転生して、小魚から龍になる〜人化して国王に〜
第六十二話 5年後
カイル・フォン・ウィルフィードとして生きることになってから5年近くがたった。つまり、この体の年齢がもうすぐ5才になるということだ。
3才ぐらいになってから、冒険者活動はあまりしなくなり、家での生活が基本となった。
結局、冒険者等級は、B級にまで上がった。A級になるには、王都のギルドに申請をしなければならないらしく、めんどくさいからという理由で俺らはそれをしていない。正直、これ以降、あの姿になることはあまりないだろうしな。
さて、この二年間ほどでやっていたことといえば、うちにある書庫に入り浸って本を読むことと、今まであまり使ってこなかった元素魔法の練習だ。
俺は、歴史書、魔法書などから英雄伝や、お伽話など、様々な分野の本を読んだ。
その中で、俺が一番気になったことは、、このアステリシア王国の国王がこの世界を作った龍神の子孫であると、書かれていたことだ。これはこの国の歴史書にも書いてあるし、英雄伝に出てくる38代国王のライオゲルも神の如き力を使ったとされている。
この世界を作った龍神っていうのはつまり、、俺の前前世であるゼイルのことだと思うんだが、、、。
ソフィアによると、このアステリシア王国の国王は、ゼイルの子孫で間違いないらしい。それが、85代も続いているのだからすごい。日本で言う天皇家みたいなものだ。
しかし、ここで俺は疑問に思う。俺の前前世には、妻がいて子供がいたのだろうか。とても、今の俺からしたら考えられない。そもそも、創造神って結婚するのかな、、?
まあ、すこし語弊があるが、俺の子孫であるこの国はしっかり守ってやらねばと心に誓った。
「カイル様!!」
いつしか、俺のことをカイル様と呼ぶようになったクリスは俺に抱きついてくる。
これは朝の恒例行事と言っても良いぐらい毎回発生する光景だ。
「おいおい。クリス。あんまりくっつくなよ。」
俺がもう5才ということは、クリスはもう10才だ。そろそろ、大人の体へと変化していく時期になる。クリスは早熟なのか、すでにすでに胸がCカップくらいある。あまり、くっつきすぎると当たってしまう。
俺の頭はそういうものを求めているのに、体が全く反応を示さないという残念な状態なため、そういうことをされると辛いものがある。
「え〜。もっと近くにいたいですぅ。」
クリスはなんと、甘えん坊に育ってしまったのだ!!しかし、メイドの仕事は完璧にこなし、メイド長からも高い評価を得ているらしい。
「もう。クリスったら。欲望に忠実ね。」
桜が俺の部屋に入ってきながら言った。2才ごろまでは一緒の部屋にいたが、現在は隣の部屋になった。
そういえば、俺たちが本当の子供でないということを知っているのは、両親、副騎士団長のアルカ、メイド長のメリールの四人だ。
それ以外は俺たちを本当の双子だと思っている。髪の色こそ違うが、二人ともオッドアイであるし、何より顔の造形が似ているからだ。
「よ、欲望だなんて!」
クリスが慌てたように俺から離れる。どうやら恥ずかしくなったようだ。15才が成人であるこの国にとって10才からはもう半分成人のような扱いを受ける。
それに伴って、性的な知識というものも俺が日本にいた時よりも早く身についていくのだ。まあ、今それはあまり関係ないが。
今のはただ俺に甘えたいという欲望のことだと思うが、、。
「今日もクリスは元気だね。朝食はもう直ぐかな?」
俺は立ち上がり、魔法を使って、一瞬で着替える。
「はい!もうみんな揃っています。」
俺が最後ってことか。結構遅くまで寝てしまったようだな。今日も恵に会えたからつい深く寝てしまったみたいだ。
この五年間、1週間に一回ぐらいのペースで恵に会うことができていた。しかし、恵にとっては毎日のように会えているらしい。つまり、時間軸がずれてしまっているのがわかった。確かに、こっちで五年間も経っているのに、向こうではまだ、高校2年生の冬らしい。こっちの五年が向こうでの一年近くってことだ。原因はわからない。流石に異世界間のことだから、今の俺では検証しようがない。
