今日からフリーになりまして
第53話
「好きなんだ! 白戸さんの事が!!」
「え………」
そう言った瞬間、僕の目の前に居る彼女の顔が見る見るうちに赤くなって行った。
そして、彼女はそのまま僕を残して去って言った。
「……言っちゃった」
僕はそこからどうやって家に帰ったのかを覚えていない。
答えを聞かないまま、白戸さんは言ってしまった。
急にあんなことを言ったのだ、気が動転してしまったのだろう。
後悔もあったが、今はなんだかスッキリした気分だった。
僕は家に帰った後も白戸さんのあの表情が忘れられなかった。
*
翌日、俺は直晄と共にファミレスに来ていた。
「「はぁ……」」
二人でため息を吐きながら、注文したポテトを食べていた。
しかし、なんで直晄までため息を?
あいつも何か話したいことがあるって言ってたけど……何があったんだろうか?
「はぁ……それでデートはどうだったの?」
「え? あぁ……まぁ……上手くはいったけど……」
「結局どっちか決められ無いって落ちか?」
「……ま、まぁ……そうなるな……」
「だと思った……湊斗はそういう奴だよ」
「決めなきゃとは思ってるんだけど……正直どっちも良い奴なんだよな……」
「それは何? 断るのが申し訳ないって事?」
「あぁ……」
「でも、早く答えを出したほうが良いよ……二人の為にも、振られる方も早いほうが良いだろうし」
「そうか……」
連休明けの学校で俺は二人の告白の返事を出来ればと思っていた。
直晄の言うとおり、早く答えを出した方が、二人には良いのかもしれないと思ったからだ。
「んで……おまえはどうしたんだ?」
「うん……実は昨日ちょっとね……」
「何かあったのか? こっちも色々あったけど……」
「あぁ……実は思い切って白戸さんに告白してさ……」
「へぇ、そうなのか………って、え!?」
「ん? どうしたの?」
「いや、何さらっと言ってるんだよ! お前今結構重要な事を言ったぞ!」
「まぁ……昨日の今日で少し心の整理が着いたからさ」
「いや、理由になってねーよ!」
驚いたな……まさか俺と藍原がデートをしている裏でそんな事態になっていたなんて……。
俺は直晄から昨日の出来事を聞いた。
「マジか……」
「なんか、言っちゃった……」
「言っちゃったってなんだよ」
「うん……でも正直なんかスッキリしたよ……ずっと言えなかったから……」
「……そうか……良かったな」
「うん……まぁ、答えがどうなるかわからないけど」
「……やっぱり……待ってるのは辛いか?」
俺は直晄にそんな質問をしていた。
告白の返事を待っている直晄と、告白の返事をする俺は対照的な位置に立っている。
だから俺は、返事を待っている方の意見を聞いてみたかった。
「あぁ……辛いって言うよりは……なんか、合格発表を待ってるみたいな感じかな? ソワソワして落ち着かない感じ」
「なるほどな……」
俺も早く答えを出さなくてはいけない。
この一ヶ月が、俺には一年にも近い凄く長い期間に感じる。
「さて、今日はどうする? 解散して一人で悩むかい? それとも僕とボーリングでも行くかい?」
「じゃあ、ボーリングで」
「そう言うと思ったよ」
俺と直晄は席を立って、そのままボーリング場に向かった。
*
「いらっしゃいませー」
ゴールデンウイーク前半、私は家の手伝いで、今日はパン屋のレジに立っていた。
「由羽! 休憩行ってきなさーい!」
「は-い!」
母親にそう言われ、私はパートのおばさんとレジを変わり、奥の休憩室に向かう。
「はぁ……疲れた」
私は休憩室でそんな事を呟きながら、付けていたエプロンを外して昼食を食べ始める。
「……湊斗、何してるかな?」
ふと、私はそんな事を考える。
昨日は楽しかった。
久しぶりに時間が過ぎるのが早いと感じた。
「あんな事は言ったけど……」
私じゃなくて、清瀬さんを選んでとは言ったものの、湊斗から直接振られるまでは諦めがつかないと言う本音もある。
「……はぁ……でもまた付き合って、また喧嘩ばっかりになるかもしれないし……やっぱり清瀬さんの方が良いよね……」
誰かから聞かれている訳でもないのに、私は何を言っているのだろうか……。
私がそんな事を考えながらご飯を食べていると、スマホに誰かからメッセージが送られてきた。
「ん? 芽生から? どうしたのかしら……」
私はスマホのロックを外して、メッセージを確認する。
【相談 有り 至急 連絡】
「なにこれ?」
送られてきていたのは、単語が四つだった。 とりあえず、至急連絡が欲しいのは分かったけど……何かあったのかな?
