VRゲームはこうしたら最強に成れると聞いたので〜世界を喰らい尽くす粘液〜

毒肉

#6 決着と接触

『《体力自動回復》《魔力自動回復》《持久自動回復》《我慢》《光耐性》《呪詛耐性》《水耐性》《打撃耐性》《土耐性》《浄化耐性》《風耐性》《刺突耐性》《闇耐性》《斬撃耐性》《捕縛耐性》《鞭術》《回避》《攻撃逸し》《体捌き》《曲芸》《集中》《平衡感覚》《身体操作》のスキルレベルが3に上昇しました!』


なんとか《集中》のスキルを使って思考操作でログの設定を変えれた……
ここからは本気で行くとしようか!


「なんだコイツ!動きが変わりやがった!」


「手ェ抜いてたのか?舐めやがって!」


「そちらこそ、そんなにお喋りをしてて良いのですか?」


何人かの首や頭や心臓。即ち急所・・を腕を伸ばして貫く。
こうすれば回復スキルの活躍は見込めない。
しかし、言葉にするのは簡単だが、攻撃をある程度躱しながら相手の急所を正確に完全に潰す必要があるので、これが結構難しい。


『戦闘に勝利しました!』
『種族レベルが7に上昇しました!』
『スキルポイントを5獲得しました!』
『ステータスポイントを10獲得しました!』
『職業レベルが7に上昇しました!』
『スキルポイントを5獲得しました!』
『ステータスポイントを10獲得しました!』
『《物理耐性》《早食い》《溶解》のスキルレベルが7に上昇しました!』
『《吸収成長》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《飽食》《乞食》《大食い》のスキルレベルが5に上昇しました!』
『《大口》のスキルレベルが6に上昇しました!』
『《美食》《魔食》《体力自動回復》《魔力自動回復》《持久自動回復》《我慢》《光耐性》《呪詛耐性》《水耐性》《打撃耐性》《土耐性》《浄化耐性》《風耐性》《刺突耐性》《闇耐性》《斬撃耐性》《捕縛耐性》《鞭術》《回避》《攻撃逸し》《体捌き》《曲芸》《集中》《平衡感覚》《身体操作》のスキルレベルが4に上昇しました!』
『《解体》《消化》のスキルレベルが8に上昇しました!』


「《ハード・エフェクト》!」
「《多重障壁》!」
「《エリア・ヒール》!」
「《プロテクト》!」
「《防護結界》!」
「《アーマード・リペア》!」
「《硬化》!」
「《アイアン・スキン》!」
「《アシッド・レジスト》!」


チッ、防御スキルを使う奴が多くなりやがったな。
攻撃を通すのに結界みたいなのを食ってから溶かす!ワンテンポこちらの攻撃が遅れる!
その癖してそっちは貫通攻撃とか使うのかよ!
チートやチーターや!
かと言ってヤケになっても何も生まない。
逃げるのは魔王ロールに反する。
どうすれば状況を打破出来る?


……そうか!簡単だ。勝た不して勝つ・・・・・・・!その手があった!


俺は地中を掘り進める。


「おい!逃げるのかよ!」
「クソ!逃がすかよ!」


「逃げはしないさ!」


そう、逃げはしない。
それよりもっと面白くなる。
ある人物の真下に移動。素早く気付かれない様に慎重に。
そして地面から体を出し相手体を縛り上げる。
スキルの呪文を唱えられても厄介なので口も抑えておく。
筋力は俺より上だろうが下手に動いたら溶かされるから動きたくても動けないだろう。


「大神官様!」


神官NPCの一人が声を荒げる。


「貴様、何を!大神官様から離れろ!」


「静まれ!経った今、この男を人質・・にとった。お前らは俺を攻撃すれば大事な大神官様を殺す事になる。そしたらどうだ?大神官殺害罪で指名手配だ!」


「おのれ、魔物風情がッ!」


「卑怯だぞ!」


「クソ!手が出せねぇ!」


「アハハハハハ!良いな、その顔!そんな口の利き方で良いのかぁ?イライラしてうっかりスキルが発動してこの男を溶かしてしまうかもしれないなぁ。ママにちゃんと目上の人への態度を躾られなかったのか?」


「貴様ッ!」


「おいおい、そんなにカッカするなよ。だってそうだろ?人質だからそう簡単に殺す訳無いじゃないか。」


『スキルポイントを3消費して《回復魔法》を習得しました!』
『条件を満たした為、《捕獲》を習得しました!』
『《人類語》のスキルレベルが4に上昇しました!』


「あ、間違えて溶かしちゃった。」


大神官の指先の内一つがジュッという音を立てる。


「ン"ン"ッ~!!!!」


「だ、大神官様!おのれ!」


痛みに悶える大神官に狼狽えるNPC達。
プレイヤー達の何人かは凄い引き攣った顔をしている。
あ、なんか操作してる。掲示板かな?おいおい薄情だな。それとも援軍か?それはやめて頂きたい。


