隣の部屋の裸族さん
第7話
「……八島、一人か……」
「あら? また八島さん? そんなに彼女が気になる?」
「いや、そういうわけじゃ……」
「やめとけって、話し掛けてもまともに会話すら出来ねーって話しだぞ?」
「それは誰情報だ?」
「さっき出来たエロゲー仲間の藤宮君」
「あぁ、なるほど……同類ってことね……」
「まぁ、そう言うことだ」
「ろくな奴じゃないって事だけはわかった」
「おい! それどう言う意味だ!」
「もう、喧嘩しないの! まったく……これだから男は……」
「「お前もな!!」」
*
一年生との顔合わせが終わり、次は委員会の顔合わせなるものがあるらしい。
「だるいなぁ……」
「ま、これが終われば帰れるんだ、後少しの辛抱だろう?」
「じゃあ、私は視聴覚室だからここで、またあとでね」
「おう、じゃあな」
「じゃ、俺もあっちだから、じゃあな」
「あいよ」
一人になってしまった。
俺のクラスの美化委員は俺一人。
正直不安ではあるが、仕方ない。
俺は指定のクラスに向かって歩き始める。
さて……前のクラスの奴とか知ってる奴がいれば良いけど……。
「きゃっ!」
「おっと!」
考え事をしていたら、廊下の角で誰かとぶつかってしまった。
「大丈夫か? 悪い、ぼーっとしてて」
「あ、うん大丈夫! 私もごめんね」
ぶつかったのは女の子だった。
俺とぶつかって転んで尻餅をついてしまった彼女に俺は手を差し伸べる。
「ほら、立てるか?」
「ありがとね、よいっしょっと!」
肩に掛かるくらいの短い髪に、すらっと長い手足。
彼女を見たときの第一印象は可愛いだった。 笑顔で俺にお礼を言う彼女。
同級生だろうか?
クラスにこんな奴は居なかったし、恐らく別なクラスの奴だろう。
「あ、えっと……二年だよね?」
「え? そうだけど?」
「あのさ、美化委員ってどこで委員会やるんだっけ? ど忘れしちゃってさ」
「あぁ、それなら俺も美化委員だから一緒に行くか?」
「本当!? 助かったよ、ありがとう!」
「お、おう……」
彼女は俺の話を聞くと満面の笑みで俺の手を握ってそう答える。
パーソナルスペースの近いやつだ……俺じゃなかったら勘違いしてるぞ……。
そんな事を思いながら、俺は彼女を連れて多目的ホールに向かった。
「あ、そう言えばまだ君の名前を聞いてないね」
「俺か? 俺は木川琉唯だ。二年二組」
「私は上屋敷佐恵(かみやしき さえ)一組だよ。よろしくね」
「上屋敷か……よろしくな」
「いやぁー、美化委員ってクラスから一人の選出でしょ? 一人で行くの心細かったんだぁ~」
「あぁ、それわかるわ。俺もそんな感じ、上屋敷がぶつかってきてくれて助かったよ。委員会でボッチにはならなそうだ」
「ウフフ、それを狙ってぶつかってあげたんだよ~」
「嘘つけ」
「あ、バレた」
なんだか女子なのに話しやすいな。
いつもなら、俺はこんなに女子と上手く話せない。
相手が話しを振ってくれなければ、俺は何も話せない。
上屋敷は常に話題を振ってくれるから話しやすいのだろうか?
「去年は何組だったの?」
「俺は一組だ」
「私は三組だったんだー、だからお互い知らなかったんだね」
「ま、そんな奴いっぱい居るだろ」
「そうかな? 私、結構知り合いは多いよ?」
まぁ、何となくだがそんな感じがする。
恐らく、こいつは学園カーストでもかなり上の方だろうな……異性の友達なんかも多そうだ。
俺は居ないけど……。
そんな事を話している間に、俺たちは多目的ホールにたどりついた。
今日の委員会の活動はそこまで大変では無かった。
年間計画の説明と委員長からの挨拶。
そして委員会メンバーの簡単な自己紹介で終わりだった。
時間にして一時間ちょっとで終わり、俺はそのまま家に帰ろうとしていた。
「あ、木川君!」
「ん? 上屋敷、何か用か?」
「うん、連絡先教えてよ!」
「え? なんでだ? 不正利用する気か?」
「いや、しないよ! 折角知り合ったんだし、これからも委員会で一緒になるし、仲良くしようよ」
「おいおい、そんな事言ってると男は勘違いするんだぞ?」
「へぇ~どんな勘違いぃ~? まさか木川君私の事~……」
「いや、まったく興味が無い」
「それはそれで酷くない!?」
ま、フラれまくりの強が近くに居るせいか、女子のそう言う思わせぶりな態度には少し耐性がある。
多分、上屋敷もただ俺と仲良くしたいだけなのだろう。
「ま、連絡先くらい良いけどよ……ほら、俺のID」
「お、ありがとう~じゃあ登録しておくね」
「おう、じゃあな」
「うん、またね~!」
思いがけず女友達が出来てしまった。
強に言ったらややこしい事になりそうだな……。
さて、今日は今からあいつらも来るし、さっさと帰るか。
俺はそんな事を考えながら、自分のアパートの部屋に向かって足を進める。
片付けは粗方終わったから良いが……お茶と菓子が無かったな……買っていこう。
そう言えばあいつら、俺に新居祝いをくれるなんて言ってたけど……何をくれのだろうか?