「そうか。じゃあ、行こうか。」
俺は食堂へと向かう。すると、食堂のドアの前に控えていたメイドが頭を下げ、ドアを開ける。
俺と桜は真っ直ぐ進み、挨拶をする。
「おはようございます。父上。母上。それに姉様。」
「おはようございます。遅くなりました。」
「うむ。」
「おはよう。カイルちゃん。サクラちゃん。」
「おはよう!カイルちゃん!サクラちゃん!」
そう言って、姉が席を降り、俺に向かって抱きついてくる。これも朝の恒例行事だ。どうやら、姉はすこしブラコン気味らしい。ちなみに姉というのは、義姉のエレナ・フォン・ウィルフィードのことだ。俺たちより3才年上で、8才であり、今年王都の学校に入学する。この世界では8才から学校に通うらしい。
「では、朝食をいただこうとするか。」
俺と桜が席につくのを見てから、義父マルクはそういう。ちなみに、クリスは俺の後ろに控えている。メイドは一緒にはご飯を食べれないのがこの国の常識らしい。メイドはメイドで、俺たちが起きる前にすでに軽く済ませているようだ。
「「「「「いただきます。」」」」
ちなみに、この世界でもいただきますっていう文化はあるらしい。もちろん言語は違うが、、。ちなみに言語についてだが、俺たちは難なく話すことができるし、文字も読むことができる。
「おいしいね。カイルくん。」
そう、俺の左前に座っている姉さんが話しかけてくる。
ちなみに席順だが、奥に一人義父が座り、扉側の列に順に俺、桜。反対側は義母、義姉の順だ。
「はい。毎日、おいしい食事でとても嬉しいです。」
そう俺は答える。実際、日本にいた時よりもおいしいとさえ感じる。
「ところで、エレナ。学園に入る準備は進んでいるか?」
「はい。お父様。勉強も問題ありませんし、魔法の方も風魔法と水魔法をレベル4まで扱えるようになりました。」
「ほう。その年でそこまでいくのか。すごいぞ。エレナ。この調子で頑張りなさい。」
「はい!」
「カイルとサクラもあと3年後のことだから、油断せずにしっかり考えておくこと。特に、カイルはこの家を出た後になにをするのかを考える必要があるぞ。」
そうなのだ。俺は実は長男ではないのだ。俺たちにはもう一人家族がいて、名をライウェル・フォン・ウィルフィードという。今は王都の学園に通っているのでこの屋敷にはいない。この人もまた優秀な人間で、魔法は風魔法だけだが、武術が秀でていて、さらに、勉強もできるらしい。うちの家系は優秀な人間が多いのだ。
この世界で、嫡男じゃない男子は家をいずれでなくてはならない。どこかに婿入りすることがなければ、平民と同じ立場になる。そのあとは王立の騎士団に入ったり、文官になったり、冒険者になったり、商人になったりと様々な道がある。
「わかりました。よく考えておきます。」
俺は実際どれになろうか悩んでいる。冒険者になってもいいが、正直この五年間で冒険者というのは嫌というほどやってきたからな。王国で下っ端として働くくらいなら、自分で商家を建てるのも面白いかもしれない。
「うむ。それと5才の誕生日には、洗礼式が行われるから心していなさい。」
五歳の誕生日か。ちょうど明後日だ。
ちなみに洗礼式っていうのは、教会に行って、加護をもらったり、はじめてステータスを見る機会でもある。
普通の人間は5歳にはじめて教会でステータスを見る。そのあとは、教会か、冒険者ギルドでステータスを見ることができるのだ。王族や裕福な貴族なんかはステータスを見るための水晶を持っていたりもするが。ちなみに、うちにも騎士たち用の水晶が一つある。
このウィルフィード家は、王国で騎士団を持つことを許された唯一の貴族なのだ。他には王立騎士団しかない。なぜかというと、此処がこの国の保安上一番大切な場所だからだ。
この領のすぐ東側には魔の森が広がり、そのさらに東には、帝国があるのだ。魔物の被害や外国からの侵略を防ぐためには、騎士団が必要だったのだ。
