Pessimist in love ~ありふれた恋でいいから~
忘れられない (1)
「幸……おい、幸!」
恵介のことを考えながら歩いていると、秋一に肩を掴まれた。
「どうした?さっきから話し掛けても聞こえてないみたいだし……調子でも悪いのか?」
そんなにぼんやりしてたんだ、私。
秋一に失礼なことをしてしまった。
「ごめん、大丈夫。ちょっと考え事してた」
「ならいいけど……。で、どうする?たまには少しおしゃれな店にでも行ってみるか?」
お昼が遅かったのでお腹は空いていないし、今は気分的にも食事なんてできそうにない。
「じつはお昼御飯が遅かったから、まだあまりお腹空いてないんだ。軽いものがある店がいい」
「じゃあ少し酒でも飲むか。居酒屋でいい?」
「うん」
近くの居酒屋に入り、料理を適当につまみながらビールを飲んだ。
秋一は本社に戻ってもやはり出張が多いらしい。
最近ようやく職場の人たち全員の顔と名前を覚えたそうだ。
私もブライダルシーズンでずっと忙しかったことを話した。
「結婚式の準備って、やっぱり大変なのかな?よく雑誌とかで見るじゃん。準備期間にもめたとか」
「まぁ……なくはないよ。それをいかにうまくまとめるかが私たちの仕事」
「なるほど。幸も頑張ってんだな」
いつもはどうでもいい世間話をすることが多いのに、今日の秋一は興味津々な様子で結婚式についていろいろ尋ねてきた。
一般的に同世代のサラリーマンの平均的な結婚式の規模はどれくらいかとか、それだと資金はどれくらい必要なのかとか、準備期間はどれくらいかかるものだろうとか。
男の人にしては珍しく、結婚願望が強いのかな?
独身の男同士ではあまりこういう話はできないのかも。
「やけに結婚に興味があるんだね。結婚考えてる人でもいるの?」
枝豆をつまみながらなんとなく尋ねると、秋一は少し赤い顔をしてビールを一気に飲み干した。
「考えてると言うか……結婚したいと思う人がいる」
2か月前には彼女が欲しいなんて言っていたのに、もう結婚したいと思うような人が見つかったんだ。
だから結婚についてあれこれ聞きたくて、何度も私を食事に誘ったんだな。
どうせなら私よりその子を誘えばいいのに。
「へぇ……そうなんだ。その人と付き合ってるの?もしかしてもうプロポーズしたとか?」
「いや……プロポーズどころか、まだ告白もしてない」
「えっ、それなのにもう結婚のこと考えてるの?!ずいぶん気が早いんだね」
枝豆の殻を殻入れの皿に乗せて、おしぼりで手を拭いた。
秋一は店員を呼び止めてビールのおかわりを注文した。
そして運ばれてきたビールを受け取るとまた勢いよくビールを煽り、思いきったように口を開いた。
「あのさ。俺、結婚……したいんだ」
「うん、でもまずは告白しないとね」
「幸が好きです。結婚してください」
は……?結婚……?私と?!
秋一が結婚したい相手って……私?!
やっと秋一の言葉の意味がわかって、頭の中がパニックを起こした。
「えっ?!ちょっと待って、いきなり結婚って……一体なんの冗談?!」
「冗談じゃなくて本気だよ。俺は幸が好きだから結婚したい」
秋一が冗談を言っているとは思えない。
くそ真面目な顔をして、私の目をまっすぐに見つめている。
「どうせ結婚するなら、結婚前提に付き合うより早く結婚したいんだ。だから結婚しよう」
「いや……いきなりそんなこと言われても……」
付き合っているわけでもないし、そんなこと突然言われても『ハイわかりました』と簡単に返事ができるわけがない。
秋一の勇み足はひどすぎる。
『位置について』の掛け声も聞かないうちにスタートダッシュしているようなものだ。
恵介のことを考えながら歩いていると、秋一に肩を掴まれた。
「どうした?さっきから話し掛けても聞こえてないみたいだし……調子でも悪いのか?」
そんなにぼんやりしてたんだ、私。
秋一に失礼なことをしてしまった。
「ごめん、大丈夫。ちょっと考え事してた」
「ならいいけど……。で、どうする?たまには少しおしゃれな店にでも行ってみるか?」
お昼が遅かったのでお腹は空いていないし、今は気分的にも食事なんてできそうにない。
「じつはお昼御飯が遅かったから、まだあまりお腹空いてないんだ。軽いものがある店がいい」
「じゃあ少し酒でも飲むか。居酒屋でいい?」
「うん」
近くの居酒屋に入り、料理を適当につまみながらビールを飲んだ。
秋一は本社に戻ってもやはり出張が多いらしい。
最近ようやく職場の人たち全員の顔と名前を覚えたそうだ。
私もブライダルシーズンでずっと忙しかったことを話した。
「結婚式の準備って、やっぱり大変なのかな?よく雑誌とかで見るじゃん。準備期間にもめたとか」
「まぁ……なくはないよ。それをいかにうまくまとめるかが私たちの仕事」
「なるほど。幸も頑張ってんだな」
いつもはどうでもいい世間話をすることが多いのに、今日の秋一は興味津々な様子で結婚式についていろいろ尋ねてきた。
一般的に同世代のサラリーマンの平均的な結婚式の規模はどれくらいかとか、それだと資金はどれくらい必要なのかとか、準備期間はどれくらいかかるものだろうとか。
男の人にしては珍しく、結婚願望が強いのかな?
独身の男同士ではあまりこういう話はできないのかも。
「やけに結婚に興味があるんだね。結婚考えてる人でもいるの?」
枝豆をつまみながらなんとなく尋ねると、秋一は少し赤い顔をしてビールを一気に飲み干した。
「考えてると言うか……結婚したいと思う人がいる」
2か月前には彼女が欲しいなんて言っていたのに、もう結婚したいと思うような人が見つかったんだ。
だから結婚についてあれこれ聞きたくて、何度も私を食事に誘ったんだな。
どうせなら私よりその子を誘えばいいのに。
「へぇ……そうなんだ。その人と付き合ってるの?もしかしてもうプロポーズしたとか?」
「いや……プロポーズどころか、まだ告白もしてない」
「えっ、それなのにもう結婚のこと考えてるの?!ずいぶん気が早いんだね」
枝豆の殻を殻入れの皿に乗せて、おしぼりで手を拭いた。
秋一は店員を呼び止めてビールのおかわりを注文した。
そして運ばれてきたビールを受け取るとまた勢いよくビールを煽り、思いきったように口を開いた。
「あのさ。俺、結婚……したいんだ」
「うん、でもまずは告白しないとね」
「幸が好きです。結婚してください」
は……?結婚……?私と?!
秋一が結婚したい相手って……私?!
やっと秋一の言葉の意味がわかって、頭の中がパニックを起こした。
「えっ?!ちょっと待って、いきなり結婚って……一体なんの冗談?!」
「冗談じゃなくて本気だよ。俺は幸が好きだから結婚したい」
秋一が冗談を言っているとは思えない。
くそ真面目な顔をして、私の目をまっすぐに見つめている。
「どうせ結婚するなら、結婚前提に付き合うより早く結婚したいんだ。だから結婚しよう」
「いや……いきなりそんなこと言われても……」
付き合っているわけでもないし、そんなこと突然言われても『ハイわかりました』と簡単に返事ができるわけがない。
秋一の勇み足はひどすぎる。
『位置について』の掛け声も聞かないうちにスタートダッシュしているようなものだ。
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