AI暴走中!~ 暴走する悪意のAIに少年と少女と猫がコトバの魔法で挑みます!

けーすけ@ティーン向け教材クリエイター

第1章-第13話 上の空

 久愛くう普段ふだんならわすれることのないじゅくわすれていた。


(今日、じゅくだったよね。じゅくなんかってる場合ばあいじゃないもするけど、やすめないもんなぁ……)


 久愛くうは、勉強べんきょうがかなり苦手にがてきらいだった。


 ただ、こうとはちがって、国語こくごだけは得意とくい


 とりわけ語彙力ごいりょくけていて、こうにも言葉ことば意味いみをよくおしえてあげていた。


かないと、しかられるもんね……」


 VRブイアールシステムを利用りようしたじゅくや、オンライン個別こべつ指導しどう利用りようする生徒せいとおおなかで、根強ねづよのこ従来型じゅうらいがたの「実際じっさいかよう」ライブじゅく


 おや反対はんたいってかよ久愛くうには、その「実際じっさいかよう」ライブじゅくかよいたい理由りゆうが一つだけあったのだ。 


 こうおなじゅくかよいたい……。


 じゅくではこうとクラスがことなるけれど、授業じゅぎょう前後ぜんごや、かえりにえたらはなせる。


 家が隣で幼馴染おさななじみとはいえ、べつ中学校ちゅうがっこうかよこうはなせる機会きかいっていた。


 久愛くうにとってじゅくは洸と会えるかもしれない貴重きちょう時間じかんだった。


(こんな寝不足ねぶそくかおきたくないなぁ……)


 あるじゅんどうりょうしんにおねがいした久愛くうは、じゅく欠席けっせきしたことはなかった。


 皆勤かいきんしょうだけはずっとかさずもらっている。 



「では、本日ほんじつ授業じゅぎょうはこれでわります」


「「「ありがとうございました」」」


 じゅく講師こうし生徒せいとたちの挨拶あいさつこえひびく。


 同時どうじに、教室きょうしつから次々つぎつぎていく生徒せいとたち。


 普段ふだんならこうえるかにかける久愛くうも、終始しゅうしうわそらだった。


 いつもならなか友達ともだちこうどうともにしているが、今日きょうはひとりでかえるつもりでいた。


 バンッ!


 久愛くうがロビーを抜け建物から矢先やさき、何者かにかた小突こづかれる。


「い、いたっ。えっ?」


久愛くう! 元気げんき?」



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