「アハハハ!すまんすまん、ついうっかり。ほら、直ぐに回復してやるからさ?《ライト・ヒール》。で、ちょっとは気持ちを改める気になったか?」


「クッ……!」


「あれぇ?返事が無いなぁ?人質が居るのに無視かい?」


「わ、分かった!分かったからもう止めてくれ!」


「くれ?」


「ッ…………下さい……。」


「アハハッ!それで良い。でも、やめる事はできんな。」


「な、何が望みだ?金か?」


「んー?望みか……そうだな、それじゃあ、お前らの町民を全員を食わせろ。あ、経験値の入りが悪くなるから、レベルが上がった後は何時間か開けてまた食わせろ。そしたらコレ、解放してやる。」


「なっ?!」


全員が驚いた顔をした後、鋭い目付きで俺を睨む。
NPCの何人かは真っ青な顔で吐きそうな顔してるな。


「やめろ!やめてくれ!俺の娘は絶対やらんぞ!ついこの間誕生日だったんだ!見逃してくれ!」


「そ、そうだ!幾ら何でも全員は無いだろ!?」


「お前!人の心が無いのか?」


「NPCが居なくなっちまったら俺達プレイヤーが使う宿屋や商店やらはどうなっちまうんだ?!」


「おい、幾らNPCだからって何でもして良い訳じゃ無いんだぞ!モンスターや動物と違って人類NPCは一度死んだら生き返らないんだぞ!」


「そうよ!周りの迷惑を考えないの?!」


「お、おい!『異常は認められません。引き続きこのゲームをお楽しみ下さい。』だって?は?巫山戯てんのか糞運営が!」


「アハハ!運営に認められたんだから止める義理は無いな。で、どうするんだ?食わせるのか?食わせないのか?ほら、大神官様。10から0まで数えて下さいよ。数を数えれないなんて言いませんよね?」


口から体の一部を退けさせる。


「……皆よ!私は構わず殺せ!これは命r…」


「何を口走ってるのかな?」


「あがァァァァ!!!」


「《ライト・ヒール》。あぁ、最悪だ。酷い気分だ。」


「皆の者!大神官様を痛みからお救いするのだ!あの魔物は此処で討ち取るぞ!」


「「「「オォ!」」」」


「あぁ、本当にやってくれたね。ちょっと傲り過ぎたか。それでは、さようなら。」


大神官を溶かし尽くす。


『戦闘に勝利しました!』
『種族レベルが9に上昇しました!』
『スキルポイントを5獲得しました!』
『ステータスポイントを10獲得しました!』
『職業レベルが9に上昇しました!』
『スキルポイントを5獲得しました!』
『ステータスポイントを10獲得しました!』
『《消化》《溶解》《解体》のスキルレベルが9に上昇しました!』
『《吸収成長》のスキルレベルが3に上昇しました!』
『《大口》《拷問》のスキルレベルが7に上昇しました!』
『《美食》《魔食》《魔力自動回復》のスキルレベルが5に上昇しました!』
『《回復魔法》のスキルレベルが2に上昇しました!』
『《捕食》が成長限界に達しました!』
『称号【ジャイアント・キリング】を獲得しました!』
『称号ボーナスとしてスキルポイントを3獲得しました!』


お、一気に2レベ上がった。


「ほら、『私を構わず殺せ』でしたっけ?お望み通り殺してあげましたよ。」


「「「貴様ァァァァァ!!!!」」」


何人かのNPCが怒号を上げ、それと同時にまた攻撃の嵐が降り注ぐ。


「《ストレングス・ブースト》《疾走》」


俺はスタミナを土で補いながら筋力値と俊敏値を上昇させる。


「《ウィップ・パリィ》《薙ぎ払い》《攻撃逸し》!チィッ!ちょございな!《ワーム・スタンプ》《回し蹴り》!《使用武器効果向上》《消化》《酸生成》《大口》」


《使用武器効果向上》で武器判定の腕で《消化》と《酸生成》《大口》を発動させる。


触手形態の時は《体術》と《鞭術》と食事系スキル、更に《武器使用》が使えるという一種の裏技の様な技を繰り出す事が出来る。
スライムの体は何処が足で口なのか明確に定まっていない為、使いようによっては全身に《疾走》や《大口》を発動させる事が出来る。


目に見えて、敵が弱くなったな。
俺が強くなったのか、
大神官という超ヒーラー兼バッファーが死んだからか、
プレイヤーが減ったからか、
多分、全部だろう。


腕で物理的な攻撃を溶かしたり逸らしたりつつ、魔法攻撃を躱して行く。


『《鞭術》《回避》《攻撃逸し》《体捌き》《曲芸》《集中》《平衡感覚》《身体操作》のスキルレベルが5に上昇しました!』
『《体術》《ストレングス・ブースト》《運気上昇》《追い剥ぎ》のスキルレベルが4に上昇しました!』
『《強盗》のスキルレベルが6に上昇しました!』
『条件を満たした為、《急所突き》を習得しました!』
『称号【悪役がお似合い】を獲得しました!』
『称号ボーナスとしてスキルポイントを3獲得しました!』 


