転生して、小魚から龍になる〜人化して国王に〜

ドラ猫

第五十四話 ピクシー

俺は、桜のステータスを確認した後、もしやと思い、クリスのステータスを見てみた。ちなみにクリスは今、メイドのお勉強中だ。

【名前:クリスティーナ・エーデル
 種族:森聖霊族
 年齢:5
 レベル:1
 状態:通常
 HP:38,550,000
 MP:68,500,000
 攻撃:25,850,000
 防御:22,820,000
 速さ:18,655,200

 究極能力:心愛之王ガブリエル
 
 固有能力:魔導之書グリモワールLv.10
 
 スキル:大精霊魔法Lv.10 大精霊召喚Lv.10
    万能身体Lv.10

 称号:天雷神の寵愛 魔法神の祝福
   大地神の祝福 運命神の加護 
   生命神の加護】

はあ。

つい、深いため息をついてしまった。

ついに、クリスまで究極能力を手に入れてしまった。それに、なんだよ、森聖霊族って。エンシェントエルフだった時間一日もないじゃないか。

それに、俺は気づいてしまった。称号の欄に"天雷神の寵愛"があるのを。天雷神っていうのは俺のことだよな。

はあ。二度目のため息。

俺に与えられただけでこんなに強くなってしまっていいのだろうか。俺はふとそんなことを思う。クリスを甘やかしすぎではないかと。

だが、俺はもうレベルは上がらない。つまり、ここからレベルを上げるのはクリスの自力となる。

ここから先はクリスに頑張ってもらいたい。それに強いスキルがあったって、使いこなせなければ意味がない。そう意味でも、クリスはこれからさらに頑張んないといけない。俺の与えた大きすぎるものを全て消化するのにどれくらいかかるのだろうか。楽しみだ。





そういえばさ、セレネとカレラって今どこにいるんだ?

【どうやら、一度天界に戻っているようです。さらに、進化もし終えているようです。】

は!?進化!あの二人もか!

俺は嫌な予感がする、、、。

もしかしてさ。龍皇達は、、進化してたり、、、?

【してないです。】

え?

少し期待を裏切られた感はあるが、、、。この流れならみんな進化!っていうのもありだと思うんだけどな。

【龍皇達はマスターとのつながりが薄いからですね。天使の二人は名付けをしていますから、桜とクリスほどではないですが、繋がりは強いです。まあ、あのお二人も、私とマスターの深い繋がりには手も足も出ませんけどねっ!!】

ん?お、おう。

なんか、急にグイグイくるな。ソフィアになってからずっとテンション高いし。

あ!そうだ!そんなテンション高めなソフィアちゃんに、体を作ってあげようではないか!

【え、いいんですか?】

いいも何も、いつものお礼だよ。俺さ、多分ソフィアがいなかったら今ここにいないと思うんだよね。本当にいつもありがとな。

そう言って、俺は創造之王オメテオトルを使って、擬似生命体を創造する。これには魂が入っておらず、形も定まっていない。

ソフィア。これに入ってみてくれ。

【は、はい!】

ちょっと緊張してるのかな?

ソフィアが擬似生命体に入るとみるみる姿が変わっていく。結果、こうなった。

外見は精霊に似ていて、うっすらと桃金色ゴールドピンクに輝く四本の透明な羽がある。髪は桃金色ゴールドピンクのセミロング。目は左目が桃色で、右目が金色だ。ちなみに、エルフのように耳が尖っている。また、服は、白を基調として、カラフルで鮮やかな模様があるワンピースを着ている。

その姿を見て、俺は思わず、、、

(か、可愛い、、。)

と呟いてしまった。

「ふぇ?」

その瞬間、ソフィアが照れたように顔を赤くする。クリスもそうだったけど、耳が尖っている人は耳がすんごく赤くなるな。

(な、なあ。ソフィア。鑑定してもいいか?)

「は、はい!どどどうぞ!」

まだ、照れてるみたいだな。可愛い奴め。

【個体名:ソフィア
 種族:神智核マナス
 状態:妖星体アステラスピクシー
 究極能力:智慧之神ソロモン

へー。妖星体アステラスピクシーっていうのか。
 
それとさ、もう完全に俺たちって分離しちゃったの?

「いえ!私の核は常にマスターの中にいます!それに、たとえこの姿が消滅したとしても、私は死にません!」

なるほど。それは良かった。ソフィアがいなくなったら悲しいし、不死身の体を手に入れたなら安心だ。

(兄さん!その子何?)

どうやら桜が起きたみたいだ。

(この子はソフィアだよ。俺が体を作ったんだ。)

(へー。すっごい可愛いね。こうゆうこがタイプなの?)

い、いや、俺が作ったのはあくまで擬似生命体であって外見は自然にこうなったんだ。で、でも、タイプではある、、。)

俺はつい本音を言ってしまった。

「ま、マスタぁ!えへへ!」

そう言って、ソフィアは、盛大に照れながら俺(赤ちゃん)の顔の上を不規則に飛び回る。

(へ、へー。よ、良かったじゃん。うん。)

ちょっと、引いてない?桜。

もしかして、スキルに名前つけて体与えて可愛いとか言ってる変態だと思ってないだろうな?

(お、おーい。さくら、、)

ーーーバタン!!!ーーー

やべ、油断して空間支配へ意識が薄まっていたから気づかなかった。人が来る。

でも、さすがはソフィアだ。一瞬で、俺の中へと戻ってくる。バレたら大変だからな。

「カイルくん!サクラちゃん!」

と、叫びながら一人の女の子が部屋に入ってくる。

この元気そうな女の子は僕の義姉にあたるテレサ・フォン・ウィルフィード、五才だ。

クリスと同じ年だから、この子を見てると、クリスが本当に大人びて見える。

この子は自分に弟と妹ができて嬉しいみたいだ。顔に書いてあるよ。

「きゃわいい!!」

俺たちのベビーベットまでやってくると、そう叫んだ。

ちょっと相手してやるか。俺の自慢の赤ちゃんスマイルと赤ちゃんボイスでな!!





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