日本は異世界で平和に過ごしたいようです
第32話
バナスタシア帝国陸軍
オルスター王国との開戦に備えて、バナスタシア帝国陸軍は出撃の準備を整えていた。
人員は50万人規模の大規模な動員であり、軍部もオルスター王国との技術・物量での圧倒的な差のもと、勝利を確信していた。
「そろそろ国境だ。総員気を引き締めていけ」
軍全体に無線で呼びかけるマイケル総指揮官は、生まれながらの軍人であった。16歳の時に陸軍将校養成学校に入学してから、キャリアコースを歩んできた。
そのため、愛国心も一段と強い男であった。
しかし、上空から高い音が聞こえてくる。
「なんだ?飛竜の鳴き声かなんかか?」
「いいえ。まだ飛竜部隊は到着していないはずです」
すると、突然前方の部隊が爆発したのだ。そう、爆発である。
「なんだ!何が起きたのだ!」
「わかりません!」
「大砲部隊は後方だろ。原因を調べろ」
「わかりました!」
「くそ!前進するべきか、後退するべきか」
そんなことを言っている間に、自衛隊の第2波攻撃が到来する。
その着弾と同時に、バナスタシア帝国陸軍は統率を失った。
陸上自衛隊オルスター王国派遣隊
『敵部隊、統率を失った。各部隊、敵軍の動向に注意せよ。戦車部隊、敵機甲部隊の破壊に向かえ。また、普通科部隊はオルスター王国軍と共に敵歩兵部隊の無力化に向かえ』
『こちら戦車部隊、敵機甲兵力の破壊に向かう』
『こちら普通科、前進を開始する』
『了解。特科の射撃に注意せよ』
敵軍の統率を破壊したところで、自衛隊は本格的な敵軍無力化を試みる。
普通科連隊は73式装甲車や96式装輪装甲車などと、歩兵部隊によって広範囲に機関銃などによって敵部隊を殲滅することとなった。
オルスター王国陸軍の兵力は、いまだに騎兵隊による・前装式ライフルが兵力が大半を占めていたが、バナスタシア帝国陸軍は自動車擬きなどの兵力、後装式ライフルを装備していたため、力不足と判断された。
よって自衛隊が無力化を率先して行うことになった。無理に戦力的に劣勢の味方側に犠牲を出すことを日本政府は避けたのだ。
『戦車部隊、射撃許可』
10式戦車と90式戦車がエンジンのうなりを上げながら、所定の位置に着く。
幸いにして、起伏のある地形であったため、専守防衛を掲げる自衛隊にとって良い場所であったと明記しておこう。
『前方、敵機甲部隊、徹甲、撃て』
戦車部隊の無線から射撃命令が下った。
10式と90式の備える120mm滑腔砲が火を噴く。
周辺には鼓膜が破れるほどの轟音が鳴り響く。
敵の戦車部隊は、一部が弾薬庫・燃料タンクに誘爆したのか爆発し、被弾したすべての戦車が動きを止める。
『続けて、撃て』
3回ほど全戦車が射撃したところで敵機甲兵力は壊滅したのであった。
『撃ち方止め。敵機甲部隊の破壊を確認』
『了解。普通科部隊、前へ』
『敵航空部隊を確認』
『ヘリ部隊、出撃準備、そのまま離陸せよ。また高射特科は敵航空戦力に対して射撃せよ』
その無線により、89式装甲戦闘車・96式装輪装甲車・73式装甲車が前進を始める。
各車両は装備している機関砲ないしは自動擲弾銃で敵歩兵部隊を殲滅していく。
また、AH-1Sと87式自走高射機関砲によって、敵の航空戦力の殲滅も開始された。
『予定通り国境まで1Km地点に到達。防衛陣地形成開始』
普通科部隊が各車両から降車し、防衛陣地を形成していく。
それと同時に、普通科部隊による制圧射撃が開始される。
戦場には普通科部隊の小銃や機関銃の射撃音、ヘリコプターのプロペラ音、ガトリング砲の射撃音などが入り混じっていた。
また、オルスター王国陸軍の歩兵部隊も、自衛隊の援護を受けながら敵脱走兵の始末を担当した。
その後。
バナスタシア帝国陸軍は完全に壊滅した。死者はバナスタシア帝国陸軍で約30万人、オルスター王国陸軍102人、自衛隊は負傷者はいなかった。
捕虜となったものは約5万人ほどいたが、それらはオルスター王国陸軍に対応を一任した。
また、オルスター王国軍より報復攻撃の要請がなされた。
この世界のデファクトスタンダードとして報復攻撃を成すとオルスター王国から説明があった。実際には兵力的な関係で報復攻撃を行わない場合もあったが、オルスター王国側は報復攻撃をしたかったのだ。
そして、戦勝国として講和を結び、多額の賠償金を得たかったのである。
だがしかし。日本には前述の通り"専守防衛"という言葉がある。
そのため、報復攻撃は日本政府が固く断ることとなった。
しかし、日本政府は代わりとして講和条約を早々に結ぶことにした。もちろん多額の賠償金と共に。
