Pessimist in love ~ありふれた恋でいいから~
心残りと彼女の告白 (4)
「だから、もう幸とは会わないって約束させて、私と結婚したら全部許すって言ったの。夏樹だって奥さんにするなら家事とか何もできない私より、しっかりしててなんでもできる幸の方がいいと思ってるのはわかってたんだけど、どうしても夏樹を幸に取られたくなかったから」
夏樹はただ世話焼きなだけの私を奥さんにしたいなんて思っていなかっただろうけど、美人でモテる琴音でも、そんな風に自信のない弱気なところもあるのだと初めて知った。
「幸にも夏樹は私のものだってわかって欲しくて、挙式の担当してって頼んだ。幸が夏樹を好きなのわかってたのに、ごめんね」
「うん、そっか……」
琴音も夏樹と私の関係を知って苦しんだんだな。
それでも一緒になりたいと思うくらい、琴音は夏樹が好きだったんだ。
最後に夏樹が私の部屋に来た夜のことは、琴音には言わないでおこう。
「なんか……それ聞いてスッキリした」
「怒ってないの?」
「そういうのはもう通り越したよ。夏樹は琴音が好きだから結婚したんでしょ。私には好きとか付き合おうとか、一度も言ってくれなかったもん。私が担当したんだし、二人が幸せなら、もうそれで言うことないよ」
やっと肩の荷が降りたと言うか、琴音が全部話してくれたおかげで、ようやく夏樹の呪縛から解き放たれた気がする。
不思議な話だけど、私が思っていたよりずっと、琴音が夏樹を好きなんだとわかって良かったと思うし、安心もした。
「私は何も知らなかったから、琴音は恵介さんと付き合ってると思ってたんだけど……」
「えっ?私が恵介と?!」
琴音は驚いた顔をした後、急に笑い始めた。
「それは有り得ないよ、幸」
「なんで?7年近くも付き合ってたって聞いたんだけど……」
琴音はお腹を抱えて涙を流して笑っている。
なんでそんなに笑ってるの?
付き合ってたと思ってたのは恵介だけってこと?
それはそれで笑えないよ!!
「恵介とは付き合わないし、付き合えないよ」
「えっ??」
どういうこと?!
何がなんだか、さっぱりわけがわからない。
「確かに、就職して実家を出てから7年近く、いろいろ面倒掛けたけど……。聞いたってことは、それ恵介から聞いたんだよね?」
「うん」
私と恵介が付き合っていたことは伏せて、琴音たちの結婚式の2日後に、恵介が心配してサロンに来たことだけを話した。
琴音はそれを聞いて妙に納得した顔をした。
「ホントにバカだなぁ、恵介は」
「あの……全然わからないから、ちゃんと説明してくれる?」
「なんでそんな嘘ついたんだろうね?本人に聞いて確かめてみる?」
それができれば苦労はしない。
琴音が話してくれないと、私はきっとモヤモヤして眠れなくなる。
「4人で御飯食べた時、恵介は最初から呼ぶつもりだったんだけど、急に夏樹が来て気が動転してたから幸に言うの忘れてたかな?」
「だから……何を?」
言い忘れてたって……仲のいい友達だよとか、いろいろお世話になってるけど彼氏じゃないよとか?
気になってしょうがないから、笑ってないでいい加減ハッキリ教えてくれないかな。
琴音はカフェオレを一口飲んで、ニヤリと笑った。
「恵介と夏樹、大学時代からの友達なんだよ。同じカフェでバイトしてたんだって」
「えっ、そうなの?」
言い忘れてたってそれか!
まさかそこが繋がるとは!
「恵介が就職してしばらくは会ってなかったみたいだけど、3年くらい前に駅のそばの居酒屋で偶然会って、それからまた一緒に飲みに行ったりするようになったって」
恵介は夏樹と友達だなんて、私には一言も言わなかった。
なんで隠してたんだろう?
