異世界に喚ばれたので、異世界で住みます。
78.無謀な解決策
「ーーまあ、ここで死なせるわけにはいきませんからね、一肌脱ぎますよ」
もう何枚脱いだか分からないけどさ、一応はまだこの国に仕えても良いと思っている。花を知る私たちが疑われることも含めて、白帝には死なれちゃ困るのよね。
「先ほども言ってましたけど、解決出来るんですか?」
「ロベルト様、私に喧嘩売ってるんですか?」
「自信過剰なのも問題ですよ?」
それ、此処に来たときも言われたっけな。本当に嫌味ったらしい人だったけど、ちょっとだけ柔らかくなったよなあ。あれ?それを言ったのマリベル様だったけ?
どちらにせよ、言われたのに代わりはない。
「自信過剰なんじゃないですよ。事実、私にはチカラがあるもの」
「チカラか。お前は、チカラに溺れそうなタイプだな」
「いいえ、溺れやしません。だって、私はチカラに溺れて滅んだ人を何人も見てきたんですよ。哀れで愚かだった。あんな晒し者になんかなりたくない」
シヴァ様に笑って、私はこれからの計画を口にした。シバルヴァはワクチンも何もない。死を待つことすら出来ないものだから、これしか手立てはない。
「…正気ですか?」
「バカかい?」
「阿呆だろ」
三者三様の罵倒をありがとうございます。まあ常識ある人なら、そんな反応するよね。非常識なことを私はしようとしている。
私だから出来ることじゃないんだけどさ、私の血だから出来ること、なんだよね。だからお兄ちゃんや双子たちでも出来る。
命の保証は出来ないのがイタイけど。
ーー私たちは呪われた一族を母に持つ。
「神を降ろす、なんて」
「神の血を引くから出来ること。神の血を利用する」
桜咲は、その昔、神の恩恵を受け魔物に似た日本固有の存在を祓う一族だったという。しかし、異形の血を入れてしまった故に神の怒りを買い、呪われてしまったのだという。
それを逆手に取る。神の恩恵を受けていたなら、神降ろしだってしていた筈だ。知識だけは無駄にある。一か八かでやるしかない。
「一族は、神の怒りを買ったことがあるんです。だから、恐るるに足りぬこと」
「いや、だからって。君の世界に居た神々とは違うんだよ?」
「それが何だと言うんですか?此処で死なれるには惜しいんです」
「死なれるには惜しいって。やっぱり敬う気はないみたいだね」
死んだらお兄ちゃんや私たちが疑われる。死んだら、双子を守ってもらえない。白帝の存在があるから、双子は静かに暮らせている。それをみすみす死なせるなんて、ありえないことだ。
此処に来た当初はマリベル様、今みたいに砕けた喋り方だったよなあ。違うことを考えたけど、それも一瞬ばかりのこと。
「明日は満月でしたね、明日決行しましょう」
「明日、それまで体力は保つか?」
「保つ。決行する場所は、蒼の離宮の地下」
神聖な泉で行いましょう。
もっとも神に近き場所。
もっとも神を強く感じる場所。
神聖な場所で、逢いましょうーーー…?
もう何枚脱いだか分からないけどさ、一応はまだこの国に仕えても良いと思っている。花を知る私たちが疑われることも含めて、白帝には死なれちゃ困るのよね。
「先ほども言ってましたけど、解決出来るんですか?」
「ロベルト様、私に喧嘩売ってるんですか?」
「自信過剰なのも問題ですよ?」
それ、此処に来たときも言われたっけな。本当に嫌味ったらしい人だったけど、ちょっとだけ柔らかくなったよなあ。あれ?それを言ったのマリベル様だったけ?
どちらにせよ、言われたのに代わりはない。
「自信過剰なんじゃないですよ。事実、私にはチカラがあるもの」
「チカラか。お前は、チカラに溺れそうなタイプだな」
「いいえ、溺れやしません。だって、私はチカラに溺れて滅んだ人を何人も見てきたんですよ。哀れで愚かだった。あんな晒し者になんかなりたくない」
シヴァ様に笑って、私はこれからの計画を口にした。シバルヴァはワクチンも何もない。死を待つことすら出来ないものだから、これしか手立てはない。
「…正気ですか?」
「バカかい?」
「阿呆だろ」
三者三様の罵倒をありがとうございます。まあ常識ある人なら、そんな反応するよね。非常識なことを私はしようとしている。
私だから出来ることじゃないんだけどさ、私の血だから出来ること、なんだよね。だからお兄ちゃんや双子たちでも出来る。
命の保証は出来ないのがイタイけど。
ーー私たちは呪われた一族を母に持つ。
「神を降ろす、なんて」
「神の血を引くから出来ること。神の血を利用する」
桜咲は、その昔、神の恩恵を受け魔物に似た日本固有の存在を祓う一族だったという。しかし、異形の血を入れてしまった故に神の怒りを買い、呪われてしまったのだという。
それを逆手に取る。神の恩恵を受けていたなら、神降ろしだってしていた筈だ。知識だけは無駄にある。一か八かでやるしかない。
「一族は、神の怒りを買ったことがあるんです。だから、恐るるに足りぬこと」
「いや、だからって。君の世界に居た神々とは違うんだよ?」
「それが何だと言うんですか?此処で死なれるには惜しいんです」
「死なれるには惜しいって。やっぱり敬う気はないみたいだね」
死んだらお兄ちゃんや私たちが疑われる。死んだら、双子を守ってもらえない。白帝の存在があるから、双子は静かに暮らせている。それをみすみす死なせるなんて、ありえないことだ。
此処に来た当初はマリベル様、今みたいに砕けた喋り方だったよなあ。違うことを考えたけど、それも一瞬ばかりのこと。
「明日は満月でしたね、明日決行しましょう」
「明日、それまで体力は保つか?」
「保つ。決行する場所は、蒼の離宮の地下」
神聖な泉で行いましょう。
もっとも神に近き場所。
もっとも神を強く感じる場所。
神聖な場所で、逢いましょうーーー…?
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