好き同士ってめんどくさい
第48話
アーネと彩も食事を始め、俺たちはユートを抜いた全員で朝食を食べていた。
アーネはユートが心配では無いのだろうか?
あれだけラブラブなのだ、ユートが戦地に赴くとなれば、もっと心配してても良さそうだが……なんだかいつも通りだ。
俺がそんな事を思っていると、俺の変わりに彩がアーネに尋ねた。
「ねぇ、アンタ、旦那の事は心配じゃないの?」
「心配? 心配なんてしてないわ」
「そうなの? 旦那が戦地に行ってるって言うのに、随分冷たいのね」
「違うわよ……私は信じてるから……ユートが今回も無事で帰って来る事を……」
そう言うアーネの表情は穏やかだった。
本当にユートの事を信じているのだろう。
この二人の信頼関係はかなり厚いんだろうな。
*
食事を済ませ、俺と彩はアーネに早く元の世界に戻して欲しいと話しに行く。
「え? 早く元の世界に戻してほしい?」
「あぁ、早く頼む」
「そうよ、こっちは折角の休みなんだから!」
「まぁまぁ、もう少しゆっくりして行ったら?」
「そんなゆっくりもしてられねーよ、早く帰してくれ」
「私も明日は仕事なんだから、早く帰してよ」
俺と彩はアーネに早く元の世界に帰して欲しいと訴える。
しかし、一向にアーネは俺達を元の世界に帰そうとしない。
「実はね……私の魔力がそこまで回復してないのよ、だから今すぐ帰すのは難しいの」
「魔力が無いと帰れないの?」
「そうよ彩、世界を渡るにはそれなりに大きな魔力が必要なの、だから少し待ってて、多分もう少しで回復するから」
手を合わせて俺達に頭を下げるアーネ。
そういう理由ならば仕方ない、俺と彩はアーネの魔力が回復するのを待つことにした。
「でも、待ってる間どうするのよ? スマホは使えないし、テレビも無いし、外には出るなって言うし」
アーネとユートいわく、同じ顔をしている俺たちが外に出るのは危険らしい。
一国の姫であるアーネは言わずもがなだが、ユートも反乱軍から命を狙われている。
同じ顔の俺たちが町や外に出るのはかなり危険らしい。
しかし、だからといって屋敷に引きこもっているのも暇だ。
「あぁー!! 暇! 何かやる事ないの!?」
「ねーよ、ボードゲームも飽きたしなぁ……」
俺と彩は昨晩二人で眠った部屋にいた。
アーネの魔力が溜まるまでの間、ここで待つ事にしたのだが……暇すぎてそろそろ限界だ。
「ねぇ、なんか面白いことないの?」
彩がベッドに寝転がりながら俺に尋ねて来る。
そんな事を言われてもなぁ……。
「退屈なんだけど」
「俺に言うなよ……」
「ねぇ、そんなとこ居ないでこっち来たら? 立ってばっかりで疲れるでしょ?」
お前の隣が緊張するから立ってるんだよ……。
勘弁してくれ、二人きりってだけでもこっちは緊張してんだよ……てか、昨日俺良くここで寝れたな……疲れてたこともあるんだろうな……。
「じゃあ、俺はここで良いよ」
俺は少し離れたベッドの端っこに座る。
「ちょっと」
「なんだ?」
「なんでそんな離れて座るのよ」
「え? あぁ……別に良いだろ、困る事もないし」
「そうだけど、なんか避けられてみたいで嫌なんだけど」
「そ、そんな事言ってもな……じゃあどうすれば良いんだよ」
「こ、こっち来なさいよ……」
「は、はい?」
彩は頬を赤く染めながら、自分の隣の布団をポンポンと叩いてくる。
一体彩は何を考えてるんだ。
暇だから俺をからかって遊んでるのか?
俺はそんな事を考えながら、彩の隣まで移動する。
「ほらよ」
「ん……本当に来たんだ……」
「お前が来いって言ったんだろ!」
俺が文句を言うと、彩は俯きながら何かブツブツ呟いていた。
「ねぇ……」
「なんだよ」
「アンタって私の事……どう思ってるの?」
「え……」
いつもと様子の違う彩。
頬を赤く染めた彩は俺の方を見ながらそう尋ねて来る。
アーネはユートが心配では無いのだろうか?