「2年くらい前に私が恵介の部屋に行ったら、たまたま夏樹が遊びに来てて、そこで私は夏樹と知り合ったんだ」
「友人を介して知り合ったって……それ?じゃあ、なんで結婚式に呼ばなかったの?って言うか、なんで恵介さんに黙って結婚したの?」
新郎新婦の共通の友人で、二人が結ばれるきっかけになった人なら尚更、結婚式に招待しないのはおかしい。
出席できないような、よほどの理由が恵介側にあったのかな?
夏樹はただ世話焼きなだけの私を奥さんにしたいなんて思っていなかっただろうけど、美人でモテる琴音でも、そんな風に自信のない弱気なところもあるのだと初めて知った。
「幸にも夏樹は私のものだってわかって欲しくて、挙式の担当してって頼んだ。幸が夏樹を好きなのわかってたのに、ごめんね」
「うん、そっか……」
琴音も夏樹と私の関係を知って苦しんだんだな。
それでも一緒になりたいと思うくらい、琴音は夏樹が好きだったんだ。
最後に夏樹が私の部屋に来た夜のことは、琴音には言わないでおこう。
「なんか……それ聞いてスッキリした」
「怒ってないの?」
「そういうのはもう通り越したよ。夏樹は琴音が好きだから結婚したんでしょ。私には好きとか付き合おうとか、一度も言ってくれなかったもん。私が担当したんだし、二人が幸せなら、もうそれで言うことないよ」
やっと肩の荷が降りたと言うか、琴音が全部話してくれたおかげで、ようやく夏樹の呪縛から解き放たれた気がする。
不思議な話だけど、私が思っていたよりずっと、琴音が夏樹を好きなんだとわかって良かったと思うし、安心もした。
「私は何も知らなかったから、琴音は恵介さんと付き合ってると思ってたんだけど……」
「えっ?私が恵介と?!」
琴音は驚いた顔をした後、急に笑い始めた。
「それは有り得ないよ、幸」
「なんで?7年近くも付き合ってたって聞いたんだけど……」
琴音はお腹を抱えて涙を流して笑っている。
なんでそんなに笑ってるの?
付き合ってたと思ってたのは恵介だけってこと?
それはそれで笑えないよ!!
「恵介とは付き合わないし、付き合えないよ」
「えっ??」
どういうこと?!
何がなんだか、さっぱりわけがわからない。
「確かに、就職して実家を出てから7年近く、いろいろ面倒掛けたけど……。聞いたってことは、それ恵介から聞いたんだよね?」
「うん」
私と恵介が付き合っていたことは伏せて、琴音たちの結婚式の2日後に、恵介が心配してサロンに来たことだけを話した。
琴音はそれを聞いて妙に納得した顔をした。
「ホントにバカだなぁ、恵介は」
「あの……全然わからないから、ちゃんと説明してくれる?」
「なんでそんな嘘ついたんだろうね?本人に聞いて確かめてみる?」
それができれば苦労はしない。
琴音が話してくれないと、私はきっとモヤモヤして眠れなくなる。
「4人で御飯食べた時、恵介は最初から呼ぶつもりだったんだけど、急に夏樹が来て気が動転してたから幸に言うの忘れてたかな?」
「だから……何を?」
言い忘れてたって……仲のいい友達だよとか、いろいろお世話になってるけど彼氏じゃないよとか?
気になってしょうがないから、笑ってないでいい加減ハッキリ教えてくれないかな。
琴音はカフェオレを一口飲んで、ニヤリと笑った。
「恵介と夏樹、大学時代からの友達なんだよ。同じカフェでバイトしてたんだって」
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言い忘れてたってそれか!
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「恵介が就職してしばらくは会ってなかったみたいだけど、3年くらい前に駅のそばの居酒屋で偶然会って、それからまた一緒に飲みに行ったりするようになったって」
恵介は夏樹と友達だなんて、私には一言も言わなかった。
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新郎新婦の共通の友人で、二人が結ばれるきっかけになった人なら尚更、結婚式に招待しないのはおかしい。
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