クラスメイトは魔法少女。俺、黒幕。

わーたん

強肩魔法少女。

「ええいっ!!!」





「これは……」





「凄く飛んでいますわ!」





およそ100メートル先で、助走をつけ投げられた赤嶺さんのボールは、俺の頭上を軽々と越した。





それを目で追うと、130メートルのラインを僅かに越した場所に、ボールは落ちた。





土にボールがめり込んでいる。





「えっと……記録は……」





130のラインから、メジャーを伸ばす。





「132メートル!!!」





計測した記録を大声で知らせる。なんとか、俺の声は届いたようだ。





しかし、ソフトボール程の大きさなのに、132メートルとは。魔力の力は恐ろしい。





さすがは、サウザンド・イヤー・ガール。千年の奇跡が生んだ魔法少女だ。



「ええいっ!!……あ」





「これは高く上がり過ぎね」





「もったいないのだ」





赤嶺さんの2投目は、幾分か高くあがり過ぎた。





それでも、直滑降で俺を襲う。





「あぶねっ!!」





ほぼ真上の角度から落ちてきたボールは、地面に可愛くない穴をあけた。





記録はさっきよりも悪いので、目測でテキトーに。





「117メートル!!!」





「ああ……。少し力んでしまった……」





「よし。次は私の番ね」





ボールを持って軽く腕を回し、青山さんがスタンバイ。





「いくわよ!!」





合図として俺に手をあげた青山さんが、目一杯の助走。





「うおりゃ!!!」



青山さんが投げた瞬間、空気が圧迫する感覚があった。





目安となる120のラインに立っていたけど、すぐに頭を越されると分かった。





青山さんのボールは、長い長い滞空時間経て、ようやく地面に落ちる。





140のラインを軽々と越えていた。





「144メートル!!!」





俺が記録を伝えた瞬間、青山さんが両手を上げた。





「いずみ、すごいのだ!!」





「素晴らしい記録ですわ!」





「私の記録が軽く越えられちゃった」





「まだまだいけるわ」





「私も喋っていいですか?」

コメント

コメントを書く

「現代アクション」の人気作品

書籍化作品