転生して、小魚から龍になる〜人化して国王に〜
第六十話 ランク昇格
「あら。もう帰ってきたの。」
俺たちは、再び受付のところに行く。
「何か分からないことでもあった?その依頼は3日後までに達成できれば平気だからね。」
どうやら、俺たちの手に薬草がないのを見て何もできずに帰ってきたと思ったのだろう。それに、普通の人ならもっと時間がかかる。
「いえ、依頼は達成しました。」
そう言って、俺は目安の二倍の量の薬草をテーブルに置く。もちろん亜空間からだしたのだ。
「え!?今どこから出したの!?」
クールに振る舞っていた受付嬢が驚く。まあ、そりゃあ驚くよな。何もないところから急に出てきたんだから。
「亜空間からだしました。」
俺は率直に答える。
「え、そう。って、えええ!?亜空間!?」
「はい。」
「亜空間ってそんなの持ってるの世界にほんの数人なのに!?あなたがその数人のうち一人ってこと?」
受付嬢は俺に顔を近づけるようにして聞く。
「ええ。他にもなんか出しましょうか。ちょっと、、広いところに行ってもいいですか?」
「え、ええ。じょあ解体場にしましょうか。ついてきてください。」
受付嬢は半信半疑といった様子で解体場まで俺を案内する。
「ん?なんだなんだ?」
解体場に入ると、魔物を解体している男が話しかけてくる。
「えっと、こちらの方が亜空間から素材を出すとおっしゃったのでここに連れてきました。」
「亜空間ってばかいってんじゃ、、、ね、、え、えええ!?」
俺はそのおっさんが言い終わる前に、先ほど倒したギカントボアを外に出す。
「す、すごいです!!!」
受付嬢は、半信半疑から完全に信じてくれて、驚愕から尊敬へと変わったみたいだ。
「こりゃー、たいしたもんだね、、。亜空間か、、。この魔物もって、、、おい。これ、ギカントボアじゃねえか!?A−ランクの!?」
「はい。そうですよ。薬草取りしてるときに見つけたので狩ってきました。」
俺は平然として言う。
「狩ってきましたって、、亜空間持ちだし信じられないことはないが、、A−だぞ、、。A級冒険者並みの強さじゃねーか。」
「A−ランク、、、。ぎ、ギルドマスターを呼んできます!!」
そう叫んで、受付嬢は解体場を出て行った。
「こ、これは、、本物だ、、。」
「だからいったではないですか!少しは信用してくださいよ!」
「いや、さすがに信じられないでしょ!亜空間持ちでそんな強さでFランクとか言うんだから!」
「まあまあ。そのあり得ない人がこちらです。」
そう言って、受付嬢さんは俺のことを指す。
「ん?君たちは、、、何者だ、、?」
さっきまで喚いていたギルドマスターは、急に真剣な顔になる。
「私の名前はルイ。こっちは姉の、」
「マリです。」
そういえば、まだ名前を言ってなかったからな。うん。
「ああ、俺はドジルだ。、、い、いや、、そういうことじゃなくて、いやそれもそうなんだけど、、君たちはなんでそんなに強いんだ?」
こいつは俺が強いと確信しているみたいだ。
「えーっと、昔お父さんと一緒に、狩りをしてたから?」
「なんでそこ疑問形なんだ!?でも、そうか、、お、お父さんの名前は?」
えーっと。そんなことどうでもいいじゃないか。っていうか、父親の名前なんか考えてねーし、これ以上めんどくさいことになりたくない。
「そ、そんなことよりも、このギカントボアっていくらになりますか?」
桜がうまく話をごまかす。
「うーん。少なくとも、大金貨3枚以上にはなるぜ。ギルド買取最高額じゃねーか?」
「ああ。これほど状態の良いA−ランクの魔物は初めて見た。それぐらいの価値は当然だろう。」
ん?大金貨?なんだそれ。そういえば、この世界の硬貨の仕組みを学んでいなかったな。
ソフィア!教えてくれ。
【はい。前世での円の価値と相対的に見てみると、、
銭貨=一円
大銭貨=十円
銅貨=百円
大銅貨=千円
銀貨=1万円
大銀貨=十万円
金貨=百万円
大金貨=千万円
白金貨=十億円
黒金貨=千億円 です。】
なるほど、、。ていうか、黒金貨って何!?千億円の硬貨なんてあるの!?前世から考えたら、ありえない。
【黒金貨とは、金にアダマンタイトを少量混ぜることによって作られる黒金をもとに作っています。黒金貨は、まれにオークションで使われたりはしますが、ほとんどは国家間でしか使われません。】
へー。アダマンタイトか、、。ってなんだ?確か、伝説の金属じゃなかったっけ。
【はい。この世界で一番硬い金属です。伝説の金属ですが、この人間界にも極少量存在しています。】
へー。それなら千億円言ってても不思議じゃないかもな。
えっと、大金貨3枚ってことはさ、三千万円!?
