覚醒屋の源九郎 第一部

流川おるたな

Sランクスキル「無限覚醒」

「ちょっと説明させてね♡」
俺は最初に受けたパンチの痛みも忘れて、ミーコの一挙一動に全集中せざるを得ない状況に陥っていた。
「さっきの儀式は私と源九郎の絆を深める意味合いと、もう一つ重要な意味があってそれはぁ...ランダムで一つ特別なスキルを与えることが出来ちゃうってとこなんだよね〜」
なるほどなるほど、さっきのお調べタイムは俺が授かったスキルを識別するためのものだった訳だ。
「でねでね、神、天使、悪魔、妖怪、モンスター系なんかの全種族は、DからSの5段回でランク付けがあるんだけど、何を隠そう悲しいかなケット・シーはDランクなんだよね〜」
まぁ普通に考えてゼウスや天照あたりがSランクとするならば、ケット・シーがDランクなのは妥当か高評価だと思うのだが、敢えてここは言わずにおいてやろう。
「ケット・シーが人間に与えられるスキルは通常だとD、C、良くてもBランクなんだよね〜。でもでも源九郎に備わったスキルはなんとぉ!Sランクなのでーーーす!」
ミーコは俺の顔をビシッと指差し続ける、
「スキルの名は“無限覚醒”!本人はもちろん、他人や様々な生き物の能力を覚醒させることが可能な使いようによっては神の能力にも匹敵するスペシャルなスキルなのでーっす!」
ついさっきまで「人生も潮時だな」と思い込むほどドン底だった俺の心は、突然現れた猫娘に翻弄され、半信半疑ながら訳の分からない高揚感で満たされていた。

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