三日月
(50) 窓は開けておく
         
6月8日 月曜日
朝からなんだか落ち着かない
それはカズに隠し事をする、この後ろめたい。と言う感覚は生まれて初めての経験だからなのかもしれない。
優等生だった私は、こんな気持ちは今まで一度たりともなった事がなかったのだ。
新発見。
なんとも嫌な気分だ、しかし今夜のお散歩が一緒に行けないことを話さないといけない。
「カズ!」と話しかけると
「あああっ!!」
と、大きな声を出してカズは頭を抱えている。
「どうしたの?あああッ!!」
私も頭を抱えた。
自転車がないのだ!
あゆママの店の前に置いたままだった。
「やばい!ここからだとあゆママの店が近い、20分で歩いて行って会社まで5。分行けるか?エリ。」
もうその頃には、私は走り出していた。
それに続いてカズも走り出す。
二人はお弁当を持ったまま、この突然のハプニングに少し微笑みを浮かべていた。
大道路沿いを走っているとバイクの山下くんとすれ違ったので訳を話してお弁当を持ってもらったので それからの走るスピードは増した。
9時15分にはあゆママの店の前にいて自転車に乗って会社に着くと9時25分だったので35分の朝礼にはなんとか間に合いそうで胸を撫で下ろした。
今朝の朝礼にはココハちゃんの父親が参加していて、とても大規模なプロジェクトが始まるが窓口になる担当者です。と、挨拶をしてラジオ体操まで参加してから会議室で商談に入ったようだ。
さて、昼休み時間になったのだが、今日は2人が走って来ない。
歩いている。
見慣れない光景なのだが、それと手にはそれぞれ2個ずつ弁当を持っている。
「山下主任今朝はお弁当を持ってくれてありがと!おかげで早く走れたわ。」
「いえいえ課長お役に立てて光栄至極に存じます。それより桜井のヤツ、今朝会議室に呼ばれたんだが、何か隠してますよ絶対」
そこにココハちゃんが登場する
「桜井さん、パパに何って返事したの?」
この時点で驚いているのは山下だけだ
「今朝の、ココハのオヤジかよ?若くないか、オレと年そう変わんないよな?
それで、桜井がなぜボルボ親心に呼び出されたんだ?」
「主任、パパに変なアダ名付けないでよ!」
カズは、重い口を開く
「みんなが揃ったら話そうと思ってたんだ。
実は三木谷建設には今日までって話に。
さっき決まってしまって。。
急なんだけどココハちゃんのお父様の会社で営業職をする事になったんだよ。
今朝聞いた話なんけど、今回のプロジェクトは三木谷建設の社運を賭けていて、あちらの会社にも求人を取る予定だったらしい。この機を逃すと大手に引き抜かれるチャンスは2度と来ないかな。と思って、即決してしまったたんだ。皆んなどう思う?」
「どうもこうも、良い話じゃないか!寂しくなるぜこのやろう。そうなるとオレは両手に花じゃないか」
「そうだな、主任ありがとう。そう言ってもらえると信じていたよ」
「エリ、事務の仕事をまたエリがやるハメになるんだったら、週末オレも一緒に手伝うから、フォロー出来たのが短期間ですまない」
「それはですね~3ヶ月の研修期間の終わったココハ様が引き継ぐことになりました。主任、書類のお山で寝ていたら頭をパコーンって叩きますよ」
「ココハが同じオフィスになるのかよ?うるさくてしょうがない」
私はショックが大き過ぎてかける言葉が見つからなかった。
カズに今までの様に会えなくなる事が、ただただ寂しく茫然としてしまう。
「エリ、オレも寂しい。でも家は隣だろ?オレが部屋にいる時は窓を開けておくから、いつでもシャボン玉飛ばして来いよ」
「わかった、私も窓開けておく。」
山下くんが口を挟む
「窓に橋を掛けちゃえば?」
「主任、結構良い。名言ですよそれ。でもシャボン玉という暗号は謎ですね。」
「ココハちゃん、動物園に動物の形の可愛いシャボン玉があってね、二人で買って窓から飛ばしっこしてるんだ。すごく癒されるよ、ふわふわ何処までも飛んでいくんだ」
「欲しい!今週末は軽井沢だから、再来週に私達も買いましょう!主任、戸越銀座に向かって飛ばします。次にアメ横で食べるのも決めてあるの、アメ横焼き、その次はパンダ肉まん」
「おう!ココハお安い御用さ。動物園は元取るまでに4回は行かなきゃな、アメ横も全制覇しようぜ」
「おうよ、しかし主任あの二人は冷え切ってませんか?なかなか乗って来ないですね、、」
「、、、。」
「しょーがないな、オレらは弁当食うか?今日はサバにしといたぞ」
「わーい!」
 二人は、お弁当を食べるためにベンチの方に行ってしまった。
6月8日 月曜日
朝からなんだか落ち着かない
それはカズに隠し事をする、この後ろめたい。と言う感覚は生まれて初めての経験だからなのかもしれない。
優等生だった私は、こんな気持ちは今まで一度たりともなった事がなかったのだ。
新発見。
なんとも嫌な気分だ、しかし今夜のお散歩が一緒に行けないことを話さないといけない。
「カズ!」と話しかけると
「あああっ!!」
と、大きな声を出してカズは頭を抱えている。
「どうしたの?あああッ!!」
私も頭を抱えた。
自転車がないのだ!