や、やばくないか、、?
「こ、こんなの一体で、そんなにもらえるんですか?」
「「こんなのではない!!!」」
解体師のおじさんとギルドマスターの声が揃う。
「そもそもな、、。Aランク代の魔物は滅多に討伐されないし、たとえ、討伐されたとしても、傷だらけで状態が悪いものが多い。しかし、このギカントボアは、、今にも動きそうなくらい新鮮じゃないか!」
「うん。うん。」
ギルドマスターごこれでもかというくらいうなずく。
「それで、ぜひ、3人でお話ししたいのだが、ギルドマスター室へきてくれないか?」
なんだ?話って。
「まあ、いいですけど。」
「それは良かった!ここじゃ、何かと話しにくいこともあるからな。」
「それで、話ってなんですか?」
俺たちは今、ギルドマスター室でギルドマスターと対面して座っている。わざわざ場所を移しての3人きりでの会話ということは、重要な話なのだろう。
「ああ、そのことなんだが、、仮面を外してみてくれないか?」
お!やはり気づいていたようだな。ある程度の実力がなければ、俺たちが仮面をしているということにさえ気づかない。実力があっても気づかせないことはできるが、それだと面白くない。ギルドマスターのようなある程度権限のある人間には、俺たちの実力というものを分からせたほうがいい。
「やはり、気づいていたのですね。」
「ああ。それで、あの魔物を倒したのも君たちであると判断した。元A級冒険者の俺の全盛期よりもはるかに強いと俺の本能が言っている。」
「それは、大袈裟ですね、、。では、画面を外しましょうか。」
そう言って、俺たちは仮面を外す。すると、ギルドマスターの前に二つの可愛い顔が現れる。
「ま、まさか。少女だったとはな、。」
「まあね。でも、素性は教えませんよ。」
先手を打って、これ以上は教えないと念を押す。
「そうか。わかった。では、君たちのギルドランクをあげようと思うんだが、どうだ?」
まさか、そんな簡単に上がるとはな。断る理由もあるまい。ランクをあげればやれることも増える。
「でも、そんな簡単に私たちを信用していいですか?」
桜が聞く。
「そこらへんのものにはわからんかも知れんが、、元A級冒険者としてならわかる。君たみは強い。だが、体裁が欲しいというのなら、試験を行うというのはどうだろう?Cランクまでなら俺の権限であげられるんだが。」
試験か。やってもいいけど、手加減が難しいかもな。
「いや、試験はいいです。Cランクなら、そこまで不審がられないでしょう。それに、私たちは仮面のおかげで目立っていませんので。」
「私は妹に合わせます。」
「そういえば、、その仮面ってなんなんだ?ユニーク、いやレジェンドか!?」
うーん。本当は神話級なんだが、それ言わない方がいい。そもそも、神話級なんて、この世界にあるかも怪しいものだ。伝説級だって、国宝以上の代物だ。それによって、戦争が起きたなんて話もあるくらいだし。
「ユニークですよ。さすがにレジェンドは持っていませんよ。」
「そりゃーそうか。なんか君たちなら持っていてもおかしくないと思ってしまってな、、、。まあ、ユニークも珍しいんだがな。」
そう言って、ドジルは少しがっかりした様子だ。
「じゃあ、Cランクにあげるよう手続きをしておこう。Cランクから、個人依頼というものが出されることがあるからその時は頼む。」
なんだ。このドジルという男に、俺たちのランクを上げることによるメリットはこういうことだったのか。まあ、別にそんなことぐらいこなしてやるさ。
「ああ、双方に利益があるようだね。こちらこそよろしく頼むよ。」
俺は少し口調を変えてみた。そもそも冒険者というのは普通敬語を用いない。それはギルドマスター相手でも同じだ。
「あ、ああ。その口調の方がいいな。冒険者としてしっくりくる。さっきのは貴族の令嬢でも相手してるのかと思ったぞ。」
貴族の令嬢か、、。あながち間違ってないんだけどな。
「では、私たちはこれで失礼する。」
そう言って、俺と桜は席を立つ。
その後、俺たちは受付にて、Cランクに上がった冒険者証を受け取り、宿に戻ることにした。
俺たちは、再び受付のところに行く。
「何か分からないことでもあった?その依頼は3日後までに達成できれば平気だからね。」
どうやら、俺たちの手に薬草がないのを見て何もできずに帰ってきたと思ったのだろう。それに、普通の人ならもっと時間がかかる。
