冷たい部長の甘い素顔【コミカライズ連載中】

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第46話 夕食

映画の余韻から少し冷めた頃、私たちはDVDを返却に出かけた。

そして、その帰りにスーパーに寄り、食材を買う。

今日は、私に料理を作らせてくれることになっている。

私は、メインに和風ハンバーグを作ることにした。

挽き肉、大根、大葉、玉ねぎ、卵、パン粉、牛乳、サラダ用の野菜を数種類……

次々に食材を籠に入れ、レジに並ぶ。

支払いを済ませた私たちは、帰宅して、さっそく料理に取り掛かる。

まず、米を研ぎ、味噌汁を作る。

お豆腐を買い忘れたので、大根と冷蔵庫にあったわかめと油揚げのかき玉のお味噌汁にした。

大根に余熱で火を通している間に、ハンバーグを作る。

表面をこんがり焼いたら、水を入れて蒸し焼きに。

その間に、大根をおろして、大葉を刻む。

サラダも用意して、焼き上がったハンバーグと共に盛り付ける。

私がせわしなく動いている間、将軍さんは、楽しそうに眺めていた。

そして、料理が完成すると、テーブルに運んでくれる。


「ん!
 爽、おいしい!」

ハンバーグを食べた将軍さんは、目を丸くして言った。

「ふふっ、
 私の料理なんて、期待してなかったんでしょ?」

私、あまり家庭的なイメージ、持たれないのよね、残念なことに。

「ごめん。正直、俺のために、作ってくれるっていう行為が嬉しかったんだ。けど、味も絶品だな」

「よかった!」

ほっとした私は、自然とくすくすと笑みがこぼれる。

「味噌汁に卵ってのも、初めて食べたけど、うまいな」

「でしょ?
 かき玉っていうと、普通はお吸い物だけど、味噌汁も私は好きなの」

将軍さんは、パクパクとおいしそうに食べてくれる。

全部きれいに食べ終えると、片付けは将軍さんがしてくれた。

「爽は座ってていいよ」

そう言って、将軍さんは、あっという間に流しを綺麗にしていく。

手際がいいなぁ。
私なんかより、余程、上手。

私は、つい、その手さばきに見惚れてしまう。

片付け終えた将軍さんは、そのままコーヒーを入れてくれた。

それを飲みながら、私は、意を決して、話を切り出した。

「将軍さん、話があるの」

「何?」

突然、改まった私を見て、将軍さんは少し顔を曇らせた。

「あのね、ほんとは言わない方がいい話かもしれないし、将軍さんは聞きたくないかもしれないんだけど……」

と私は前置く。

「でも、私だったら、将軍さんに隠されて違う人から聞かされるより、やっぱり将軍さんに言って欲しいから、言おうと思うの」

「ん? う、うん……」

将軍さんは、まるで狐に摘まれたような訳が分からないとでも言いたげな顔をする。

「実はね、水曜日にたまたま服部さんと帰りが一緒になって、食事に誘われたんだけど……」

と私は話し始めた。


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