最強のカップルはただ単に楽しみたい ~最強(トール)と天魔(パートナー)の学園無双~
第一章 ~入学試験~ 23 二人への依頼内容
「それで学園長。結局のところ、俺たちはなんのために呼ばれたんだ?」
「そういえば、説明してなかったのう。……さっき、この学園は儂が楽しむために作ったという話はしたじゃろ?」
「ああ」
「……私は聞いた覚えがないんだけど」
「その時、ノイは学園長の正体について考え込んでたからな」
「なるほど。……話の腰を折って悪かったの。続きをどうぞ」
ノイは一度考え込むと周りが見えなくなるが、決してその自覚がないわけではない。自覚があろうが、その癖は変わらないのだが。
「うむ。それで、この学園を始めた当初は面白かったのじゃ。生徒たちは思考錯誤しながら、それぞれ個性豊かな成長を遂げておった。しかし最近は、卒業生たちが作ったノウハウに従うようになって、多様性が減ったんじゃ」
「つまり?」
「つまらん」
「なるほどなぁ……で、俺たちに何をしろと?」
「簡単なことじゃよ。この学園を面白いものに変えてくれ。方法は問わん」
その言葉を受けて、相馬はニヤリと笑った。それは、彼が心の底から喜んでいる時の笑い方だった。
「……俺たち好みの依頼だ。一応聞くが、ノイはどう思う?」
「当然受けるの」
「だよな……と、いうことだ。因みに代価はなんかあるのか?」
「ふーむ、そうじゃな……」
金では、彼らへの報酬にはなり得ない。であれば、何らかの品か情報がいいだろうと、ケイラ学園長は考える。
「……確かそちらのノイ殿は、特異物についての研究をしているんじゃったな。それでは、儂が集められる限りの特異物に関する情報、なんかはどうじゃ?」
「それ、それに決定。以後の変更は認めないの」
「……と、いうことじゃが?」
食い気味にそう言ったノイを見て、苦笑しながら相馬は答える。
「俺もそれでいい。ノイが喜んでくれるなら、文句はないさ」
「なるほどのう。ではまずは、この学園の中にある文書をかき集めるとしよう。……ところでじゃが」
「ん? なんだ?」
「基本的にこの学園の生徒は、寮に入ることになるのじゃが……入るか?」
その問いに対し、二人は顔を見合わせた後、息を合わせて答えた。
「「無論、入らん 」」
他の生徒たちが寮に入るのは、家から登校することが出来ないからだ。距離の破壊によって疑似的な瞬間移動を可能とし、なおかつ二人で自分の家にいる時間を安らぎとする二人が、寮なんかに入るわけがないのだ。
「ま、そうじゃよな……寮に入っていないことで特別扱いを受けていると思われ、疎まれる可能性があると言ってもか?」
「あのなー……そっちの方が面白くないか?」
「ふざけた奴らを叩き潰しながら、実力を少しずつ見せていく……とても楽しそうなの」
「……確かにそうじゃな」
そして三人は、とても似通った表情で笑いあった。
二人が入学した以上、学園の平穏はありえない。
ということで、「一章 ~入学試験~」は終了です。
あふれ出る主人公たちの悪役臭……いえ、なんでもありません。
この作品は、ここからが本番です。……多分。
ぜひ、今後も読んでいってください。
フォローといいねをよろしくお願いします。いいねは、面白いと思った話だけでいいので。
「そういえば、説明してなかったのう。……さっき、この学園は儂が楽しむために作ったという話はしたじゃろ?」
「ああ」
「……私は聞いた覚えがないんだけど」
「その時、ノイは学園長の正体について考え込んでたからな」
「なるほど。……話の腰を折って悪かったの。続きをどうぞ」
ノイは一度考え込むと周りが見えなくなるが、決してその自覚がないわけではない。自覚があろうが、その癖は変わらないのだが。
「うむ。それで、この学園を始めた当初は面白かったのじゃ。生徒たちは思考錯誤しながら、それぞれ個性豊かな成長を遂げておった。しかし最近は、卒業生たちが作ったノウハウに従うようになって、多様性が減ったんじゃ」
「つまり?」
「つまらん」
「なるほどなぁ……で、俺たちに何をしろと?」
「簡単なことじゃよ。この学園を面白いものに変えてくれ。方法は問わん」
その言葉を受けて、相馬はニヤリと笑った。それは、彼が心の底から喜んでいる時の笑い方だった。
「……俺たち好みの依頼だ。一応聞くが、ノイはどう思う?」
「当然受けるの」
「だよな……と、いうことだ。因みに代価はなんかあるのか?」
「ふーむ、そうじゃな……」
金では、彼らへの報酬にはなり得ない。であれば、何らかの品か情報がいいだろうと、ケイラ学園長は考える。
「……確かそちらのノイ殿は、特異物についての研究をしているんじゃったな。それでは、儂が集められる限りの特異物に関する情報、なんかはどうじゃ?」
「それ、それに決定。以後の変更は認めないの」
「……と、いうことじゃが?」
食い気味にそう言ったノイを見て、苦笑しながら相馬は答える。
「俺もそれでいい。ノイが喜んでくれるなら、文句はないさ」
「なるほどのう。ではまずは、この学園の中にある文書をかき集めるとしよう。……ところでじゃが」
「ん? なんだ?」
「基本的にこの学園の生徒は、寮に入ることになるのじゃが……入るか?」
その問いに対し、二人は顔を見合わせた後、息を合わせて答えた。
「「無論、入らん 」」
他の生徒たちが寮に入るのは、家から登校することが出来ないからだ。距離の破壊によって疑似的な瞬間移動を可能とし、なおかつ二人で自分の家にいる時間を安らぎとする二人が、寮なんかに入るわけがないのだ。
「ま、そうじゃよな……寮に入っていないことで特別扱いを受けていると思われ、疎まれる可能性があると言ってもか?」
「あのなー……そっちの方が面白くないか?」
「ふざけた奴らを叩き潰しながら、実力を少しずつ見せていく……とても楽しそうなの」
「……確かにそうじゃな」
そして三人は、とても似通った表情で笑いあった。
二人が入学した以上、学園の平穏はありえない。
ということで、「一章 ~入学試験~」は終了です。
あふれ出る主人公たちの悪役臭……いえ、なんでもありません。
この作品は、ここからが本番です。……多分。
ぜひ、今後も読んでいってください。
フォローといいねをよろしくお願いします。いいねは、面白いと思った話だけでいいので。
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