「いえ、依頼は達成しました。」
そう言って、俺は目安の二倍の量の薬草をテーブルに置く。もちろん亜空間からだしたのだ。
「え!?今どこから出したの!?」
クールに振る舞っていた受付嬢が驚く。まあ、そりゃあ驚くよな。何もないところから急に出てきたんだから。
「亜空間からだしました。」
俺は率直に答える。
「え、そう。って、えええ!?亜空間!?」
「はい。」
「亜空間ってそんなの持ってるの世界にほんの数人なのに!?あなたがその数人のうち一人ってこと?」
受付嬢は俺に顔を近づけるようにして聞く。
「ええ。他にもなんか出しましょうか。ちょっと、、広いところに行ってもいいですか?」
「え、ええ。じょあ解体場にしましょうか。ついてきてください。」
受付嬢は半信半疑といった様子で解体場まで俺を案内する。
「ん?なんだなんだ?」
解体場に入ると、魔物を解体している男が話しかけてくる。
「えっと、こちらの方が亜空間から素材を出すとおっしゃったのでここに連れてきました。」
「亜空間ってばかいってんじゃ、、、ね、、え、えええ!?」
俺はそのおっさんが言い終わる前に、先ほど倒したギカントボアを外に出す。
「す、すごいです!!!」
受付嬢は、半信半疑から完全に信じてくれて、驚愕から尊敬へと変わったみたいだ。
「こりゃー、たいしたもんだね、、。亜空間か、、。この魔物もって、、、おい。これ、ギカントボアじゃねえか!?A−ランクの!?」
「はい。そうですよ。薬草取りしてるときに見つけたので狩ってきました。」
俺は平然として言う。
「狩ってきましたって、、亜空間持ちだし信じられないことはないが、、A−だぞ、、。A級冒険者並みの強さじゃねーか。」
「A−ランク、、、。ぎ、ギルドマスターを呼んできます!!」
そう叫んで、受付嬢は解体場を出て行った。
「こ、これは、、本物だ、、。」
「だからいったではないですか!少しは信用してくださいよ!」
「いや、さすがに信じられないでしょ!亜空間持ちでそんな強さでFランクとか言うんだから!」
「まあまあ。そのあり得ない人がこちらです。」
そう言って、受付嬢さんは俺のことを指す。
「ん?君たちは、、、何者だ、、?」
さっきまで喚いていたギルドマスターは、急に真剣な顔になる。
「私の名前はルイ。こっちは姉の、」
「マリです。」
そういえば、まだ名前を言ってなかったからな。うん。
「ああ、俺はドジルだ。、、い、いや、、そういうことじゃなくて、いやそれもそうなんだけど、、君たちはなんでそんなに強いんだ?」
こいつは俺が強いと確信しているみたいだ。
「えーっと、昔お父さんと一緒に、狩りをしてたから?」
「なんでそこ疑問形なんだ!?でも、そうか、、お、お父さんの名前は?」
えーっと。そんなことどうでもいいじゃないか。っていうか、父親の名前なんか考えてねーし、これ以上めんどくさいことになりたくない。
「そ、そんなことよりも、このギカントボアっていくらになりますか?」
桜がうまく話をごまかす。
「うーん。少なくとも、大金貨3枚以上にはなるぜ。ギルド買取最高額じゃねーか?」
「ああ。これほど状態の良いA−ランクの魔物は初めて見た。それぐらいの価値は当然だろう。」
ん?大金貨?なんだそれ。そういえば、この世界の硬貨の仕組みを学んでいなかったな。
ソフィア!教えてくれ。
【はい。前世での円の価値と相対的に見てみると、、
銭貨=一円
大銭貨=十円
銅貨=百円
大銅貨=千円
銀貨=1万円
大銀貨=十万円
金貨=百万円
大金貨=千万円
白金貨=十億円
黒金貨=千億円 です。】
なるほど、、。ていうか、黒金貨って何!?千億円の硬貨なんてあるの!?前世から考えたら、ありえない。
【黒金貨とは、金にアダマンタイトを少量混ぜることによって作られる黒金をもとに作っています。黒金貨は、まれにオークションで使われたりはしますが、ほとんどは国家間でしか使われません。】
へー。アダマンタイトか、、。ってなんだ?確か、伝説の金属じゃなかったっけ。
【はい。この世界で一番硬い金属です。伝説の金属ですが、この人間界にも極少量存在しています。】
へー。それなら千億円言ってても不思議じゃないかもな。
えっと、大金貨3枚ってことはさ、三千万円!?