あゆママの店の前に置いたままだった。
「やばい!ここからだとあゆママの店が近い、20分で歩いて行って会社まで5。分行けるか?エリ。」
もうその頃には、私は走り出していた。
それに続いてカズも走り出す。
二人はお弁当を持ったまま、この突然のハプニングに少し微笑みを浮かべていた。
大道路沿いを走っているとバイクの山下くんとすれ違ったので訳を話してお弁当を持ってもらったので それからの走るスピードは増した。
9時15分にはあゆママの店の前にいて自転車に乗って会社に着くと9時25分だったので35分の朝礼にはなんとか間に合いそうで胸を撫で下ろした。
今朝の朝礼にはココハちゃんの父親が参加していて、とても大規模なプロジェクトが始まるが窓口になる担当者です。と、挨拶をしてラジオ体操まで参加してから会議室で商談に入ったようだ。
さて、昼休み時間になったのだが、今日は2人が走って来ない。
歩いている。
見慣れない光景なのだが、それと手にはそれぞれ2個ずつ弁当を持っている。
「山下主任今朝はお弁当を持ってくれてありがと!おかげで早く走れたわ。」
「いえいえ課長お役に立てて光栄至極に存じます。それより桜井のヤツ、今朝会議室に呼ばれたんだが、何か隠してますよ絶対」
そこにココハちゃんが登場する
「桜井さん、パパに何って返事したの?」
この時点で驚いているのは山下だけだ
「今朝の、ココハのオヤジかよ?若くないか、オレと年そう変わんないよな?
それで、桜井がなぜボルボ親心に呼び出されたんだ?」
「主任、パパに変なアダ名付けないでよ!」
カズは、重い口を開く
「みんなが揃ったら話そうと思ってたんだ。
実は三木谷建設には今日までって話に。
さっき決まってしまって。。
急なんだけどココハちゃんのお父様の会社で営業職をする事になったんだよ。
今朝聞いた話なんけど、今回のプロジェクトは三木谷建設の社運を賭けていて、あちらの会社にも求人を取る予定だったらしい。この機を逃すと大手に引き抜かれるチャンスは2度と来ないかな。と思って、即決してしまったたんだ。皆んなどう思う?」
「どうもこうも、良い話じゃないか!寂しくなるぜこのやろう。そうなるとオレは両手に花じゃないか」
「そうだな、主任ありがとう。そう言ってもらえると信じていたよ」
「エリ、事務の仕事をまたエリがやるハメになるんだったら、週末オレも一緒に手伝うから、フォロー出来たのが短期間ですまない」
「それはですね~3ヶ月の研修期間の終わったココハ様が引き継ぐことになりました。主任、書類のお山で寝ていたら頭をパコーンって叩きますよ」
「ココハが同じオフィスになるのかよ?うるさくてしょうがない」
私はショックが大き過ぎてかける言葉が見つからなかった。
カズに今までの様に会えなくなる事が、ただただ寂しく茫然としてしまう。
「エリ、オレも寂しい。でも家は隣だろ?オレが部屋にいる時は窓を開けておくから、いつでもシャボン玉飛ばして来いよ」
「わかった、私も窓開けておく。」
山下くんが口を挟む
「窓に橋を掛けちゃえば?」
「主任、結構良い。名言ですよそれ。でもシャボン玉という暗号は謎ですね。」
「ココハちゃん、動物園に動物の形の可愛いシャボン玉があってね、二人で買って窓から飛ばしっこしてるんだ。すごく癒されるよ、ふわふわ何処までも飛んでいくんだ」
「欲しい!今週末は軽井沢だから、再来週に私達も買いましょう!主任、戸越銀座に向かって飛ばします。次にアメ横で食べるのも決めてあるの、アメ横焼き、その次はパンダ肉まん」
「おう!ココハお安い御用さ。動物園は元取るまでに4回は行かなきゃな、アメ横も全制覇しようぜ」
「おうよ、しかし主任あの二人は冷え切ってませんか?なかなか乗って来ないですね、、」
「、、、。」
「しょーがないな、オレらは弁当食うか?今日はサバにしといたぞ」
「わーい!」
 二人は、お弁当を食べるためにベンチの方に行ってしまった。
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