さて、明後日はステータスを父上たちに報告しなければならない。つまり、偽装を考えないとな、、、。
3才ぐらいになってから、冒険者活動はあまりしなくなり、家での生活が基本となった。
結局、冒険者等級は、B級にまで上がった。A級になるには、王都のギルドに申請をしなければならないらしく、めんどくさいからという理由で俺らはそれをしていない。正直、これ以降、あの姿になることはあまりないだろうしな。
さて、この二年間ほどでやっていたことといえば、うちにある書庫に入り浸って本を読むことと、今まであまり使ってこなかった元素魔法の練習だ。
俺は、歴史書、魔法書などから英雄伝や、お伽話など、様々な分野の本を読んだ。
その中で、俺が一番気になったことは、、このアステリシア王国の国王がこの世界を作った龍神の子孫であると、書かれていたことだ。これはこの国の歴史書にも書いてあるし、英雄伝に出てくる38代国王のライオゲルも神の如き力を使ったとされている。
この世界を作った龍神っていうのはつまり、、俺の前前世であるゼイルのことだと思うんだが、、、。
ソフィアによると、このアステリシア王国の国王は、ゼイルの子孫で間違いないらしい。それが、85代も続いているのだからすごい。日本で言う天皇家みたいなものだ。
しかし、ここで俺は疑問に思う。俺の前前世には、妻がいて子供がいたのだろうか。とても、今の俺からしたら考えられない。そもそも、創造神って結婚するのかな、、?
まあ、すこし語弊があるが、俺の子孫であるこの国はしっかり守ってやらねばと心に誓った。
「カイル様!!」
いつしか、俺のことをカイル様と呼ぶようになったクリスは俺に抱きついてくる。
これは朝の恒例行事と言っても良いぐらい毎回発生する光景だ。
「おいおい。クリス。あんまりくっつくなよ。」
俺がもう5才ということは、クリスはもう10才だ。そろそろ、大人の体へと変化していく時期になる。クリスは早熟なのか、すでにすでに胸がCカップくらいある。あまり、くっつきすぎると当たってしまう。
俺の頭はそういうものを求めているのに、体が全く反応を示さないという残念な状態なため、そういうことをされると辛いものがある。
「え〜。もっと近くにいたいですぅ。」
クリスはなんと、甘えん坊に育ってしまったのだ!!しかし、メイドの仕事は完璧にこなし、メイド長からも高い評価を得ているらしい。
「もう。クリスったら。欲望に忠実ね。」
桜が俺の部屋に入ってきながら言った。2才ごろまでは一緒の部屋にいたが、現在は隣の部屋になった。
そういえば、俺たちが本当の子供でないということを知っているのは、両親、副騎士団長のアルカ、メイド長のメリールの四人だ。
それ以外は俺たちを本当の双子だと思っている。髪の色こそ違うが、二人ともオッドアイであるし、何より顔の造形が似ているからだ。
「よ、欲望だなんて!」
クリスが慌てたように俺から離れる。どうやら恥ずかしくなったようだ。15才が成人であるこの国にとって10才からはもう半分成人のような扱いを受ける。
それに伴って、性的な知識というものも俺が日本にいた時よりも早く身についていくのだ。まあ、今それはあまり関係ないが。
今のはただ俺に甘えたいという欲望のことだと思うが、、。
「今日もクリスは元気だね。朝食はもう直ぐかな?」
俺は立ち上がり、魔法を使って、一瞬で着替える。
「はい!もうみんな揃っています。」
俺が最後ってことか。結構遅くまで寝てしまったようだな。今日も恵に会えたからつい深く寝てしまったみたいだ。
この五年間、1週間に一回ぐらいのペースで恵に会うことができていた。しかし、恵にとっては毎日のように会えているらしい。つまり、時間軸がずれてしまっているのがわかった。確かに、こっちで五年間も経っているのに、向こうではまだ、高校2年生の冬らしい。こっちの五年が向こうでの一年近くってことだ。原因はわからない。流石に異世界間のことだから、今の俺では検証しようがない。
「そうか。じゃあ、行こうか。」