「な、何なんだ!お前は!」


「彼奴本当にプレイヤーか?チートじゃないのか?」


「いや、チートは見られないって運営が言ってたの聞いただろ?」


「βテスターか何かか?ベーターは確かデータの一部を引き継げるんだろ?!」


「ほう、そうなんですか。教えて頂き有難う御座います。私はベーターでも何でもない、つい先日始めたばかりのプレイヤーですよ。私は偶々運が良かったのでしょう。ひょっとすると高い運気値のお陰かも知れませんね。中々楽しかったですよ?それでは、またの機会に。」


「二度と会いたくなんてねェよ……」


《急所突き》されたプレイヤーとNPC達は溶けてポリゴンを撒き散らし崩れ去って行く。


「はぁ、疲れた。」


楽しかったとか嘘だわ。そうでもないか。


「随分派手にやりましたね。」


「ッ?!誰だっ!」


いきなり声をかけられ驚いて振り返ると右手にやけに刃の部分が長いカッターナイフ、左手に掃除用の箒の様な魔杖、顔にモノクロの泣顔と笑顔が半々になっているピエロの様な仮面、高身長で栗色の髪。シルクハットにタキシードを着ている若い男の声で喋る人型だった。


「あははっ、魔王様も驚かれるんですね?隠れるのは僕の方が上手かったですね。」


「……何時から居た?」


「そんな警戒しないでくださいよぉ。何時からって言ったら、あの偉そうな神官が拷問されてる辺りかな?討伐隊のプレイヤー達に紛れてましたー。」


「木を隠すなら森の中か。それで、何か用か?」


「ロールが乱れてませんか?だからそんなに睨まないで下さいよぉ、スライムって以外に表情豊かなんですねぇ。」


「そういえばwikiの情報では魔物はレベルが10の倍数になると進化するんだったな。職業も同じ条件で上級職に転職だったか?討伐隊を倒してもうすぐレベル10だ。」


「あははっ!」


「何が可笑しい?」


「いえ失敬失敬。面白い御方だと思ってですね。僕に敵意は有りませんよ。貴方も僕も戦うメリットは無いでしょう?」


「俺は俺を笑った奴をぶっ飛ばして進化まで出来るという素晴らしいメリットが有るのだが?」


「あはは!そーでしたそーでした!僕は【重なる幻影ドッペルゲンガー】のヤマダジョン・シュミットイワノフと申します。」


「偽名か本名か分からん名前だな。巫山戯た名前だ。」


「そう言う貴方はなんと言う御名前で?」


「ナターロ・モゥキィ・オリッシュだ。」


「貴方だけには名前にケチを付けられたくないですね……」


「それで、俺を倒しに来たんじゃ無いなら何の用だ?」


「いやぁ、スレがお祭り騒ぎだったから野次馬しに来たんですよ…って、何ですか!その触手は!今すぐ仕舞って下さいよ!それとも何ですか?僕にナニカ凄い事を?!コウグチ同人みたいに!」


「そんな趣味は無いな。お前が美少女なら一瞬考えていたが。」


「ははっ!僕もですよ。でも、本当にただ見に来ただけなんですから勘違いしないでください。くくっ、本当に面白い人だ。良かったらフレンド登録しませんか?無理にとは言いませんけど。」


「断ったら殺すってか?」


「僕を何だと思っているんですか……」


「人に忍び寄って急に自己紹介と下ネタを言う変質者だが?」


「…ぐうの音も出ませんね。そんな攻撃的じゃないですよ僕は。ただ、仲良くなったら後々良い思いが出来るかもと思っただけですよ。」


「そっちこそ人を何だと思ってんだ。」


「こういう時は正直に答えた方が変に怪しまれずに済むでしょう?それで、して貰えるんですか?無いんですか?」


「俺にメリットは有るのか?」


「ほら、誰にも気付かれずに魔王様に近付けてでしょう?今9レベ何ですよね?実は僕も9なんですよね。ソロプレイには限界が有るとは良く言いますが、強い人が協力関係にあったら心強く無いですか?」


「はいはい。メリットなんて無くてもフレ登録くらいしてやるよ。」


「ははっ!お優しいんですねぇ魔王様は。」


「ほら、フレンド申請したぞ。後、魔王ってのもフレンドならやめろ。ナターロだ。お前はなんて呼べば良い?」


「じゃあナターロさんで。そうですねぇ、ジョンとでも呼んで下さい。」


『プレイヤー名【ヤマダジョン・シュミットイワノフ】とフレンドになりました。』


「それじゃあ、何か面白い事が起きたらチャットで連絡下さい。僕も何かあったらご連絡します。ではまたお会いしましょう。」


「せいぜいピンチの時にこき使ってやるよ。じゃあな。」


「それでは。《複垢》《陰キャラ化》《鍵垢》《垢削除》」


嵐の様な奴だった。
まあ、強くてユニークな仲間が出来るのは無双系のお約束だ。悪くは無いな。


討伐隊とジョンの相手で今日は疲れたし、この辺でログアウトしよう。




▶to be continued



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