や、やばくないか、、?
「こ、こんなの一体で、そんなにもらえるんですか?」
「「こんなのではない!!!」」
解体師のおじさんとギルドマスターの声が揃う。
「そもそもな、、。Aランク代の魔物は滅多に討伐されないし、たとえ、討伐されたとしても、傷だらけで状態が悪いものが多い。しかし、このギカントボアは、、今にも動きそうなくらい新鮮じゃないか!」
「うん。うん。」
ギルドマスターごこれでもかというくらいうなずく。
「それで、ぜひ、3人でお話ししたいのだが、ギルドマスター室へきてくれないか?」
なんだ?話って。
「まあ、いいですけど。」
「それは良かった!ここじゃ、何かと話しにくいこともあるからな。」
「それで、話ってなんですか?」
俺たちは今、ギルドマスター室でギルドマスターと対面して座っている。わざわざ場所を移しての3人きりでの会話ということは、重要な話なのだろう。
「ああ、そのことなんだが、、仮面を外してみてくれないか?」
お!やはり気づいていたようだな。ある程度の実力がなければ、俺たちが仮面をしているということにさえ気づかない。実力があっても気づかせないことはできるが、それだと面白くない。ギルドマスターのようなある程度権限のある人間には、俺たちの実力というものを分からせたほうがいい。
「やはり、気づいていたのですね。」
「ああ。それで、あの魔物を倒したのも君たちであると判断した。元A級冒険者の俺の全盛期よりもはるかに強いと俺の本能が言っている。」
「それは、大袈裟ですね、、。では、画面を外しましょうか。」
そう言って、俺たちは仮面を外す。すると、ギルドマスターの前に二つの可愛い顔が現れる。
「ま、まさか。少女だったとはな、。」
「まあね。でも、素性は教えませんよ。」
先手を打って、これ以上は教えないと念を押す。
「そうか。わかった。では、君たちのギルドランクをあげようと思うんだが、どうだ?」
まさか、そんな簡単に上がるとはな。断る理由もあるまい。ランクをあげればやれることも増える。
「でも、そんな簡単に私たちを信用していいですか?」
桜が聞く。
「そこらへんのものにはわからんかも知れんが、、元A級冒険者としてならわかる。君たみは強い。だが、体裁が欲しいというのなら、試験を行うというのはどうだろう?Cランクまでなら俺の権限であげられるんだが。」
試験か。やってもいいけど、手加減が難しいかもな。
「いや、試験はいいです。Cランクなら、そこまで不審がられないでしょう。それに、私たちは仮面のおかげで目立っていませんので。」
「私は妹に合わせます。」
「そういえば、、その仮面ってなんなんだ?ユニーク、いやレジェンドか!?」
うーん。本当は神話級なんだが、それ言わない方がいい。そもそも、神話級なんて、この世界にあるかも怪しいものだ。伝説級だって、国宝以上の代物だ。それによって、戦争が起きたなんて話もあるくらいだし。
「ユニークですよ。さすがにレジェンドは持っていませんよ。」
「そりゃーそうか。なんか君たちなら持っていてもおかしくないと思ってしまってな、、、。まあ、ユニークも珍しいんだがな。」
そう言って、ドジルは少しがっかりした様子だ。
「じゃあ、Cランクにあげるよう手続きをしておこう。Cランクから、個人依頼というものが出されることがあるからその時は頼む。」
なんだ。このドジルという男に、俺たちのランクを上げることによるメリットはこういうことだったのか。まあ、別にそんなことぐらいこなしてやるさ。
「ああ、双方に利益があるようだね。こちらこそよろしく頼むよ。」
俺は少し口調を変えてみた。そもそも冒険者というのは普通敬語を用いない。それはギルドマスター相手でも同じだ。
「あ、ああ。その口調の方がいいな。冒険者としてしっくりくる。さっきのは貴族の令嬢でも相手してるのかと思ったぞ。」
貴族の令嬢か、、。あながち間違ってないんだけどな。
「では、私たちはこれで失礼する。」
そう言って、俺と桜は席を立つ。
その後、俺たちは受付にて、Cランクに上がった冒険者証を受け取り、宿に戻ることにした。
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