転生して、小魚から龍になる〜人化して国王に〜

ドラ猫

第六十七話 手加減

「ええええ!!??」

俺は今自分のステータスをリズ先生に見せたところ、リズ先生は案の定叫び声をあげて半分気絶状態になってしまった。

「り、リズ先生!!しっかりしてください!」

「え、あ、ええ。だ、大丈夫よ。それにしてもすごいわね、、。私よりは確実に強くなるわよ、、。加護の数が信じられないぐらい多いけど、、まあいいわ。私の初の生徒がこんな優秀でなんか残念やら嬉しいのやらいろんな感情が出てくるものね。」

リズ先生は平静を取り戻しつつ言う。

「魔法の腕に関してはだいたい分かったわ。次は剣術と行きたいところだけど、その前に勉強の方を見てみたいわ。頭の良し悪しはステータスで表示されないもの。」

「じゃあ、僕の部屋に行きましょうか。」

「ええ。お邪魔するわ。」





「へぇ。辺境伯爵の子息の部屋はやはり広いわね。私たちに用意された部屋もなかなかだったけど。」

「やっぱり、男爵家とは違うものなんですか。」

俺は急にぶっ飛んだ話題をふる。そもそも、俺はリズ先生が男爵令嬢であったことを知らないはずであるからだ。

「えええ!?」

またもや、リズ先生は驚く。

「ど、どうしてそれを、、、。」

「ええ。僕には鑑定眼というスキルがありますから。なんでも丸わかりです。」

実際は鑑定眼ではその人の出自まではわからないが、、この世界で鑑定眼は持ってる人が少ないためその能力については正確に知れ渡っているわけではない。つまり、少し能力を過小評価しても相手にはわからないのだ。

「へぇ。さすがね、、。そうよ。実は私、もともと男爵令嬢だったのだけど、いろいろあってね、家を飛び出して冒険者になったの。」

「そうですか、、。でも、そのおかげで僕は先生と追うことができたので嬉しいです。」

大体の事情はソフィアから聞いたが、実際に体験したリズ先生の苦労は計り知れない。

「あら、嬉しいこと言ってくれるわね。さあ、勉強始めるわよ。」

「わかりました。」

そう言って、俺は机に座る。

「うーん。そうね。まずはどれくらいできるのか知りたいから、、簡単なテストをしましょうか。科目は算術と言語、歴史よ。大丈夫。まだ何にも習ってないんだから、0点だって当たり前なのよ。ただ、言語や歴史はもしかしたら知ってることがあって解けるかもしれないから、一応やっているのよ。」

「わかりました。早速やってみますね。」

俺はリズ先生に紙を渡され、早速解くことにした。

まずは算術。正直五歳児に出す問題だ。簡単すぎる。

だいたい1+1のレベルの問題だ。しかし、スラスラ解くとこれまた驚かれてしまうので、なるべく考え込むようにしてゆっくり解くことにした。

次は言語。

これは正直、なぞなぞや、パズルみたいな要素がつまった遊びみたいな問題だった。

最後は歴史。この世界は約二千年の歴史があるので、奥の深い科目だ。

しかし、五歳児に聞くような問題だ。有名な絵本に出てくるような英雄とかの名前を聞いてくる。


「はい!終わりました。」

俺は元気よく紙を渡す。

「と、隣で見てたからわかるけど、全問正解よ。あなた本当に5歳?もしかして今まで勉強とかしてたの?」

「ええ。少しは。家にはたくさんの本があるので、3歳ぐらいからたくさんの本を読んでいましたから。」

「なるほどね。それなら納得は出来ないけど理解はできるわ。頭の出来も流石辺境伯の子息といった感じね。」

「ええ。まあ。」

「もしかして、掛け算と割り算できたりしないわよね。」

「今まで問題は解いたことはありませんが、やり方なら知っています。」

俺はもっともらしいことを言う。

「そ、そう、、。なら多少は教えられることがありそうね。とりあえず王立学園の入試に余裕で合格できるぐらいまでを目標にできそうね。ていうか現状況でももしかしたら受かるかもしれないわね、、。でも、油断はできないわ。しっかり勉強していきましょう。」
.
「はい。頑張ります。」


こうして、家庭教師の授業が始まった。



〜洗礼の日から3日後の王城にて〜

「なに?それは誠か。」

「はい。もしかしたら、治せるかもしれません。」

「し、しかし、完全回復薬パーフェクトポーションですら治らなかったのだぞ、、。」

「はい。レベル1では無理でしょう。しかし、レベル10ならば、、、。い、いかが致しましたか?」

「それがな。もうあの子には時間がないのだ。レベル10になるのに何年かかる?もしかしたら一生かかっても無理かもしれない、、。あの子の余命はな、あと長くて二ヶ月といったところか、、。」

「そ、それは申し訳ありません。」

「よいよい。お前なりに娘のことを考えてくれたのだろう。、、、それで、王城でのお披露目会にアリシアを参加させようと思うのだがどう思う?最後くらい楽しい思いをしてほしいのだ。」

「ええ。私もそれが良いと思います。」






父上は今王都へ行っている。ちなみに、ここから王都は馬車で2日はかかる。

俺は王城での王と父上の会話を盗み聞いていた。

やはり、レベル10までは待てない、か。うーん。どうしようかな?

いっそ、急にレベルが上がって一ヶ月後にはレベル10の状態にしておくか。

そうしないと計画通りに進まないから。








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