クラスメイトは魔法少女。俺、黒幕。
魔王様はいい人ですよ。
何の気なしに、当たり前の行動として、足元のおにぎりを拾うと、教室から響いてきた怒号が一つ。
「あたしのおにぎりを返すのだー!!」
その声の主は、ラグビーのタックルのように。
懐かしのビーストアタックのように。
無防備な俺に対してぶちかましをお見舞いしてきた。
つまりはコロコロ転がるおにぎりを追い掛けて、魔法少女が教室から現れた。
「ぐはあぁぁ!!?」
その魔法少女のわりと重たいタックルに俺はライフを半分程削られ、廊下に並ぶ、掃除用具入れに激突。
怒りに我を忘れたのか、その声の主さんも、勢い余って俺の上に降ってきやがった。
あれか。
お約束の展開か。
声の主さんのそれっぽい所に手を当てて、受け止めてあげよう。
これも魔王の力だろうか。
一瞬の出来事だったけど、声の主さんを受け止める事は、案外余裕だった。
「いたたた……。あ、ごめんなのだ!」
俺にタックルをかましてきた声の主。
おにぎりがどーのとか言ってたから、まさかとは思ったけど、やっぱりこの子だったか。
「黄名さん。廊下に飛び出してきちゃダメじゃないか。危ないでしょ?」
「ごめんなのだ。……私の、私のおにぎりは何処にいったのだ!?」
「はい、おにぎり。今度は落としちゃダメだよ」
俺からおにぎりを受け取った黄名さんの表情が明るくなる。
ラップできっちり巻かれているので、床に落とした事をたいして気にしていない様子だ。
「ありがとう。お前、もしかしていい奴なのか?」
魔法少女から、魔王である俺に対するまさかな質問。
「いい奴……。なんじゃないかな……。あははは……」
結局笑ってごまかした俺。
本当は、君達を滅ぼそうとしている魔王なんだよ。ヒャッヒャッヒャッヒャッ。
とか言ったら面白かったんだろうな。
「あたい、いい奴は好きだ!  お前を好印象と捉えているぞ!」
「あ、そう。ありがとう」
「あたしのおにぎりを返すのだー!!」
その声の主は、ラグビーのタックルのように。
懐かしのビーストアタックのように。
無防備な俺に対してぶちかましをお見舞いしてきた。
つまりはコロコロ転がるおにぎりを追い掛けて、魔法少女が教室から現れた。
「ぐはあぁぁ!!?」
その魔法少女のわりと重たいタックルに俺はライフを半分程削られ、廊下に並ぶ、掃除用具入れに激突。
怒りに我を忘れたのか、その声の主さんも、勢い余って俺の上に降ってきやがった。
あれか。
お約束の展開か。
声の主さんのそれっぽい所に手を当てて、受け止めてあげよう。
これも魔王の力だろうか。
一瞬の出来事だったけど、声の主さんを受け止める事は、案外余裕だった。
「いたたた……。あ、ごめんなのだ!」
俺にタックルをかましてきた声の主。
おにぎりがどーのとか言ってたから、まさかとは思ったけど、やっぱりこの子だったか。
「黄名さん。廊下に飛び出してきちゃダメじゃないか。危ないでしょ?」
「ごめんなのだ。……私の、私のおにぎりは何処にいったのだ!?」
「はい、おにぎり。今度は落としちゃダメだよ」
俺からおにぎりを受け取った黄名さんの表情が明るくなる。
ラップできっちり巻かれているので、床に落とした事をたいして気にしていない様子だ。
「ありがとう。お前、もしかしていい奴なのか?」
魔法少女から、魔王である俺に対するまさかな質問。
「いい奴……。なんじゃないかな……。あははは……」
結局笑ってごまかした俺。
本当は、君達を滅ぼそうとしている魔王なんだよ。ヒャッヒャッヒャッヒャッ。
とか言ったら面白かったんだろうな。
「あたい、いい奴は好きだ!  お前を好印象と捉えているぞ!」
「あ、そう。ありがとう」
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