
やっぱり、誰かのために作る料理っていいよね。
っていうか、それより!
「ねぇねぇ、それより、あの後、会社でどうだったの?」
私は1番気になってた事を尋ねる。
「くくっ、
別に。
ものすごい量の視線は感じたけど、誰も俺には何も聞いて来なかったよ。
きっと、明日、爽が質問攻めに合うんだろうな」
将軍さんは、堪えきれないとでも言うように、楽しそうに笑う。
「えぇ〜!?
そんなのずるい!!
私は、なんて答えればいいの?」
真由とか、絶対、興味津々で聞いてくるよ。
それだけじゃない。
もしかしたら、噂好きのお姉さまが多い総務とか人事の人たちも身を乗り出して聞いて来そう。
「別に正直に言えばいいよ。俺に告られて、付き合う事になった…って言うだけだから、簡単だろ?」
いやいや、それ、絶対、簡単じゃないし。
「あぁ!  もう! やだ!
明日が怖すぎるんだけど!」
私が少し声を荒げると、将軍さんは、「ハハッ」と楽しそうに笑みをこぼす。
「それより、着替えだな。
明日、同じ服じゃ、あからさま過ぎるだろ?」
はっ!
まさか、今日も泊まれって言ってる!?
「当たり前です!
今日は、絶対、帰りますよ!」
そんなの、社内中の人からからかわれるに決まってる。
「は!? それはダメだ」
将軍さんは当然のように否定する。
なんで!?
ダメって言われても、困るんですけど……
「食べたら車出すから、着替えを取りに行こう」
つまり、泊まるのは、決定だということ?
なんだか、最近、将軍さんが駄々っ子に見える。
なんだか、ちょっとかわいい。
ほんの少し前まで、大人の男の人だって気がしてたのに。
もちろん、ものすごく大人だと感じる時もたくさんあるんだけど……。
食後、将軍さんは、ほんとに車を出してくれた。
そして、明日の分の着替えを持って来ようとしてた私に、
「違う!
5日分の着替え!」
と火曜から土曜の朝着る分までの着替えを持って来させた。
5日分の着替えと化粧品って、ほとんど海外旅行の荷物だよ…
でも、将軍さんがにこにこ笑ってるから、ま、いっか。
もちろん、その後、将軍さん宅に戻った私は、将軍さんの腕の中で、幸せな夢を心ゆくまで見たのだった。
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