AI暴走中!~ 暴走する悪意のAIに少年と少女と猫がコトバの魔法で挑みます!

けーすけ@ティーン向け教材クリエイター

第1章-第24話 豚もおだてりゃ木に登る

「ブヒ……、間違まちがえただけだブヒ! くさものにブタと間違まちがえただけだブヒ! 今度こんどはちゃんとうブヒ!」


 嗅覚スメールふたた間抜まぬけなこえでスキルをさけんだ。


「『くさものふた』ブヒー!」


 すると、嗅覚スメールまるするどながわった。


 同時どうじに、マンホールみたいなヘドロの円盤えんばんが、今度こんど大量たいりょうにふたりけてはなたれる。


 さらにふたりにかいながら、円盤えんばん円周えんしゅうにそって、エメラルドグリーンのやいばしょうじる。まるノコのやチャクラムを彷彿ほうふつさせるかたちへと変貌へんぼうしたのだ。


 パリン、パリン、パリン、パリン、パリン……。


 ゆかちたさられるようなおと多数たすうひびく。


 間違まちがえたスキルより強力きょうりょくなはずであったが、またもや久愛くうしろたてがすべてあっというった。


 ひとはなしながすという意味いみにちなんで、『馬耳東風バジトウフウ』はてき攻撃こうげきスキルを無効化むこうかするのだ。


久愛くうのスキル……、すごい……」


「で、でも……、わたしの『馬耳東風バジトウフウ』では、あの猪豚いのぶたさんをたおせないよ……」


 久愛くうこう会話かいわをしているあいだに、嗅覚スメールみぎ前足まえあし地面じめんをひっかくように何度なんどりあげる。いまにも突進とっしんしてきそうな姿勢しせいをとっていた。


こう、もう一度いちどはや攻撃こうげきして!」


 久愛くうさけんだとき、嗅覚スメール一足先ひとあしさきにスキルを発動はつどうさせた。


「『ブタモオダテリャキニノボル』ブヒー!」


 嗅覚スメールは、からだからどろをまきらし、土煙つちけむりをあげながら突進とっしんしてきた。


 ぶたではけっしてせない迫力はくりょくにふたりもあせる。


 いのししというよりぶたちか嗅覚スメールは、本来ほんらい俊敏しゅんびんせいける体格たいかくだ。


 ゆえに通常つうじょうならいのししのような突進とっしん困難こんなんだが、スキル『ぶたもおだてりゃ木にのぼる』で突進とっしん攻撃こうげきができるようになるのだ。



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