「あら? また八島さん? そんなに彼女が気になる?」
「いや、そういうわけじゃ……」
「やめとけって、話し掛けてもまともに会話すら出来ねーって話しだぞ?」
「それは誰情報だ?」
「さっき出来たエロゲー仲間の藤宮君」
「あぁ、なるほど……同類ってことね……」
「まぁ、そう言うことだ」
「ろくな奴じゃないって事だけはわかった」
「おい! それどう言う意味だ!」
「もう、喧嘩しないの! まったく……これだから男は……」
「「お前もな!!」」
*
一年生との顔合わせが終わり、次は委員会の顔合わせなるものがあるらしい。
「だるいなぁ……」
「ま、これが終われば帰れるんだ、後少しの辛抱だろう?」
「じゃあ、私は視聴覚室だからここで、またあとでね」
「おう、じゃあな」
「じゃ、俺もあっちだから、じゃあな」
「あいよ」
一人になってしまった。
俺のクラスの美化委員は俺一人。
正直不安ではあるが、仕方ない。
俺は指定のクラスに向かって歩き始める。
さて……前のクラスの奴とか知ってる奴がいれば良いけど……。
「きゃっ!」
「おっと!」
考え事をしていたら、廊下の角で誰かとぶつかってしまった。
「大丈夫か? 悪い、ぼーっとしてて」
「あ、うん大丈夫! 私もごめんね」
ぶつかったのは女の子だった。
俺とぶつかって転んで尻餅をついてしまった彼女に俺は手を差し伸べる。
「ほら、立てるか?」
「ありがとね、よいっしょっと!」
肩に掛かるくらいの短い髪に、すらっと長い手足。
彼女を見たときの第一印象は可愛いだった。 笑顔で俺にお礼を言う彼女。
同級生だろうか?
クラスにこんな奴は居なかったし、恐らく別なクラスの奴だろう。
「あ、えっと……二年だよね?」
「え? そうだけど?」
「あのさ、美化委員ってどこで委員会やるんだっけ? ど忘れしちゃってさ」
「あぁ、それなら俺も美化委員だから一緒に行くか?」
「本当!? 助かったよ、ありがとう!」
「お、おう……」
彼女は俺の話を聞くと満面の笑みで俺の手を握ってそう答える。
パーソナルスペースの近いやつだ……俺じゃなかったら勘違いしてるぞ……。
そんな事を思いながら、俺は彼女を連れて多目的ホールに向かった。
「あ、そう言えばまだ君の名前を聞いてないね」
「俺か? 俺は木川琉唯だ。二年二組」
「私は上屋敷佐恵(かみやしき さえ)一組だよ。よろしくね」
「上屋敷か……よろしくな」
「いやぁー、美化委員ってクラスから一人の選出でしょ? 一人で行くの心細かったんだぁ~」
「あぁ、それわかるわ。俺もそんな感じ、上屋敷がぶつかってきてくれて助かったよ。委員会でボッチにはならなそうだ」
「ウフフ、それを狙ってぶつかってあげたんだよ~」
「嘘つけ」
「あ、バレた」
なんだか女子なのに話しやすいな。
いつもなら、俺はこんなに女子と上手く話せない。
相手が話しを振ってくれなければ、俺は何も話せない。
上屋敷は常に話題を振ってくれるから話しやすいのだろうか?
「去年は何組だったの?」
「俺は一組だ」
「私は三組だったんだー、だからお互い知らなかったんだね」
「ま、そんな奴いっぱい居るだろ」
「そうかな? 私、結構知り合いは多いよ?」
まぁ、何となくだがそんな感じがする。
恐らく、こいつは学園カーストでもかなり上の方だろうな……異性の友達なんかも多そうだ。
俺は居ないけど……。
そんな事を話している間に、俺たちは多目的ホールにたどりついた。
今日の委員会の活動はそこまで大変では無かった。
年間計画の説明と委員長からの挨拶。
そして委員会メンバーの簡単な自己紹介で終わりだった。
時間にして一時間ちょっとで終わり、俺はそのまま家に帰ろうとしていた。
「あ、木川君!」
「ん? 上屋敷、何か用か?」
「うん、連絡先教えてよ!」
「え? なんでだ? 不正利用する気か?」
「いや、しないよ! 折角知り合ったんだし、これからも委員会で一緒になるし、仲良くしようよ」
「おいおい、そんな事言ってると男は勘違いするんだぞ?」
「へぇ~どんな勘違いぃ~? まさか木川君私の事~……」
「いや、まったく興味が無い」
「それはそれで酷くない!?」
ま、フラれまくりの強が近くに居るせいか、女子のそう言う思わせぶりな態度には少し耐性がある。
多分、上屋敷もただ俺と仲良くしたいだけなのだろう。
「ま、連絡先くらい良いけどよ……ほら、俺のID」
「お、ありがとう~じゃあ登録しておくね」
「おう、じゃあな」
「うん、またね~!」
思いがけず女友達が出来てしまった。
強に言ったらややこしい事になりそうだな……。
さて、今日は今からあいつらも来るし、さっさと帰るか。
俺はそんな事を考えながら、自分のアパートの部屋に向かって足を進める。
片付けは粗方終わったから良いが……お茶と菓子が無かったな……買っていこう。
そう言えばあいつら、俺に新居祝いをくれるなんて言ってたけど……何をくれのだろうか?
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