話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

嫁ぎ先の旦那様に溺愛されています。

なつめ猫

一つ屋根の下での事情4(5)




「おかえりなさい」
 
 彼のカバンと上着を預かりながら出迎える。
  
「もうお風呂は出来ていますけど、ご飯とお風呂、どっちを先にしますか?」
「風呂で」

 ネクタイを預かり、彼が脱衣所に入っていった。
 スラックスを、脱衣所の籠から取り出したあとは、ハンガーに両方とも掛けて料理の準備をする。
 すでに下拵えは出来ているので、出来上がるまですぐ。
 用意が終わったところでドライヤーの男が聞こえてきた。
 料理をテーブルの上に並べたところで下着姿のままの高槻さんが居間に入ってくる。

「高槻さん、服を……。脱衣所に置いておきましたよね?」
「そうだな。だが、風呂を出たばかりだと寝間着を着たら濡れるだろう?」
「……それは、きちんと拭いていないからでは……」
「とにかく飯にするぞ」
「はい……」

 現役女子高校生と一緒に暮らしているのだから、もう少しデリカシーというのを持って欲しい。
 最初から、そんなモノを高槻さんは持っていなかったけど!
 食事を摂り始めたところで、「莉緒、近況報告などはあるか?」と、高槻さんが聞いてくる。

「近況報告って……、そういえば宮大工の方が総司さんに話したい事があるって言っていました」
「ふむ……。その件に関しては、夜が遅いから明日に確認だな。それと、この高槻神社に関しては実際に仕事を手伝っていた莉緒の方が詳しいんだ。お前が指揮を執ってくれて構わない」
「――え? でも、お金とか……」
「その点に関しては特に問題はない。いまは外見だけでも整えないといけない時期だからな。それと本当に緊急の時には、これからメッセージを送っておいてくれ」
「メッセージ? 留守番電話なんて設定されていませんでしたけど……」
「電話番号でメッセージが送れる。やり方は――」

 彼は立ち上がると、私の横に座る。
 その時に、ふいにお風呂上りの男性の匂いが鼻孔を擽った。
 それは何ともいえない不思議な匂い。

「何だ? 顔を赤くして」
「――な、なんでも――、ありません!」
「――ん? そうか?」

 高槻さんは自身の携帯を取り出すと、私にも携帯を取り出すように言ってきて携帯の基本操作をレクチャーし始めた。
 操作説明が終わったのは20分後。
 何度も怒られながらなんとかできるようになった。

「疲れました……」
「俺も莉緒みたいなもの分かりが悪い奴は初めてだ」
「仕方ないじゃないですか。私は、携帯電話を持ったことなんてなかったんですから」
「だから、殆ど電話してこなかったのか」
「いえ、ただ面倒かなって」
「……はぁ。とりあえず、今後、何かあればすぐに電話するように。分かったな?」
「はい……」

 食事を終えたあとは、何時ものように食器を洗い2階の自室に戻ったあとは寝床についた。
 



「嫁ぎ先の旦那様に溺愛されています。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く