隣の部屋の裸族さん

Joker0808

第43話




「とりあえず落ち着きなさい、また他の作戦を立てるしか無いわ!」

「だ、だけど……もしかしたらこの会話も聞かれてるかも!!」

「ここは男子部屋よ? ここに女子は来れないわ!」

「そ、そうだが……」

なんだろうこのホラー感。
なんか、背後に常に高石が居るような……。 てか、なんで俺がこんな目に!?

「はぁ……愛が重い……」

「重たすぎて潰れるわよ……」

結局、俺たちは作戦を変更することにした。 相談も極力スマホのメッセージを使ってすることにし、話しを聞かれないように注意することにした。





荷物を置くと二日目のレクリエーションが始まった。
皆とコミュニケーションを取るという目的の元、ゲーム形式で色々な事をやるらしい。
社会に出ても他人とコミュニケーションを取れるようにと言う理由があるらしいが、今の俺にとっては最悪のイベントだ。

「はーい、それじゃあまずは班ごとに一人一人改めて自己紹介をして貰うわよ-!」

改めて自己紹介って………。
そんなことを言われても皆何を言えば良いかなんて分からないだろ……。
てか、さっきのメッセージの件があったからか、以上に高石の視線を感じる。

「はぁ……」

「……木川」

「ん、八島……どうした?」

「………なんか木川……ため息ばっかり……」

「え? そ、そうか? そ、そんなこと無いぞ!」

俺は八島にそう言い、俺は班で中心になって自己紹介を始めた。

「じゃ、じゃあ班長の俺からやるか」

「正直知ってる奴の自己紹介にあんまり意味なんて無い気がするけどな」

「自己紹介が目的じゃないだろ? 多分あんまり話したことのない奴とも話せってことなんだろ?」

そう強に言いながら、俺は他の班員に向かって自己紹介を始める。
名前、生年月日、趣味、得意な事などを話して行く。

「えっと……春からは一人暮らしを始めてます」

「そんなん誰でも知ってるだろ」

「茶化すな! はい、これで俺の自己紹介は終わり!! 次は強!」

「え? 俺か?」

俺は自分の自己紹介を早々に終わらせ、順番を強に移した。

「仕方ねーなぁ~。えっと、俺は向井田強って言って……趣味は……ゲームかな?」

「エローゲーだろ」

「ちなみに彼女は居ません!」

「二次元には何十人も居るけどな」

「皆仲良くがもっとうなのでよろしくお願いします!!」

「俺を殺そうとしたよな?」

「おいコラ琉唯! いちいちうるせぇんだよ!!」

「お前の自己紹介を手伝ってやってるんだよ」

「隠したい秘密だってあるだろうが!! 俺のプライベートが丸裸だぞ!」

「どうせ直ぐにバレるだろ?」

なぜだろう、自分が現在大変だからどうか?
少し強に当たっているのかもしれない。
まぁ、強なら大丈夫だろ……。

「はいはい、次は私ね」

そう言って早乙女はその場に立ち上がり、自己紹介を始めた。

「私は早乙女で~す! 好きな食べ物はタピオカドリンクで、趣味は自分を磨く事で~す!」

男の自己紹介とは思えないな……。
てか、自分の名前が嫌いだとは言っていたが、まさか名前を言いすらしないなんて。

「体が男の子だけど、心は女の子なのでよろしく~」

いや、化け物の間違いだろ……。
色々とツッコミどころの多い自己紹介だったが、みんなあまり気にして無いみたいだしまぁ良いか……。
そしてついに女子の自己紹介が始まった。
まずは横川からだ。

「え、ええっと! よ、横川久美華です! 趣味は……漫画を読む事です! あ、あとは……得意な事は絵を書くことです! よ、よろしくお願いします!!」

緊張はしていたが、今まで一番まともな自己紹介だった気がする。
続いて八島の自己紹介だ。
あいつ、自己紹介なんて出来るのか?
元々口数の少ない奴だしなぁ……。
俺がそんな事を考えていると、八島が立ち上がって自己紹介を始めた。

「………八島絢葉………」

「…………」

「………ゲーム………」

「いや、待て!」

「………?」

いや、そんな『なんで止めるの?』みたいな顔やめろ。

「単語だけ言えば良いって話しじゃねーんだぞ……皆の参考にしてやってみろよ」

「……ん」

俺が八島にそう言うと、八島は新ためて自己紹介が始まった。

「名前………八島絢葉………趣味……ゲーム………特技……早寝………以上」

八島の自己紹介は以上で終了した。

「いや、だから! ただ単語を言っただけだろうが!!」

「ん?」

「そんな、何が悪いの? みたいな顔をされても……大体他の奴らはあの自己紹介で分かったのか?」

「まぁ、何となく言いたいことはな。てか八島さん、ゲーム好きなの? 何やるの?」

「まぁ、八島ちゃんらしくて良いじゃない」

「うーん……良いんだろうか?」

一応、八島の自己紹介も無事に終わり、いよいよ高石の番になった。
いろいろな意味で気になる相手の自己紹介だ。
そんな事を考えていると高石は立ち上がり自己紹介を始めた。

「じゃあ、今度は私だね。私は高石千鶴って言います。趣味は料理をすることかな? 特技は……マラソンです、結構走りこんでます」

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