実況!4割打者の新井さん
隣の白ギャル
「店長に確認してくるんで、ちょっと待っててもらっていいですか?」
ポニテの女の子は少し困った表情をしながら、ほうきとちりとりを持ったまま、お店の中へと入っていく。
昼前に野球選手が来るはずだから、来たら報告して! みたいな共有があったのだろう。
俺は少しでもカッコつけようとその場で腕立て伏せをしながら待つ。
地面に手を着いた時に、突き指してもんどりうっていた時、店長さんらしき女性が現れた。
「あなたが新井さんね! 握手して、握手! え? 指が痛い? どうして?」
わけを聞いてゲラゲラ笑ったコーヒーショップの店長さんは、俺をテラス席の隅へと案内する。
わざわざ外から1番よく見えるテラス席だ。
「すぐにご用意しますので、もう少々お待ち下さいね。 ほら、さやかさんも行くよ」
「は、はい」
店長さんは俺をテラス席に座らせ、水を注いだグラスを置くと、ポニテの女の子と一緒に店の奥にあるキッチンの方へと消えて行った。
「なにあれ。ヤキューのカッコしてるヤツが座ってんだけど。チョーウケる」
隣のギャルにバカにされた。
恥ずかしい。
「ねー、アンタ。大学生? 何でこんな時間にランニングして、店入って来てんの? チョー、ウケるんだけど」
隣にいるケバい化粧の明らかなギャルが馴れ馴れしく話しかけてくる。
てめーも1人でテラス席に座ってるくせして、こっち見て笑ってんじゃねえよと、言い返しながら、水を飲んでなんとか心を落ち着ける。
「新井さーん、お待たせー。シェルバー特製サンドイッチセットでーす!」
ギャルを威嚇しながら待っていた俺の目の前に、店長さんとポニテの女の子が再び現れた。
白いお皿に乗った美味しそうなサンドイッチが俺の前に置かれた。
「出来たての、ハムレタスサンドとたまごサンドのセットですよ。召し上がれ」
召し上がれと言われても、そーいやお金を持っていないことを告げると、店長さんはまたニコリと笑う。
「お代は球団の方から、キャンプが終わり次第、後払いで頂きますので、ご遠慮なく! だそうです」
あ、そうなんだ。
では遠慮なく、いただきまーす!
んーめ! んーめ!
シェルバー特製サンドイッチとやら。なかなか美味いじゃないか。ふわふわのパンにみずみずしいシャキシャキターレス。
黒胡椒の効いたカリカリのベーコンもばつぐん。
これは美味いぞ。
俺は本能に任せて、出された大きめのサンドイッチを2つバクバクと大口を開けて、あっという間に完食した。
他のテーブルへ接客に行っていたポニテの店員さんは空になった皿を見て驚いた表情を見せた。
「もう食べてしまったんですか!? なにしてるんですか!喉を詰まらせますよ!」
驚いたというよりは、どちらかというと叱るような口調を見せた。
ごめん、ごめん。こんなに美味しいと思わなくてと呟くと、ポニテの店員さんはどこか嬉しそうな顔をして、しゅんと大人しくなった。
「コーヒーを入れてくるんで待ってて下さい。食べてからまたすぐに走ったりしたら、体に悪いですからね!」
「やーい。怒られてやんの。チョー、ウケる」
隣のギャルめ。うるさいぞ。
ポニテの女の子は少し困った表情をしながら、ほうきとちりとりを持ったまま、お店の中へと入っていく。
昼前に野球選手が来るはずだから、来たら報告して! みたいな共有があったのだろう。
俺は少しでもカッコつけようとその場で腕立て伏せをしながら待つ。
地面に手を着いた時に、突き指してもんどりうっていた時、店長さんらしき女性が現れた。
「あなたが新井さんね! 握手して、握手! え? 指が痛い? どうして?」
わけを聞いてゲラゲラ笑ったコーヒーショップの店長さんは、俺をテラス席の隅へと案内する。
わざわざ外から1番よく見えるテラス席だ。
「すぐにご用意しますので、もう少々お待ち下さいね。 ほら、さやかさんも行くよ」
「は、はい」
店長さんは俺をテラス席に座らせ、水を注いだグラスを置くと、ポニテの女の子と一緒に店の奥にあるキッチンの方へと消えて行った。
「なにあれ。ヤキューのカッコしてるヤツが座ってんだけど。チョーウケる」
隣のギャルにバカにされた。
恥ずかしい。
「ねー、アンタ。大学生? 何でこんな時間にランニングして、店入って来てんの? チョー、ウケるんだけど」
隣にいるケバい化粧の明らかなギャルが馴れ馴れしく話しかけてくる。
てめーも1人でテラス席に座ってるくせして、こっち見て笑ってんじゃねえよと、言い返しながら、水を飲んでなんとか心を落ち着ける。
「新井さーん、お待たせー。シェルバー特製サンドイッチセットでーす!」
ギャルを威嚇しながら待っていた俺の目の前に、店長さんとポニテの女の子が再び現れた。
白いお皿に乗った美味しそうなサンドイッチが俺の前に置かれた。
「出来たての、ハムレタスサンドとたまごサンドのセットですよ。召し上がれ」
召し上がれと言われても、そーいやお金を持っていないことを告げると、店長さんはまたニコリと笑う。
「お代は球団の方から、キャンプが終わり次第、後払いで頂きますので、ご遠慮なく! だそうです」
あ、そうなんだ。
では遠慮なく、いただきまーす!
んーめ! んーめ!
シェルバー特製サンドイッチとやら。なかなか美味いじゃないか。ふわふわのパンにみずみずしいシャキシャキターレス。
黒胡椒の効いたカリカリのベーコンもばつぐん。
これは美味いぞ。
俺は本能に任せて、出された大きめのサンドイッチを2つバクバクと大口を開けて、あっという間に完食した。
他のテーブルへ接客に行っていたポニテの店員さんは空になった皿を見て驚いた表情を見せた。
「もう食べてしまったんですか!? なにしてるんですか!喉を詰まらせますよ!」
驚いたというよりは、どちらかというと叱るような口調を見せた。
ごめん、ごめん。こんなに美味しいと思わなくてと呟くと、ポニテの店員さんはどこか嬉しそうな顔をして、しゅんと大人しくなった。
「コーヒーを入れてくるんで待ってて下さい。食べてからまたすぐに走ったりしたら、体に悪いですからね!」
「やーい。怒られてやんの。チョー、ウケる」
隣のギャルめ。うるさいぞ。
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