あれだけラブラブなのだ、ユートが戦地に赴くとなれば、もっと心配してても良さそうだが……なんだかいつも通りだ。
俺がそんな事を思っていると、俺の変わりに彩がアーネに尋ねた。
「ねぇ、アンタ、旦那の事は心配じゃないの?」
「心配? 心配なんてしてないわ」
「そうなの? 旦那が戦地に行ってるって言うのに、随分冷たいのね」
「違うわよ……私は信じてるから……ユートが今回も無事で帰って来る事を……」
そう言うアーネの表情は穏やかだった。
本当にユートの事を信じているのだろう。
この二人の信頼関係はかなり厚いんだろうな。
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食事を済ませ、俺と彩はアーネに早く元の世界に戻して欲しいと話しに行く。
「え? 早く元の世界に戻してほしい?」
「あぁ、早く頼む」
「そうよ、こっちは折角の休みなんだから!」
「まぁまぁ、もう少しゆっくりして行ったら?」
「そんなゆっくりもしてられねーよ、早く帰してくれ」
「私も明日は仕事なんだから、早く帰してよ」
俺と彩はアーネに早く元の世界に帰して欲しいと訴える。
しかし、一向にアーネは俺達を元の世界に帰そうとしない。
「実はね……私の魔力がそこまで回復してないのよ、だから今すぐ帰すのは難しいの」
「魔力が無いと帰れないの?」
「そうよ彩、世界を渡るにはそれなりに大きな魔力が必要なの、だから少し待ってて、多分もう少しで回復するから」
手を合わせて俺達に頭を下げるアーネ。
そういう理由ならば仕方ない、俺と彩はアーネの魔力が回復するのを待つことにした。
「でも、待ってる間どうするのよ? スマホは使えないし、テレビも無いし、外には出るなって言うし」
アーネとユートいわく、同じ顔をしている俺たちが外に出るのは危険らしい。
一国の姫であるアーネは言わずもがなだが、ユートも反乱軍から命を狙われている。
同じ顔の俺たちが町や外に出るのはかなり危険らしい。
しかし、だからといって屋敷に引きこもっているのも暇だ。
「あぁー!! 暇! 何かやる事ないの!?」
「ねーよ、ボードゲームも飽きたしなぁ……」
俺と彩は昨晩二人で眠った部屋にいた。
アーネの魔力が溜まるまでの間、ここで待つ事にしたのだが……暇すぎてそろそろ限界だ。
「ねぇ、なんか面白いことないの?」
彩がベッドに寝転がりながら俺に尋ねて来る。
そんな事を言われてもなぁ……。
「退屈なんだけど」
「俺に言うなよ……」
「ねぇ、そんなとこ居ないでこっち来たら? 立ってばっかりで疲れるでしょ?」
お前の隣が緊張するから立ってるんだよ……。
勘弁してくれ、二人きりってだけでもこっちは緊張してんだよ……てか、昨日俺良くここで寝れたな……疲れてたこともあるんだろうな……。
「じゃあ、俺はここで良いよ」
俺は少し離れたベッドの端っこに座る。
「ちょっと」
「なんだ?」
「なんでそんな離れて座るのよ」
「え? あぁ……別に良いだろ、困る事もないし」
「そうだけど、なんか避けられてみたいで嫌なんだけど」
「そ、そんな事言ってもな……じゃあどうすれば良いんだよ」
「こ、こっち来なさいよ……」
「は、はい?」
彩は頬を赤く染めながら、自分の隣の布団をポンポンと叩いてくる。
一体彩は何を考えてるんだ。
暇だから俺をからかって遊んでるのか?
俺はそんな事を考えながら、彩の隣まで移動する。
「ほらよ」
「ん……本当に来たんだ……」
「お前が来いって言ったんだろ!」
俺が文句を言うと、彩は俯きながら何かブツブツ呟いていた。
「ねぇ……」
「なんだよ」
「アンタって私の事……どう思ってるの?」
「え……」
いつもと様子の違う彩。
頬を赤く染めた彩は俺の方を見ながらそう尋ねて来る。
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