転生して、小魚から龍になる〜人化して国王に〜

ドラ猫

第五十一話 転生したら貴族でした!

第二章 貴族-少年編 始まります!





俺はうっすらと目を開ける。

????

その瞬間、俺の頭は疑問だらけになった。

ここはどこ?
なんで体が動かないの?

あれれ??

そういえば、俺って死んだんじゃなかったっけ?

だんだん記憶が鮮明になっていく。

邪神を倒して、それに耐えられなくて死ぬって話だったじゃん。


「あら〜!カイルちゃん起きたの〜!」

んん??なんだ今の声。今、俺首動かせないから天井しか見えないんだよね。どっかの家にいるってことはわかる。

「ほ〜ら!ママですよ!」

そう言って、自称ママの女は俺の目に映るように前屈みになった。

!?!?

それにはただただ驚くしかなかった。

すっげー美人だー!

これが俺のママなのか?っていうか、俺ってもしかして、いや、もしかしなくても赤ん坊か!?





はい。なんと、自分が赤ん坊になっているとわかりました。なぜ、自分の姿が見えないのにそう断言付けたかというと、さっきの美人が俺のことを抱っこしたのだ!!

それに、自分のことをママと言っている。これはつまり、そういうことだろう。

俺はまたもや転生してしまったのだ!!しかも、美人の母のもとへ!!!

【違います。】

ん?今なんか聞こえた気がするが、気のせいだな。そんなことより、美人母の笑顔を絶やしてはならない。しっかり、こっちも笑顔をキープしなければならない。今はそれで忙しい。

それにしても、豪華な家だな〜。俺は今、美人母に抱っこをしてもらい、部屋の景色を眺めているのだ。

ん、?

俺が寝ていたところの隣にもう一人赤ん坊がいるじゃないか。

誰かに似ている気がする、、、。

【その赤ちゃんは桜です。】

「おぎゃあ!(うわあ!)」

急に頭の中で声がするからびっくりした。まあ、気のせい気のせい。気にしたら負けだ。

【いい加減にしてください!起こりますよ!】

はいはい。悪かったよ。大先生。じゃあ、説明してくれないか。なんで俺が生きているのか。そして、なぜ、俺と桜が赤ん坊になってしまったのかを。

【はい。マスター。あれは、、





時は改煉がお別れをして異空間から出るところまで戻る。

「幸せになってくれ。じゃあな。」

そういって、兄さんは異空間から出る。

でも、私はずっと考えていた。兄さんが死なないで済む方法を。

「ねえ。本当はあるんでしょ。」

クリスは泣いたままだし、これはクリスに言ったのではない。

「兄さんを助ける方法が。ねぇ、叡智之王ラファエルさん!」

【……あります。しかし、これはあなたにも、、、】

「兄さんがいないなら、私も生きてたってしょうがないでしょ!」

【わかりました。しかし、成功確率は0.01%です。】

そう。これは叡智之王ラファエルが極少確率として切り捨てた方法。成功しなければ、桜まで死ぬことになる。

「じゃあ、兄さんが技を放つタイミングでここから出して!」

【わかりました。】




【今です!マスターの体に触れてください!あとは私がやります。】

「お願いね!」

そして、私は外に出る。

龍星天雷槍覇ドラグニル!」

兄さんが技名を唱える瞬間私は兄さんの方にそっと触れた。技の起動がずれないように。おそらく、私が本気で押してもびくともしないだろうが。能力値的に。

ーーー私も協力するよーーー

???この声は、私?

前世でよく聞いていた魂の声という奴だろうか。

お願い。兄さんを助けたいの。私は死んでもいいから。

ーーーやっぱり私って変わらないのねーー

その瞬間、目の前が真っ白になり、意識が途絶えてしまった。





サクラお姉ちゃんまでもがいなくなってしまった。私もずっと泣いてはいられない。

一人でも、ちゃんと生きていかなくちゃ!お兄ちゃんを覚えている人が生きていなくちゃ!

