覚醒屋の源九郎 第一部

流川おるたな

ミーコ

 俺は土下座状態で放心し、鼻血をタラタラと垂れ流していた。
 ケット・シーのミーコとやらが更に続ける。
「う〜ん、もちろん勘違いされてるとは思うけれどもぉ、さっきのは儀式なんだからね〜」
 目視で姿を確認するため、鼻を押さえながら声のする方に顔を上げてみた。
 そこには定番の女神様ではなく、幼女...
例えるならFF9のエー○に近い様相を呈した少女が立っていた。ケット・シーと言っていたか、しっかり猫耳と尻尾も付いている。
「うんうん分かった分かった、つまりさっきの殺人パンチはお前にとってハグの様なものなんだな」
俺は会話の出来る状態ではあるようだ。
「いやいやハグじゃなくて儀式なんだってばぁ、人間界で言うところの契約ってやつなの!」
確かこいつはタイガーアッパーカットという何処かで聞いたことのある必殺技名を叫んでいたが...
「ほほぅ契約ってのは激しい痛みを伴うものなんだな〜、まぁそれは良くはないが良しとして、俺がお前とどんな契約を結んだんだ?」
ミーコはニコッと笑顔を見せて、
「簡単に分かりやすく言うなら婚姻契約みたいなものだよ〜」
頭に電撃が走る。
「すまんが分かりやすくないし混乱する一方なのだが...」
ミーコは人差し指を唇に当て一考しているようだ。数秒後に口を開き、
「細かい説明は追々するとして、まずは鏡で自分の顔を見てみようか〜!そしたら少しずつ理解して貰えるかも♡」
するとミーコは腰のあたりから鏡を取り出し俺に向けた。

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