好き同士ってめんどくさい

Joker0808

第24話




翌日、俺は学校に登校しいつも通り授業を受けていた。

「はぁ……人生って楽しいなぁ……」

「全然そんな感じの顔じゃないんだけど……何かあった?」

「ま……ちょっと良いことがあってな」

俺は休み時間に学と話しをしていた。
今日は彩が登校して来ていることもあり、昨日よりもクラスの中が騒がしい気がする。

「今日は彩音ちゃん学校に来てるね」

「……そうだな」

彩はいつも通りクラスの中心にいた。
まぁ、それはいつも通りなのだが……。
問題は俺の方だ。

「ねぇねぇ、緒方君!」

「……何?」

「そんな迷惑そうな顔しないでよ」

「そんな顔してないって……」

話し掛けてきたのは、西井と同じ陸上部の沢井美月(さわいみつき)だ。
昨日、西井と一緒に居るところを見られ、彼女が俺に興味を持ったのか、朝から今までずっとどうでも良い話ししに、俺の机にやってくる。

「ねぇねぇ、昨日は麗美とどこまでしたの?」

「その聞き方やめろ……」

「じゃあ、あの後は何してたの?」

「普通に家に帰ったよ」

「えー、それだけぇ? つまんない」

「つまんないってなんだよ」

沢井は頬を膨らませながら、俺にそう言う。
そんな事を言われても、こっちとしては別に西井とどうにかなろうなんて思ってないし。
どうにかなってしまったら、困るんだが……。

「あれ? 悠人と沢井さんって仲良かったの?」

「うん、すっごく仲良し」

「昨日まで俺の名前すら覚えてなかった癖に?」

まぁ、俺も覚えてなかったけど……。

「ねぇ、いつから付き合ってるの?」

「だから付き合ってねーっての」

「一緒に帰ってたのに?」

「それだけで付き合ってるとか言わねーだろ」

「じゃあ付き合ちゃえば? その方が面白いよ?」

「面白いからって理由で付き合えるかよ」

面倒くさい奴に興味を持たれたもんだな……。
俺はそんな事を考えながら沢井と話しをしていると、俺は誰かの視線を感じた。
俺は視線を感じる方に視線を向ける。
視線を向けた先では、彩が俺の方をジッと見ていた。 な、なんだ? 俺何かしたか?
何か言いたげな視線を向けながら、彩は直ぐに顔を反らした。





学校のお昼休み、私は友達と一緒に教室でお昼を食べていた。

「彩音ちゃん、昨日は何の撮影だったの?」

「ドラマの撮影だよ」

「あれでしょ! 今月9でやってるやつ! 私見てるよ!」

「ありがとね、でもちょっと恥ずかしいな……」

アイドルをしながら学生生活と言うのは大変だ。
勉強だってあるし、ドラマの台本だって覚えなきゃいけない。
こうやってクラスメイトとも仲良くしなくては、クラスでも浮いてしまうし……。
アイドルやるのも大変なんです。
そんな事を考えていると、教室に誰かが入ってきた。
「緒方君! お昼食べよー!」

「……お前さぁ……もっと静かに入って来いよ……」

「静かに入ってきたよ?」

「どこがだよ……」

入ってきたのは西井麗美。
一言で言えば私の恋敵だ。
昨日の一件から、悠人に対してなんだか馴れ馴れしい。
てか、悠人もなんであんなベタベタされて、何も言わないのよ!
声の大きさとかどうでも良いでしょ!!

「あ、彩音ちゃん?」

「な、何?」

「どうしたのか? 凄く怖い顔してたよ?」

「え! あ……な、何でもないの」

私はいつもの笑顔に表情を戻して、目の前の友達にそういう。
悠人は麗美に連れられて、そのままどこかに行ってしまった。
昨日は何もないなんて言ってたけど、なんだかんだ言って仲良くなってんじゃん!
悠人は私の事が好きなんでしょ!
なら私とだけ仲良くすれば良いじゃない!!

「あ、彩音ちゃん……」

「え……あ……ごめん……」

いつの間にか私はまた怖い顔になっていたようだった。
それもこれも悠人のせいだ。
悠人がさっさと私に告白さえしてくれれば、こんな気持ちならずに済むはずなのに……。

「……もう……ばか」

本当は私だって、学校でも悠人と仲良くしたい。
悠人と二人で昼食を食べたい。
でも、それは出来ない。
私が特定の異性と仲良くする訳にはいかない。
理由は私がアイドルだから。



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