クラスメイトは魔法少女。俺、黒幕。
自分の色を決めよう?
「着替え終わりました」
「スーツっていうわりには、普通のジャージみたいなのだ!」
「でも、体の馴染み具合が半端ないわね」
「とっても動きやすいですわ」
「……今って……私も喋っていいタイミング?」
更衣室から現れた魔法少女候補の女の子達は、黒い長袖長ズボンのスーツを着用してきた。
彼女達の着替えを妄想する間、ジルハ先生にそれとなく尋ねてみた。見た目は普通のジャージにしか見えないが、何かファンタジーなパワーを纏っているらしい。
マグマに落としても溶けず、南極に持って行っても凍らない、奇跡の1着らしい。
さらには、それを着ればスカイツリーからダイブしても助かるとの事。
とにかく凄いらしいのだ。
まあ、マグマに手を突っ込めないし、凍らずとも体は凍える。
ビル10階くらいからの高さでも、ぐちょっといってしまう生身の人間が、ジャージの進化に追いついていないから、ほぼジャージの機能意味はないらしい。
オーバーテクノロジーというやつか?
「準備運動も済んだ様子ですので、まずは体力測定から行います。この測定で、あなた達の魔法少女としての色、属性が決まります。新井君には、記録用紙を渡しておきます。正確な記入をお願いします」
「分かりました」
ジルハ先生から何枚かの紙が挟まったバインダーとペンを渡された。
一応世界平和が掛かっている魔法少女達の色決めが、最初の日直を決めるノリで俺にしてしまって本当にいいのか感が半端ない。
しかし、俺が測定員でも、依存はないらしい。
「それでは、まずは50メートル走です。赤嶺綾音さん。前へ。新井君はゴール地点でストップウオッチを持って待機です。私がスタートの合図となる白い旗を振りますので」
「ジルハさんが白い旗を振って、胸が揺れたらスタートですね」
「死にたいのですか?」
うおっ! 怖っ……。みんなが緊張してるから、ちょっと和ませようとしただけじゃん。
俺はダッシュで50メートルコースのゴール地点へ。側にあった台に置かれたストップウオッチを手に取り、スタート地点で旗を持つジルハ先生に合図した。
「赤嶺さん、スタート地点に立って下さい。気を引き締めてね……」
「気を引き締めて………? うっ……この感覚は……」
「もちろん、将来魔王と対峙するあなた達が行うのは、普通の体力測定ではありません。この50メートル走のレーンには、魔力を吸収する石、ヒューツストーンが散りばめられています」
「ヒューツストーン……」
「普通に足を出すだけでは、5メートルも走れませんよ」
「……立っているだけで力を吸い取られる感覚が……」
「位置について……よーい……」
ジルハさんの旗が振られ、俺はストップウオッチのボタンを押した。
しかし、何やらおかしい。スタートした赤嶺さんが足を動かしているのに、なかなか俺の方には近付いてこない。
まるで夢の中で走っているような。
彼女の両足が、完全に空回りしていた。
          
「スーツっていうわりには、普通のジャージみたいなのだ!」
「でも、体の馴染み具合が半端ないわね」
「とっても動きやすいですわ」
「……今って……私も喋っていいタイミング?」
更衣室から現れた魔法少女候補の女の子達は、黒い長袖長ズボンのスーツを着用してきた。
彼女達の着替えを妄想する間、ジルハ先生にそれとなく尋ねてみた。見た目は普通のジャージにしか見えないが、何かファンタジーなパワーを纏っているらしい。
マグマに落としても溶けず、南極に持って行っても凍らない、奇跡の1着らしい。
さらには、それを着ればスカイツリーからダイブしても助かるとの事。
とにかく凄いらしいのだ。
まあ、マグマに手を突っ込めないし、凍らずとも体は凍える。
ビル10階くらいからの高さでも、ぐちょっといってしまう生身の人間が、ジャージの進化に追いついていないから、ほぼジャージの機能意味はないらしい。
オーバーテクノロジーというやつか?
「準備運動も済んだ様子ですので、まずは体力測定から行います。この測定で、あなた達の魔法少女としての色、属性が決まります。新井君には、記録用紙を渡しておきます。正確な記入をお願いします」
「分かりました」
ジルハ先生から何枚かの紙が挟まったバインダーとペンを渡された。
一応世界平和が掛かっている魔法少女達の色決めが、最初の日直を決めるノリで俺にしてしまって本当にいいのか感が半端ない。
しかし、俺が測定員でも、依存はないらしい。
「それでは、まずは50メートル走です。赤嶺綾音さん。前へ。新井君はゴール地点でストップウオッチを持って待機です。私がスタートの合図となる白い旗を振りますので」
「ジルハさんが白い旗を振って、胸が揺れたらスタートですね」
「死にたいのですか?」
うおっ! 怖っ……。みんなが緊張してるから、ちょっと和ませようとしただけじゃん。
俺はダッシュで50メートルコースのゴール地点へ。側にあった台に置かれたストップウオッチを手に取り、スタート地点で旗を持つジルハ先生に合図した。
「赤嶺さん、スタート地点に立って下さい。気を引き締めてね……」
「気を引き締めて………? うっ……この感覚は……」
「もちろん、将来魔王と対峙するあなた達が行うのは、普通の体力測定ではありません。この50メートル走のレーンには、魔力を吸収する石、ヒューツストーンが散りばめられています」
「ヒューツストーン……」
「普通に足を出すだけでは、5メートルも走れませんよ」
「……立っているだけで力を吸い取られる感覚が……」
「位置について……よーい……」
ジルハさんの旗が振られ、俺はストップウオッチのボタンを押した。
しかし、何やらおかしい。スタートした赤嶺さんが足を動かしているのに、なかなか俺の方には近付いてこない。
まるで夢の中で走っているような。
彼女の両足が、完全に空回りしていた。
          
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