実況!4割打者の新井さん
僕の大事なお給金………。
「オー、スシボーイ。どういうイミデスカ?」
オーナーは、俺の姿を見ると、何故だか少しだけ落ち着いた様子になった。
「つまりはその。非常に私的ごとなんですが、今日はその……あの………気になっている女の子が試合を見に来るということで、ここは1つ試合に出て、バックスクリーンと彼女のハートに特大ホームランを打ち込んでやろうと」
俺がそう大真面目に話すと、オーナーは理解するように頷く。
「つまりスシボーイは、ガールフレンドの前でカッコつけようとして、デッドボールをウケてケガをした。ソーユーことデスネ?」
「ええ、まあ」
これはさすがに怒られるかなあと首をすぼめると、オーナーの笑い声が辺り響いた。
「アッハッハッ! それはザンネンだったネ。ガールフレンドもガッカリじゃない?スシボーイ!!」
「そうっすよね。あっはっはっ!」
「シカシ、約束は約束ネ。シーズンが終わったら、スシボーイは減俸ヨ。 2軍のボスもネ」
「………えっ?」
「じゃ、ソーユーことデ。忙しいから、もう帰るヨ。マタネ、スシボーイ」
なにがそういうことでなのか分からないが、散々暴れまわった挙げ句、後ろ手を振りながら早速と帰っていく。
あまりのアメリカンスタイルに周囲の人間はポカーンとする中、なんとか空気を和ませようと、秘書の山吹さんのお尻に手を伸ばしたが、あえなく失敗に終わってしまった。
「当然です」
ずっと去っていくオーナーの方を見ていたから、隙あり! と思ったのだが、どうやらお尻というものはそれほど俺の近くにあるわけではないらしい。
「あれ? 山吹さんは、オーナーに着いていかなくていいの?」
「いいんです。既に本社から迎えが来ていますし、私を球団担当の秘書ですから。オーナーがアメリカにいる時は、別の役職になるので。………そんなことより」
山吹さんは、締め上げていた俺の腕を放すと、突然と振り返る。
その先には、心配そうに一部始終を見ていた愛しの山吹さんの姿があった。
「…………あ、あの………」
両手を体の前で握りながら、何かを言おうとした山吹みのりんに対して、山吹さんのカッと眩しくなるような強い口調が発せられた。
ん? ダブル山吹だ。
「みのり。あなた、どうしてこんなところにいるの!? 私は呼んだつもりはないわよ!」
キッと睨み付ける強い目線。それに対して、みのりんは一瞬目を閉じるようにして怯んだ。
「……それはあの………マイちゃんに球場に入れてもらって」
「マイちゃん!? ああ、あなたの幼なじみのイラストレーターの長谷川さんね。あなた、そのマイちゃんに口利きしてもらって、観戦室にいたのね! どうしてそんな勝手なことをしているの。私に恥をかかせないでちょうだい」
なんだか、美人が2人揃って、険悪なムードになりつつあったので、俺は2人の間に入る。
「ちょっとちょっと、落ち着いてよ、山吹さん。どうしたのさ。みのりんと知り合い?」
「知り合いも何も、私達は姉妹なんですよ」
ええ!? そうなんだ。姉妹丼やな。
オーナーは、俺の姿を見ると、何故だか少しだけ落ち着いた様子になった。
「つまりはその。非常に私的ごとなんですが、今日はその……あの………気になっている女の子が試合を見に来るということで、ここは1つ試合に出て、バックスクリーンと彼女のハートに特大ホームランを打ち込んでやろうと」
俺がそう大真面目に話すと、オーナーは理解するように頷く。
「つまりスシボーイは、ガールフレンドの前でカッコつけようとして、デッドボールをウケてケガをした。ソーユーことデスネ?」
「ええ、まあ」
これはさすがに怒られるかなあと首をすぼめると、オーナーの笑い声が辺り響いた。
「アッハッハッ! それはザンネンだったネ。ガールフレンドもガッカリじゃない?スシボーイ!!」
「そうっすよね。あっはっはっ!」
「シカシ、約束は約束ネ。シーズンが終わったら、スシボーイは減俸ヨ。 2軍のボスもネ」
「………えっ?」
「じゃ、ソーユーことデ。忙しいから、もう帰るヨ。マタネ、スシボーイ」
なにがそういうことでなのか分からないが、散々暴れまわった挙げ句、後ろ手を振りながら早速と帰っていく。
あまりのアメリカンスタイルに周囲の人間はポカーンとする中、なんとか空気を和ませようと、秘書の山吹さんのお尻に手を伸ばしたが、あえなく失敗に終わってしまった。
「当然です」
ずっと去っていくオーナーの方を見ていたから、隙あり! と思ったのだが、どうやらお尻というものはそれほど俺の近くにあるわけではないらしい。
「あれ? 山吹さんは、オーナーに着いていかなくていいの?」
「いいんです。既に本社から迎えが来ていますし、私を球団担当の秘書ですから。オーナーがアメリカにいる時は、別の役職になるので。………そんなことより」
山吹さんは、締め上げていた俺の腕を放すと、突然と振り返る。
その先には、心配そうに一部始終を見ていた愛しの山吹さんの姿があった。
「…………あ、あの………」
両手を体の前で握りながら、何かを言おうとした山吹みのりんに対して、山吹さんのカッと眩しくなるような強い口調が発せられた。
ん? ダブル山吹だ。
「みのり。あなた、どうしてこんなところにいるの!? 私は呼んだつもりはないわよ!」
キッと睨み付ける強い目線。それに対して、みのりんは一瞬目を閉じるようにして怯んだ。
「……それはあの………マイちゃんに球場に入れてもらって」
「マイちゃん!? ああ、あなたの幼なじみのイラストレーターの長谷川さんね。あなた、そのマイちゃんに口利きしてもらって、観戦室にいたのね! どうしてそんな勝手なことをしているの。私に恥をかかせないでちょうだい」
なんだか、美人が2人揃って、険悪なムードになりつつあったので、俺は2人の間に入る。
「ちょっとちょっと、落ち着いてよ、山吹さん。どうしたのさ。みのりんと知り合い?」
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