Pessimist in love ~ありふれた恋でいいから~
恋は焦らずに (4)
カフェを出た後、前に髪飾りと化粧品を買ってもらった百貨店に足を運んだ。
また恵介と手を繋いで歩けるのが嬉しい。
前にここに来た時は、恵介は私なんかと一緒にいるところを知り合いに見られても大丈夫なのかと悩んだり、恵介の周りには綺麗な人がたくさんいるんだと落ち込んだりした。
だけど今はあの時とは違う。
身代わりなんかじゃなくて、ちゃんとした恋人同士になったんだもんね。
もし恵介の知り合いに会っても、下を向いてコソコソせず、顔を上げて胸を張っていよう。
ジュエリーショップの前を通り掛かった時、恵介が足を止めて指輪のショーケースを指差した。
「ペアリングなんかどう?」
付き合い始めたところなのに、指輪はまだ早過ぎるな。
職業柄なのか、指輪を贈られるって、すごい意味のあることだと思う。
そういう特別な意味のあるものは、もう少し時間をかけて確かな関係を築き上げてからでも遅くない。
「指輪はまだいい」
「なんで?俺は幸とおそろいの指輪欲しいけど」
「指輪は特別なの」
私がそう答えると、恵介は腕組みをして何か考えている。
指輪以外なら何がいいか考えているのかな。
「ふーん……。だったら尚更欲しくなるな。幸にとって特別なら、やっぱり指輪がいい。よし、そうしよう」
「えぇっ……」
有無を言わさず手を引かれ、ジュエリーショップの中へと連れて行かれた。
かなり強引だ。
「恵介、私が言ったこと聞いてた?」
「聞いてたよ。指輪は特別なんだろ?」
「そうだよ。だからまだいいって……」
「前にも言ったけど、俺は独占欲が強いの。俺だけの幸だって、他の人にもわかるように指輪がいい」
そんなアピールしなくても、私はモテませんけど。
ん……?いや、待てよ。
私はモテないけれど、恵介はモテる。
むしろ『誰にも取られないように、私と同じ指輪をしていて下さい』と言わなきゃいけないのは私の方?!
だけどそれじゃ、指輪が虫除けみたいになってしまう。
いやいや、指輪ってもっと神聖なものじゃないの?
私の中で激しい葛藤が起こる。
恵介はそんな私を見て小さく笑った。
「付き合い始めたところだから、今日は少しカジュアルでリーズナブルなやつにしよう。心配しなくても、結婚指輪はちゃんとしたの買うから」
「……けっ……こん……?!」
結婚指輪って……!!
なんか今、びっくりするくらいサラッとすごいこと言われた……!!
「俺は最初からそのつもり。最後まで責任持つって、俺言ったよね?」
「最後って……そこ?」
「当然」
恵介はいわゆる『ドヤ顔』というやつで、得意気にそう答えた。
確かにあの時恵介はそう言ったし、お酒の勢いでセックスまでしちゃったけど、初めて二人で会ってお酒を飲んだ日に、普通はそこまで考えないでしょ?!
私の頭では恵介の考えの速さについていけない。
恵介はショーケースの前で私を軽く抱き寄せ、耳元に唇を近付けた。
「もちろん幸が俺と結婚したくなるまで待つつもり。でも早い方がいいな。結婚したら毎日一緒にいられるし、幸を独り占めできるから」
やっぱり恵介って激甘だ……。
あまりの照れくささで顔がみるみる熱くなっていく。
店員が近付いてきて、「今日はどのようなものをお探しですか」と恵介に尋ねた。
恵介は当たり前のように、「ペアリングです」と答えた。
ああ、ホントにもう……。
恵介の押しの強さには敵わない。
ペアリングなんてしていなくたって、心も体も何もかも、私のすべてを独占しているのは恵介なのに。
だけどやっぱりそんな風に強く想われることは嬉しいから、ここは恵介の言う通りにしておこう。
また恵介と手を繋いで歩けるのが嬉しい。
前にここに来た時は、恵介は私なんかと一緒にいるところを知り合いに見られても大丈夫なのかと悩んだり、恵介の周りには綺麗な人がたくさんいるんだと落ち込んだりした。
だけど今はあの時とは違う。
身代わりなんかじゃなくて、ちゃんとした恋人同士になったんだもんね。
もし恵介の知り合いに会っても、下を向いてコソコソせず、顔を上げて胸を張っていよう。
ジュエリーショップの前を通り掛かった時、恵介が足を止めて指輪のショーケースを指差した。
「ペアリングなんかどう?」
付き合い始めたところなのに、指輪はまだ早過ぎるな。
職業柄なのか、指輪を贈られるって、すごい意味のあることだと思う。
そういう特別な意味のあるものは、もう少し時間をかけて確かな関係を築き上げてからでも遅くない。
「指輪はまだいい」
「なんで?俺は幸とおそろいの指輪欲しいけど」
「指輪は特別なの」
私がそう答えると、恵介は腕組みをして何か考えている。
指輪以外なら何がいいか考えているのかな。
「ふーん……。だったら尚更欲しくなるな。幸にとって特別なら、やっぱり指輪がいい。よし、そうしよう」
「えぇっ……」
有無を言わさず手を引かれ、ジュエリーショップの中へと連れて行かれた。
かなり強引だ。
「恵介、私が言ったこと聞いてた?」
「聞いてたよ。指輪は特別なんだろ?」
「そうだよ。だからまだいいって……」
「前にも言ったけど、俺は独占欲が強いの。俺だけの幸だって、他の人にもわかるように指輪がいい」
そんなアピールしなくても、私はモテませんけど。
ん……?いや、待てよ。
私はモテないけれど、恵介はモテる。
むしろ『誰にも取られないように、私と同じ指輪をしていて下さい』と言わなきゃいけないのは私の方?!
だけどそれじゃ、指輪が虫除けみたいになってしまう。
いやいや、指輪ってもっと神聖なものじゃないの?
私の中で激しい葛藤が起こる。
恵介はそんな私を見て小さく笑った。
「付き合い始めたところだから、今日は少しカジュアルでリーズナブルなやつにしよう。心配しなくても、結婚指輪はちゃんとしたの買うから」
「……けっ……こん……?!」
結婚指輪って……!!
なんか今、びっくりするくらいサラッとすごいこと言われた……!!
「俺は最初からそのつもり。最後まで責任持つって、俺言ったよね?」
「最後って……そこ?」
「当然」
恵介はいわゆる『ドヤ顔』というやつで、得意気にそう答えた。
確かにあの時恵介はそう言ったし、お酒の勢いでセックスまでしちゃったけど、初めて二人で会ってお酒を飲んだ日に、普通はそこまで考えないでしょ?!
私の頭では恵介の考えの速さについていけない。
恵介はショーケースの前で私を軽く抱き寄せ、耳元に唇を近付けた。
「もちろん幸が俺と結婚したくなるまで待つつもり。でも早い方がいいな。結婚したら毎日一緒にいられるし、幸を独り占めできるから」
やっぱり恵介って激甘だ……。
あまりの照れくささで顔がみるみる熱くなっていく。
店員が近付いてきて、「今日はどのようなものをお探しですか」と恵介に尋ねた。
恵介は当たり前のように、「ペアリングです」と答えた。
ああ、ホントにもう……。
恵介の押しの強さには敵わない。
ペアリングなんてしていなくたって、心も体も何もかも、私のすべてを独占しているのは恵介なのに。
だけどやっぱりそんな風に強く想われることは嬉しいから、ここは恵介の言う通りにしておこう。
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