異世界に喚ばれたので、異世界で住みます。
68.失踪
近衛筆頭の失踪は城内に衝撃をもたらした。近衛筆頭の行方は誰も知らされておらず、城下に居る恋人も召集されたが行方は分からないままだった。
ちなみに、私はこんな状況でお兄ちゃんの恋人とハジメマシテをした。真の強そうな女性と少女の狭間のような方で、別嬪さんだった。うん、ドラゴン特有の綺麗さだ。まさか、お兄ちゃんの恋人がドラゴンとはねえ。いや、異種間だからって差別心はないけど。
失踪してから一週間が経過した。何も掴めていないまま、時間だけが流れていく。けど、私は何事もなく過ごしている。私の周りがドタバタと忙しなく過ごしているだけで、私からすればあの兄のことだから、野垂れ死になんてしないことを知っているし、失踪に似たようなことは過去に何度もしているのだ。
「イオリ?」
「でもまあ、雲隠れされたら厄介だなあ」
「雲隠れ?」
「風の精霊だって答えてくれないし、」
ジェラール団長の執務室に私は居た。魔術師団長であるマリベル様も居て、黒翼の近衛筆頭の失踪は、かなりの大事だと推測できた…。まあ私には、その大事さが理解できないけど。どうにも出来ない沈黙が部屋を支配する。
「ーージェラール団長、失礼します‼」
「なんだ、騒々しい」
ノックもなく思い切り開かれた扉から、騎士が飛び込んできた。騒々しいどころじゃなかった。騎士は汗だくで、息もきれきれ。全力で走ってきたんだろう。
「たった今、近衛筆頭の剣が見つかったと、速報が入りました‼」
「なんだと⁉それで近衛筆頭は居たのか⁉」
「それが近衛筆頭は見つかりませんでしたが、その、血が…」
絶望にも似た雰囲気が広がった。ふむ、愛剣が見つかったか。血はどうだって良い。仮にも戦場を駆けずり回った軍人で、今は自力で登り詰めた近衛筆頭だ。早々死ぬようなバカではない。
「その剣、今は何処にあります?」
「え、あ、もうすぐ探索部隊と一緒に鍛練場の方に…」
「じゃあ、今からそっち行きましょか」
ちなみに、私はこんな状況でお兄ちゃんの恋人とハジメマシテをした。真の強そうな女性と少女の狭間のような方で、別嬪さんだった。うん、ドラゴン特有の綺麗さだ。まさか、お兄ちゃんの恋人がドラゴンとはねえ。いや、異種間だからって差別心はないけど。
失踪してから一週間が経過した。何も掴めていないまま、時間だけが流れていく。けど、私は何事もなく過ごしている。私の周りがドタバタと忙しなく過ごしているだけで、私からすればあの兄のことだから、野垂れ死になんてしないことを知っているし、失踪に似たようなことは過去に何度もしているのだ。
「イオリ?」
「でもまあ、雲隠れされたら厄介だなあ」
「雲隠れ?」
「風の精霊だって答えてくれないし、」
ジェラール団長の執務室に私は居た。魔術師団長であるマリベル様も居て、黒翼の近衛筆頭の失踪は、かなりの大事だと推測できた…。まあ私には、その大事さが理解できないけど。どうにも出来ない沈黙が部屋を支配する。
「ーージェラール団長、失礼します‼」
「なんだ、騒々しい」
ノックもなく思い切り開かれた扉から、騎士が飛び込んできた。騒々しいどころじゃなかった。騎士は汗だくで、息もきれきれ。全力で走ってきたんだろう。
「たった今、近衛筆頭の剣が見つかったと、速報が入りました‼」
「なんだと⁉それで近衛筆頭は居たのか⁉」
「それが近衛筆頭は見つかりませんでしたが、その、血が…」
絶望にも似た雰囲気が広がった。ふむ、愛剣が見つかったか。血はどうだって良い。仮にも戦場を駆けずり回った軍人で、今は自力で登り詰めた近衛筆頭だ。早々死ぬようなバカではない。
「その剣、今は何処にあります?」
「え、あ、もうすぐ探索部隊と一緒に鍛練場の方に…」
「じゃあ、今からそっち行きましょか」
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