しかし、私は何もできなかったことに自分が嫌になる。

とても、前を向けそうにない。

そんな時に、

【クリス!外に出します。】

外に出るということは、カイレンお兄ちゃんは死んでしまったということか。

私は涙をグッと堪えて、外に出る。

「ふぇ??」

そこには、二人の赤ちゃんがいた。





???「な、何が起こったのじゃ!?」

???「恐らく、改煉様は生きておられます。」

???「邪神は!?」

???「恐らく、消滅したかと。しかし、復活の可能性もありますが。しばらくは平気でしょう。」

???「おお!して、なぜ改煉様は生きておられるのじゃ?」

???「桜様がエネルギー分担を行ったからです。」

???「なるほど、、。して、桜様は?」

???「生きておられますよ。」

???「これが最善の結果だったということか。」

???「はい。結果的にそうなりますが、成功確率は極小でしたから、、、」

???「まあ。良いではないか!皆が無事で。一時的とはいえ平和になったのだからな。」

???「どうしたのですか?メイル?」

???「二人が赤ちゃんになっちゃったのなら、あそこに神託を出そうと思ってね。」

???「なるほど。ちょうどいいですね。」




セレネ様が去ったあと、私は自ら街の様子を確認しに行こうと邸を出ようとしたところで、確認し終えて帰ってきた副団長のアルカに話を聞くことにした。

「報告します!現時点で死者数23人、重傷者65人、軽傷者558人。街は半壊状態となっています。」

「そうか、、。死者がそんなに。」

「はい。全員が瘴気にやられたようです。もともと持病持ちで体が弱かったようです。しかし、悪魔にやられたものは天使様のおかげで少ないようです。」

「そうか、、。改めて感謝せねばならんな。」

と、その時、、、

ーーー聞こえるか。マルク・フォン
    ・ウィルフィードよ、、ーーー

な、なんだ?この声は?

「アルカ!声が聞こえるか?」

ーーーこれは神託であるーーー

「し、神託!?」

ーーー我が名は運命神メイルーーー

「う、運命神様!!、、、して、神託というのは、、?」

ーーこの度の死産、誠に残念であったーー

「いえ、私の実力不足でなってしまったこと。悔やんでも悔やみきれません。」

ーーそうか。そこで汝らに
  二人の赤ん坊を授けようかと思うーー

「あ、赤ん坊ですか!?」

さっきから、アルカが怪訝そうな目でこちらを見てくるがかまうまい。今は神託中なのだから。

ーーーああ。神の子に等しい存在ぞーーー

「か、神の子!!」

ーーー場所は魔の森中枢に二人の赤ん坊と一人のエルフがいる。そのエルフも養いた
             まえ。ーーー

「わ、わかりました。」

ーーーついでに汝にも加護をやろうーーー

「あ、ありがたき幸せにございます」

ーーーでは、しっかり育てるのだーーー

「は、はい!」

それから、私はアルカを連れて赤ん坊を探しに魔の森に入るのだった。





「マルク様。あそこではないでしょうか。」

アルカに言われ、俺はそちらを見る。そこには、二人の赤ん坊とこちらを警戒しているエルフがいた。





私は二人の赤ん坊がカイレンお兄ちゃんとサクラお姉ちゃんということを知り、ことの経緯を叡智之王ラファエルさんに聞いた。

二人とも生きていたみたいで本当によかった。

これから、ずっと赤ちゃんのままなら私がちゃんと守らなくちゃ!

そう意気込んでいたら、、、二人の人間の気配がしてきた。そして、すぐに心理眼で魂の色を見る。結果は綺麗で済んだ色だったので少し安心をする。

「なんのようですか?」

私はその二人に向かって言った。私には読心もあるので嘘をついたら簡単にわかる。

「安心しておくれ。私は君たちを助けにきたんだ。私の名前はマルク・フォン・ウィルフィード。」

「私の名前は、アルカです。よろしくお願いします。」

そう言って、二人は頭を下げる。私はこの二人は信用できると結論付けた。

「それで、先ほど、君たち3人を私の屋敷で保護しなさいという神託があってね、それでここまできたというわけなんだ。」

嘘はついていない。神託があったというのは本当みたいだ。しかし、この人がそれを信託と思い込んでる可能性もあるし、第一、ある意味カイレンお兄ちゃんを殺しかけたのは神と言っても過言ではない。そういうこともあって、私は基本的に神を信じていない。

「私は、あなたたちをしんようできない。」

私ははっきりとそう伝える。

「それもそうだね。いきなりこんなことを言われても信じるなんてできないよね。」

「いかがいたしますか?」

「うーん。どうしようか?無理やり連れて行くわけにもいかないし。かと言って、このままというのも危険だしな。しばらく、君とお話をして、私たちを信用できるかどうか見てもらうのが一番いいかな?」

私は、うなずく。正直言って、この人たちは悪い人たちではないのはわかっている。それに、眠ってしまっている赤ん坊二人を私が保護するというのにも無理がある。

「わかった。あなたのおうちへ行くことにする。」

「おお!そうか。手厚く迎えさせてもらうよ。君と二人は名前はなんでいうんだい?」

そういえばまだ名乗っていなかったか。

「私の名前はクリス。そして、こちらの女の子はサクラ、、そして、、、」

急に眠気がしてくる。これは一度体験したことがある。エルフからハイエルフに進化する前に感じた強烈な眠気だ。

「大丈夫?」

アルカと名乗った女の人がふらついている私の体を支える。

「そ、そして、男の子が、、カイr、、」

そして、私は意識を失った、、、。








ここまで読んでくれて本当にありがとうございます!ついに、今回から新章に突入することができました。

これからは貴族として生きて行くことになる改煉がどのように成長して行くのか楽しみにしてください。


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