一方陸上自衛隊が戦闘を行っていたころ、海上自衛隊も戦闘事態に陥っていたのである。
オルスター王国との開戦に備えて、バナスタシア帝国陸軍は出撃の準備を整えていた。
人員は50万人規模の大規模な動員であり、軍部もオルスター王国との技術・物量での圧倒的な差のもと、勝利を確信していた。
「そろそろ国境だ。総員気を引き締めていけ」
軍全体に無線で呼びかけるマイケル総指揮官は、生まれながらの軍人であった。16歳の時に陸軍将校養成学校に入学してから、キャリアコースを歩んできた。
そのため、愛国心も一段と強い男であった。
しかし、上空から高い音が聞こえてくる。
「なんだ?飛竜の鳴き声かなんかか?」
「いいえ。まだ飛竜部隊は到着していないはずです」
すると、突然前方の部隊が爆発したのだ。そう、爆発である。
「なんだ!何が起きたのだ!」
「わかりません!」
「大砲部隊は後方だろ。原因を調べろ」
「わかりました!」
「くそ!前進するべきか、後退するべきか」
そんなことを言っている間に、自衛隊の第2波攻撃が到来する。
その着弾と同時に、バナスタシア帝国陸軍は統率を失った。
陸上自衛隊オルスター王国派遣隊
『敵部隊、統率を失った。各部隊、敵軍の動向に注意せよ。戦車部隊、敵機甲部隊の破壊に向かえ。また、普通科部隊はオルスター王国軍と共に敵歩兵部隊の無力化に向かえ』
『こちら戦車部隊、敵機甲兵力の破壊に向かう』
『こちら普通科、前進を開始する』
『了解。特科の射撃に注意せよ』
敵軍の統率を破壊したところで、自衛隊は本格的な敵軍無力化を試みる。
普通科連隊は73式装甲車や96式装輪装甲車などと、歩兵部隊によって広範囲に機関銃などによって敵部隊を殲滅することとなった。
オルスター王国陸軍の兵力は、いまだに騎兵隊による・前装式ライフルが兵力が大半を占めていたが、バナスタシア帝国陸軍は自動車擬きなどの兵力、後装式ライフルを装備していたため、力不足と判断された。
よって自衛隊が無力化を率先して行うことになった。無理に戦力的に劣勢の味方側に犠牲を出すことを日本政府は避けたのだ。
『戦車部隊、射撃許可』
10式戦車と90式戦車がエンジンのうなりを上げながら、所定の位置に着く。
幸いにして、起伏のある地形であったため、専守防衛を掲げる自衛隊にとって良い場所であったと明記しておこう。
『前方、敵機甲部隊、徹甲、撃て』
戦車部隊の無線から射撃命令が下った。
10式と90式の備える120mm滑腔砲が火を噴く。
周辺には鼓膜が破れるほどの轟音が鳴り響く。
敵の戦車部隊は、一部が弾薬庫・燃料タンクに誘爆したのか爆発し、被弾したすべての戦車が動きを止める。
『続けて、撃て』
3回ほど全戦車が射撃したところで敵機甲兵力は壊滅したのであった。
『撃ち方止め。敵機甲部隊の破壊を確認』
『了解。普通科部隊、前へ』
『敵航空部隊を確認』
『ヘリ部隊、出撃準備、そのまま離陸せよ。また高射特科は敵航空戦力に対して射撃せよ』
その無線により、89式装甲戦闘車・96式装輪装甲車・73式装甲車が前進を始める。
各車両は装備している機関砲ないしは自動擲弾銃で敵歩兵部隊を殲滅していく。
また、AH-1Sと87式自走高射機関砲によって、敵の航空戦力の殲滅も開始された。
『予定通り国境まで1Km地点に到達。防衛陣地形成開始』
普通科部隊が各車両から降車し、防衛陣地を形成していく。
それと同時に、普通科部隊による制圧射撃が開始される。
戦場には普通科部隊の小銃や機関銃の射撃音、ヘリコプターのプロペラ音、ガトリング砲の射撃音などが入り混じっていた。
また、オルスター王国陸軍の歩兵部隊も、自衛隊の援護を受けながら敵脱走兵の始末を担当した。
その後。
バナスタシア帝国陸軍は完全に壊滅した。死者はバナスタシア帝国陸軍で約30万人、オルスター王国陸軍102人、自衛隊は負傷者はいなかった。
捕虜となったものは約5万人ほどいたが、それらはオルスター王国陸軍に対応を一任した。
また、オルスター王国軍より報復攻撃の要請がなされた。
この世界のデファクトスタンダードとして報復攻撃を成すとオルスター王国から説明があった。実際には兵力的な関係で報復攻撃を行わない場合もあったが、オルスター王国側は報復攻撃をしたかったのだ。
そして、戦勝国として講和を結び、多額の賠償金を得たかったのである。
だがしかし。日本には前述の通り"専守防衛"という言葉がある。
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