クラスメイトは魔法少女。俺、黒幕。

わーたん

何も知らない魔王様。

普通の人がいるはずがないとは思った。





ゴトリと床に銃の弾倉を落としたという事は、袖にライフルでも隠しているのだろう、あのメイドは。





魔法少女達の護衛役か何かか?





魔王軍が潜伏する地球とはいえ、日本での射撃許可はないんだけどねぇ。





「その役は新井君にお任せしましょう」





「へ?  何の話!?」





ぼけーっとメイドの事を考えている間に、俺が何かに抜擢されたらしい。





話を聞いていない事を悟ったジルハ先生が半ば呆れていた。





横の楓からも蹴りが飛んでくる。





「何をあなたはぼーっとしていますの!?  魔法少女達の適性試験、記録係はあなたですわよ」





「魔法少女の適性試験?  何それ?」





俺がそう言うと、クラス全員の雰囲気がずっこけた。



「あんた本当に、いい加減にしなさいですわよ」





ズルッとずっこけて、机に可愛いお顔を強打した楓が呆れたような台詞を俺に投げ掛けた。





質のいいリアクションを取らせて本当に申し訳ない。





しかし、魔法少女の適性試験とは?





だって、あの子達5人は魔法少女確定なわけじゃないか。





「入学してからの適性試験。それはすなわち、色決め……ですのよ」





「色決め?」





そこまで言っても分かりませんの?





まるで楓はそう言いたげな表情を浮かべた。





春の南風が、優しく彼女の前髪を揺らす。





少し見惚れた。





「カラーズの名の通り、魔法少女達にはそれぞれ色が与えられますわ」





魔法少女の色。





それは幼い頃に1度は憧れた戦隊ヒーローと同じくして。





赤、青、緑、黄色、桃色。





その5色に分けられる。





そこまでは分かった。





「その適性試験には、1週間の時間が掛かりますの。その記録係があなたですのよ、新井魔人」





「1週間? めんどくさいな……」





「何をおっしゃいますか、新井さんは!」





頭をボリボリをかきながら、かったリーナー発言に対し、イロハがびっくり眼を俺に向けていた。





「魔法少女の適性を務めるというのは、とても誇らしい事なんですよ。魔法少女達のカラーが決まる。それは世界中で注目される歴史的瞬間なんです!」





そうイロハが力説すると、それに続いて負けじと楓も語る。

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