異世界に喚ばれたので、異世界で住みます。
05.金目と銀目
「金目と銀目・・・?」
「まるで、継承の儀のようでしたわね」
呆然と呟いた白帝とルシエラ様。そして、ノルエルハことエルは私たちを見てハッと息を呑んだ。驚きと悲しみ。けれど、歓びも混じっているのが分かった。
「そっくりだよ、2人とも!!兄上にそっくりだ!!」
「「それかい」」
思わず突っ込んだが、お兄ちゃんを見やれば銀目に。お兄ちゃんの銀目に映る自身を見れば金目に。確かにそっくりだ。うん、間違いない私もお兄ちゃんもお父さん似だ。
「イオ…?え、イオ?」
「はぁい?」
「どうして、その目を」
「いざとなったら、兄とって教わってたんです。こっちが本当だけど秘密だよって」
バレたら大事になるからねぇ、と凛々しい美丈夫だったのにやけにのんびりとした声音で父は言ったのだ。彼は知っていたのだろうか。こうなることを。私とお兄ちゃん、それから生まれてくることも分からなかった弟妹の為が、この世界に来ることを。
だとすれば、教えてほしかったなあ。
「シヴァ様、こんな私でも傍仕えは出来ますか?」
「え?あ、うん。寧ろ良い。シキもな」
「――皇族の証である金目と銀目を分かち合った兄妹と、帰り人ノルエルハ大叔父上の子で愛し子の兄妹。凄い運命だ」
「なんだか良いこと尽くしですね」
「さぁ?良いことばかりだと思うかい?これでジジイ共が煩くなって来る。一掃する機会をくれたと思うべきなんだろうけど、今は国境周辺も危うげだ」
「…僕の砦は僕が守って見せるし、この子たちがこの国に居るなら僕は全力を尽くすよ」
「ノルエルハ様が仰るなら、ノルエルハ様の仰せのままに。けれど、後程お話しいたしましょうね。御子が居たなど初耳ですのよ」
「うん、ちゃんと話すよ。君に黙ってたこと、全部ね」
随分と惚れてんなー、とか思いながらエルとリーリン様を見ているとシエルとセリカが私たちを見上げてきた。どうするの?とでも灰色の瞳が言いたげで。
「シエル、セリカ。お前たちは此処で住むから離れ離れになることは無いよ。シキも今まで通り勤めてくれたらいい、もちろんイオリもね」
「御意」
「仰せのままに」
基本、こういう場では白帝が決定権を持つ。黒帝のシヴァ様は戦専門だからねぇ。私もたまに着いて行くし。いや、同行させられるんだけどね。
「では、これからのんびりお茶会を再開しましょうか」
「そうだね。久しぶりのお茶会だし」
良いのか。仕事は良いのか。此処に集まってから、結構な時間が流れたと思うんだけれど。ちらりとお兄ちゃんを見たら、何事もないように座ったから良いんだろう。
お茶会、楽しかったのは言うまでもない。
「まるで、継承の儀のようでしたわね」
呆然と呟いた白帝とルシエラ様。そして、ノルエルハことエルは私たちを見てハッと息を呑んだ。驚きと悲しみ。けれど、歓びも混じっているのが分かった。
「そっくりだよ、2人とも!!兄上にそっくりだ!!」
「「それかい」」
思わず突っ込んだが、お兄ちゃんを見やれば銀目に。お兄ちゃんの銀目に映る自身を見れば金目に。確かにそっくりだ。うん、間違いない私もお兄ちゃんもお父さん似だ。
「イオ…?え、イオ?」
「はぁい?」
「どうして、その目を」
「いざとなったら、兄とって教わってたんです。こっちが本当だけど秘密だよって」
バレたら大事になるからねぇ、と凛々しい美丈夫だったのにやけにのんびりとした声音で父は言ったのだ。彼は知っていたのだろうか。こうなることを。私とお兄ちゃん、それから生まれてくることも分からなかった弟妹の為が、この世界に来ることを。
だとすれば、教えてほしかったなあ。
「シヴァ様、こんな私でも傍仕えは出来ますか?」
「え?あ、うん。寧ろ良い。シキもな」
「――皇族の証である金目と銀目を分かち合った兄妹と、帰り人ノルエルハ大叔父上の子で愛し子の兄妹。凄い運命だ」
「なんだか良いこと尽くしですね」
「さぁ?良いことばかりだと思うかい?これでジジイ共が煩くなって来る。一掃する機会をくれたと思うべきなんだろうけど、今は国境周辺も危うげだ」
「…僕の砦は僕が守って見せるし、この子たちがこの国に居るなら僕は全力を尽くすよ」
「ノルエルハ様が仰るなら、ノルエルハ様の仰せのままに。けれど、後程お話しいたしましょうね。御子が居たなど初耳ですのよ」
「うん、ちゃんと話すよ。君に黙ってたこと、全部ね」
随分と惚れてんなー、とか思いながらエルとリーリン様を見ているとシエルとセリカが私たちを見上げてきた。どうするの?とでも灰色の瞳が言いたげで。
「シエル、セリカ。お前たちは此処で住むから離れ離れになることは無いよ。シキも今まで通り勤めてくれたらいい、もちろんイオリもね」
「御意」
「仰せのままに」
基本、こういう場では白帝が決定権を持つ。黒帝のシヴァ様は戦専門だからねぇ。私もたまに着いて行くし。いや、同行させられるんだけどね。
「では、これからのんびりお茶会を再開しましょうか」
「そうだね。久しぶりのお茶会だし」
良いのか。仕事は良いのか。此処に集まってから、結構な時間が流れたと思うんだけれど。ちらりとお兄ちゃんを見たら、何事もないように座ったから良いんだろう。
お茶会、楽しかったのは言うまでもない。
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