話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

冷たい部長の甘い素顔【完】

くっきぃ♪

第38話 3分もあれば

・:*:・:・:・:*:・・:*:・:・:・:*:・

  10月8日   月曜日

・:*:・:・:・:*:・・:*:・:・:・:*:・

楽しかった週末も終わり、いつもの日常が始まる。

将軍さんとは、会社でどうするか…などの具体的な事は何も話していないけど、常識的に考えて、上司と部下である以上、内緒にしておいた方が仕事もやり易いよね?

そんなことを思いながら、出社する。

「おはようございます!」

私はいつも通り、挨拶をして席に座る。

けれど、将軍さんは、ちらっと顔を上げて、いつも通りの低い声で、ぼそっと

「おはよう」

と答えるのみ。

対称的に服部さんは、爽やかに答えてくれる。

「おはよう!
 爽ちゃんは、月曜の朝から元気だね〜」

服部さんは、いつもにこにこ話しかけてくれるので、とても接し易い。
私より2つ年上の彼は、私が入社以来、爽ちゃんと呼ぶ。

「ふふっ、
 それしか取り柄がありませんから」

私が照れ笑いを浮かべると、

「でも、それって、最強の取り柄だと思うけどなぁ」

ほんと?

みんながそんな風に思ってくれてるなら、嬉しいなぁ。

「そんな事、言ってくれるの、服部さんだけですよ。ありがとうございます」

そんな会話をしていると、真由も出勤してきた。

「おはようございます……」

真由は、朝が弱い。
いつも気だるそうに入ってきて、徐々にエンジンがかかって来るタイプ。

そんな真由と一緒に、私たちは、月曜の定例業務を始めた。

すると、しばらくして、

「園部」

と将軍さんから、声がかかる。

「はい」

私は返事をして、部長の席に赴くと、

「先週、作ってもらった資料、専務から毎週欲しいと言われたんだが、どのくらいでできる?」

と問われた。

公私を切り替え、真剣な口調で話す将軍さんは、休みの日とは違った意味で素敵に見える。

「あぁ、あれですか?」

私は笑顔で返事をする。

「3分もあれば」

それを聞いて、将軍さんは、驚いたように目を見開いた。

「先週、2時間、かかってなかったか?」

「はい。
 こんな事もあるかな…と思って、データを手入力しないで、全部、計算式を入れて作りましたから、立ち上げれば、リンクして全部数値が入るようにしてあります。
 後は確認して印刷するだけですから、今週からは時間はかかりませんよ」

そのために、真由に任せないで私がやったんだもん。

部長は、目を細めて、ふっと微笑んだ。

「園部に頼んで良かった。
 じゃ、後で他の資料と一緒に提出してくれ」

「はい」

私は、一礼して、席に戻った。

私が席に座るなり、真由が、椅子のキャスターを滑らせて寄ってきた。

「秦野部長に褒められるなんて、すごいじゃん!」

前の席の服部さんも、

「うんうん。
 秦野はたの部長が、誰かを褒めてるところなんて初めて見た」

と声を潜めて言う。

将軍さん、プライベートでは、甘々でいっぱい褒めてくれるのに、仕事だと思いっきりからくなっちゃうからなぁ。

私は、思わず、苦笑いした。




「冷たい部長の甘い素顔【完】」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く