俺は食堂へと向かう。すると、食堂のドアの前に控えていたメイドが頭を下げ、ドアを開ける。
俺と桜は真っ直ぐ進み、挨拶をする。
「おはようございます。父上。母上。それに姉様。」
「おはようございます。遅くなりました。」
「うむ。」
「おはよう。カイルちゃん。サクラちゃん。」
「おはよう!カイルちゃん!サクラちゃん!」
そう言って、姉が席を降り、俺に向かって抱きついてくる。これも朝の恒例行事だ。どうやら、姉はすこしブラコン気味らしい。ちなみに姉というのは、義姉のエレナ・フォン・ウィルフィードのことだ。俺たちより3才年上で、8才であり、今年王都の学校に入学する。この世界では8才から学校に通うらしい。
「では、朝食をいただこうとするか。」
俺と桜が席につくのを見てから、義父マルクはそういう。ちなみに、クリスは俺の後ろに控えている。メイドは一緒にはご飯を食べれないのがこの国の常識らしい。メイドはメイドで、俺たちが起きる前にすでに軽く済ませているようだ。
「「「「「いただきます。」」」」
ちなみに、この世界でもいただきますっていう文化はあるらしい。もちろん言語は違うが、、。ちなみに言語についてだが、俺たちは難なく話すことができるし、文字も読むことができる。
「おいしいね。カイルくん。」
そう、俺の左前に座っている姉さんが話しかけてくる。
ちなみに席順だが、奥に一人義父が座り、扉側の列に順に俺、桜。反対側は義母、義姉の順だ。
「はい。毎日、おいしい食事でとても嬉しいです。」
そう俺は答える。実際、日本にいた時よりもおいしいとさえ感じる。
「ところで、エレナ。学園に入る準備は進んでいるか?」
「はい。お父様。勉強も問題ありませんし、魔法の方も風魔法と水魔法をレベル4まで扱えるようになりました。」
「ほう。その年でそこまでいくのか。すごいぞ。エレナ。この調子で頑張りなさい。」
「はい!」
「カイルとサクラもあと3年後のことだから、油断せずにしっかり考えておくこと。特に、カイルはこの家を出た後になにをするのかを考える必要があるぞ。」
そうなのだ。俺は実は長男ではないのだ。俺たちにはもう一人家族がいて、名をライウェル・フォン・ウィルフィードという。今は王都の学園に通っているのでこの屋敷にはいない。この人もまた優秀な人間で、魔法は風魔法だけだが、武術が秀でていて、さらに、勉強もできるらしい。うちの家系は優秀な人間が多いのだ。
この世界で、嫡男じゃない男子は家をいずれでなくてはならない。どこかに婿入りすることがなければ、平民と同じ立場になる。そのあとは王立の騎士団に入ったり、文官になったり、冒険者になったり、商人になったりと様々な道がある。
「わかりました。よく考えておきます。」
俺は実際どれになろうか悩んでいる。冒険者になってもいいが、正直この五年間で冒険者というのは嫌というほどやってきたからな。王国で下っ端として働くくらいなら、自分で商家を建てるのも面白いかもしれない。
「うむ。それと5才の誕生日には、洗礼式が行われるから心していなさい。」
五歳の誕生日か。ちょうど明後日だ。
ちなみに洗礼式っていうのは、教会に行って、加護をもらったり、はじめてステータスを見る機会でもある。
普通の人間は5歳にはじめて教会でステータスを見る。そのあとは、教会か、冒険者ギルドでステータスを見ることができるのだ。王族や裕福な貴族なんかはステータスを見るための水晶を持っていたりもするが。ちなみに、うちにも騎士たち用の水晶が一つある。
このウィルフィード家は、王国で騎士団を持つことを許された唯一の貴族なのだ。他には王立騎士団しかない。なぜかというと、此処がこの国の保安上一番大切な場所だからだ。
この領のすぐ東側には魔の森が広がり、そのさらに東には、帝国があるのだ。魔物の被害や外国からの侵略を防ぐためには、騎士団が必要だったのだ。
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