でも、あと一時間くらいで戻らないといけないし……。
「由羽!」
「ん? 何、お母さん?」
「あんた、今日はも上がって良いわよ。今日はそんなに忙しくないし」
「え? 良いの?」
「えぇ、お父さんが最近、誰かの影響で凄いやる気出してるから、仕事が早いのよ。だから余裕があるからアンタは遊びにでも行ってきなさい」
「あぁ……そう言うこと」
          
「え………」
そう言った瞬間、僕の目の前に居る彼女の顔が見る見るうちに赤くなって行った。
そして、彼女はそのまま僕を残して去って言った。
「……言っちゃった」
僕はそこからどうやって家に帰ったのかを覚えていない。
答えを聞かないまま、白戸さんは言ってしまった。
急にあんなことを言ったのだ、気が動転してしまったのだろう。
後悔もあったが、今はなんだかスッキリした気分だった。
僕は家に帰った後も白戸さんのあの表情が忘れられなかった。
*
翌日、俺は直晄と共にファミレスに来ていた。
「「はぁ……」」
二人でため息を吐きながら、注文したポテトを食べていた。
しかし、なんで直晄までため息を?
あいつも何か話したいことがあるって言ってたけど……何があったんだろうか?
「はぁ……それでデートはどうだったの?」
「え? あぁ……まぁ……上手くはいったけど……」
「結局どっちか決められ無いって落ちか?」
「……ま、まぁ……そうなるな……」
「だと思った……湊斗はそういう奴だよ」
「決めなきゃとは思ってるんだけど……正直どっちも良い奴なんだよな……」
「それは何? 断るのが申し訳ないって事?」
「あぁ……」
「でも、早く答えを出したほうが良いよ……二人の為にも、振られる方も早いほうが良いだろうし」
「そうか……」
連休明けの学校で俺は二人の告白の返事を出来ればと思っていた。
直晄の言うとおり、早く答えを出した方が、二人には良いのかもしれないと思ったからだ。
「んで……おまえはどうしたんだ?」
「うん……実は昨日ちょっとね……」
「何かあったのか? こっちも色々あったけど……」
「あぁ……実は思い切って白戸さんに告白してさ……」
「へぇ、そうなのか………って、え!?」
「ん? どうしたの?」
「いや、何さらっと言ってるんだよ! お前今結構重要な事を言ったぞ!」
「まぁ……昨日の今日で少し心の整理が着いたからさ」
「いや、理由になってねーよ!」
驚いたな……まさか俺と藍原がデートをしている裏でそんな事態になっていたなんて……。
俺は直晄から昨日の出来事を聞いた。
「マジか……」
「なんか、言っちゃった……」
「言っちゃったってなんだよ」
「うん……でも正直なんかスッキリしたよ……ずっと言えなかったから……」
「……そうか……良かったな」
「うん……まぁ、答えがどうなるかわからないけど」
「……やっぱり……待ってるのは辛いか?」
俺は直晄にそんな質問をしていた。
告白の返事を待っている直晄と、告白の返事をする俺は対照的な位置に立っている。
だから俺は、返事を待っている方の意見を聞いてみたかった。
「あぁ……辛いって言うよりは……なんか、合格発表を待ってるみたいな感じかな? ソワソワして落ち着かない感じ」
「なるほどな……」
俺も早く答えを出さなくてはいけない。
この一ヶ月が、俺には一年にも近い凄く長い期間に感じる。
「さて、今日はどうする? 解散して一人で悩むかい? それとも僕とボーリングでも行くかい?」
「じゃあ、ボーリングで」
「そう言うと思ったよ」
俺と直晄は席を立って、そのままボーリング場に向かった。
*
「いらっしゃいませー」
ゴールデンウイーク前半、私は家の手伝いで、今日はパン屋のレジに立っていた。
「由羽! 休憩行ってきなさーい!」
「は-い!」
母親にそう言われ、私はパートのおばさんとレジを変わり、奥の休憩室に向かう。
「はぁ……疲れた」
私は休憩室でそんな事を呟きながら、付けていたエプロンを外して昼食を食べ始める。
「……湊斗、何してるかな?」
ふと、私はそんな事を考える。
昨日は楽しかった。
久しぶりに時間が過ぎるのが早いと感じた。
「あんな事は言ったけど……」
私じゃなくて、清瀬さんを選んでとは言ったものの、湊斗から直接振られるまでは諦めがつかないと言う本音もある。
「……はぁ……でもまた付き合って、また喧嘩ばっかりになるかもしれないし……やっぱり清瀬さんの方が良いよね……」
誰かから聞かれている訳でもないのに、私は何を言っているのだろうか……。
私がそんな事を考えながらご飯を食べていると、スマホに誰かからメッセージが送られてきた。
「ん? 芽生から? どうしたのかしら……」
私はスマホのロックを外して、メッセージを確認する。
【相談 有り 至急 連絡】
「なにこれ?」
送られてきていたのは、単語が四つだった。 とりあえず、至急連絡が欲しいのは分かったけど……何かあったのかな?
でも、あと一時間くらいで戻らないといけないし……。
「由羽!」
「ん? 何、お母さん?」
「あんた、今日はも上がって良いわよ。今日はそんなに忙しくないし」
「え? 良いの?」
「えぇ、お父さんが最近、誰かの影響で凄いやる気出してるから、仕事が早いのよ。だから余裕があるからアンタは遊びにでも行ってきなさい」
「あぁ……そう言うこと」
          
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