異世界に喚ばれたので、異世界で住みます。
51.高確率の不運とか
その翌日、隣国の辺境の地にある別荘に追放されたマリアナ・アーロミスは死体となって発見された。その別荘に居た騎士や侍女も死んでいたという。
「――で、真っ先に疑われるのね。解せぬわ」
「いやまあ、表向きはそうしろと」
「表向きも何も、どっちにしろ私を疑っているくせに。私、何をしたというんでしょう?謀反者を捕まえただけで、双帝の逆麟に触れた?」
「まあ、うん、そうだろうな」
はい、騎士団所有の取調室でジェラール団長に取調べとやらを受けています。苦虫を噛み潰したような顔をして、ふくれっ面の私の正面に座っている。朝早く、火急の知らせとして届いた一報は黒帝を絶望のどん底へ送り込み、白帝を忙殺せんと襲いかかってきた。
与えられていた部屋で寝ていた私を叩き起こしたのはマリベル様とルシエラ様。逃げなさいと言われるも、駆けつけてきた白帝とジェラール団長に捕獲された。回らない頭で分かったのは、ヤバイ状況だということだ。そして、今に至る。
「そうねぇ、私の人生は私のもの。私が何をしようが、他人には関係ないわよね」
「待ってくれ、頼むから余計な事をするな」
「余計なこと?私には大事なことですよ。双子はルシエラ様たちが居るし、兄は兄で自分の仲間をたくさん作っている。残された私は1人だ。何も思い残すことなんてないかなあ」
「イオリ!!」
「脱国するわ」
「…止めてくれ!思い留まってくれ!!お前ほどの実力者を外に出すのは怖い!」
ジェラール団長は、立ち上がった私の腕を思いっきり掴んだ。逃がすつもりは毛頭ないらしい。いやしかし、本音が駄々漏れである。逃げる算段をつけておかないとな。ジェラール団長は眼前に居るし、それから部屋の前に騎士がずらっと並んでいるから、えーっと両壁2×片壁10人でざっと20人が待機中っと。ふむ、逃げるには骨が折れそうな……こともないか。
「だってさあ、もう双帝に睨まれてるんだから此処に居るのも厳しいじゃないですか。面倒臭い話、謹慎中だとか言われるし。もう仕える気なんてさらさらないのになあ」
「イオリ、ほんっとお願い。此処に居てくれ」
「オジサンにそんな懇願されても、私の心動かない。あ、でも逃げると私が殺したってことにされるのか。それは癪だな」
「そうだろ!?」
「そんな嬉しそうな顔をされると、やっぱり逃げたくなる」
どうするべきか。なるようになれが基本モットーだけど、下手すりゃ殺されそうな予感がする。それだけは本当に嫌だ。双子が立派になるまでは生きていたいし、お兄ちゃんの花嫁様をまだ見てもない。未練たらたらのまま死ぬのはやだ。
「――ここから出る方法は、1つだけある」
「えー?なんか嫌な予感」
「白帝の妃になれば良い」
「それみたことか!!嫌だ!!そんな方法で出たくない!しつこいなアイツ!今度は妃って、お前アホだろ!!」
うわぁぁぁぁぁあああ!!と頭を抱えて叫んだ私を見て、ジェラール団長は憐れむような目で見て来た。この人、コロコロ表情が変わるな。良いのだろうか、騎士団長がそんな分かり易さで。それは兎も角、白帝のしつこさ、どうにかならんものか。
「…双帝だから。白帝も双帝だから。口を慎め、な?」
「もう無理っしょ。敬うとか無理っしょ」
白帝、ヤンデレの一片を見せ始めたゾ…。汚名も全部取っ払ってあげるから、僕の妻になりなよ。ってか。死んでも嫌だし、そもそも汚名とかねーよ。お前等が勝手に言ってるだけだから。私、なにも後悔してないから。
「――で、真っ先に疑われるのね。解せぬわ」
「いやまあ、表向きはそうしろと」
「表向きも何も、どっちにしろ私を疑っているくせに。私、何をしたというんでしょう?謀反者を捕まえただけで、双帝の逆麟に触れた?」
「まあ、うん、そうだろうな」
はい、騎士団所有の取調室でジェラール団長に取調べとやらを受けています。苦虫を噛み潰したような顔をして、ふくれっ面の私の正面に座っている。朝早く、火急の知らせとして届いた一報は黒帝を絶望のどん底へ送り込み、白帝を忙殺せんと襲いかかってきた。
与えられていた部屋で寝ていた私を叩き起こしたのはマリベル様とルシエラ様。逃げなさいと言われるも、駆けつけてきた白帝とジェラール団長に捕獲された。回らない頭で分かったのは、ヤバイ状況だということだ。そして、今に至る。
「そうねぇ、私の人生は私のもの。私が何をしようが、他人には関係ないわよね」
「待ってくれ、頼むから余計な事をするな」
「余計なこと?私には大事なことですよ。双子はルシエラ様たちが居るし、兄は兄で自分の仲間をたくさん作っている。残された私は1人だ。何も思い残すことなんてないかなあ」
「イオリ!!」
「脱国するわ」
「…止めてくれ!思い留まってくれ!!お前ほどの実力者を外に出すのは怖い!」
ジェラール団長は、立ち上がった私の腕を思いっきり掴んだ。逃がすつもりは毛頭ないらしい。いやしかし、本音が駄々漏れである。逃げる算段をつけておかないとな。ジェラール団長は眼前に居るし、それから部屋の前に騎士がずらっと並んでいるから、えーっと両壁2×片壁10人でざっと20人が待機中っと。ふむ、逃げるには骨が折れそうな……こともないか。
「だってさあ、もう双帝に睨まれてるんだから此処に居るのも厳しいじゃないですか。面倒臭い話、謹慎中だとか言われるし。もう仕える気なんてさらさらないのになあ」
「イオリ、ほんっとお願い。此処に居てくれ」
「オジサンにそんな懇願されても、私の心動かない。あ、でも逃げると私が殺したってことにされるのか。それは癪だな」
「そうだろ!?」
「そんな嬉しそうな顔をされると、やっぱり逃げたくなる」
どうするべきか。なるようになれが基本モットーだけど、下手すりゃ殺されそうな予感がする。それだけは本当に嫌だ。双子が立派になるまでは生きていたいし、お兄ちゃんの花嫁様をまだ見てもない。未練たらたらのまま死ぬのはやだ。
「――ここから出る方法は、1つだけある」
「えー?なんか嫌な予感」
「白帝の妃になれば良い」
「それみたことか!!嫌だ!!そんな方法で出たくない!しつこいなアイツ!今度は妃って、お前アホだろ!!」
うわぁぁぁぁぁあああ!!と頭を抱えて叫んだ私を見て、ジェラール団長は憐れむような目で見て来た。この人、コロコロ表情が変わるな。良いのだろうか、騎士団長がそんな分かり易さで。それは兎も角、白帝のしつこさ、どうにかならんものか。
「…双帝だから。白帝も双帝だから。口を慎め、な?」
「もう無理っしょ。敬うとか無理っしょ」
白帝、ヤンデレの一片を見せ始めたゾ…。汚名も全部取っ払ってあげるから、僕の妻になりなよ。ってか。死んでも嫌だし、そもそも汚名とかねーよ。お前等が勝手に言ってるだけだから。私、なにも後悔してないから。
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