神成

たかし

うぅっ、はっ!ここどこだ ︎
「やっと目ぇ覚めたか」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「あぁ?どうかしたか?どっか痛いのか?」
「わぁぁぁ!どうか!どうか、お許しをぉぉ!ちゃんと働くので暴力だけは、暴力だけは、やめてくださぃぃぃ!」
「あ?暴力?どうゆうことだ?」
目を覚ましたらそこにいたのは、さっきの巨大男だった。あはは。凄いなぁ。こんなに現実味のある夢は初めてだぁ。
「おん?なに言ってんだ?」
あっ。これ夢じゃないわ
俺は恐怖のあまり泣き出した。
「え?なんで泣いてるの?えーと、えーと、桃食うか?あれ?違う?」
「そ、か、え、あ、と、」
ダメだ。舌が回らない。
「アァ?なんだ?」
巨大男がさらに顔を近づけてくる。
「わぁぁぁぁ!食べないでくださぁい!」
「ぐへへー、食べちゃうぞー」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」
俺は断末魔だんまつまの叫びを上げた。
「ちょっと、なにやってんすか」
また悪い人が来る!
遺書いつ書こうかな
「駄目でしょ。りゅうさん。いきなり驚かせたら」
「うん?あぁ、しのびか。やっぱお前の足音は聞こえないな。さすが元忍者。」
なるほど、この巨大男は龍と言うのか。
それでもう1人は口を白い布で隠して藍色の服を着ている。名前は忍とかなんとか。まさに忍者だ。この人は・・・悪い人じゃなさそう。見た目で判断するのもなんだけど。
「君、ここの地域に住んでるの?」
「いや、この山を越えた小さい街です。」
「なんでこの街に来たの?」
あれ?これ追い出されたりしない?
でも正直に言おう。
「実は・・・」
俺はこれまでのことを正直に話した。




「なるほど。ありがとう。辛かったね」
俺はほぼ半泣きで話していた。
「てかよ。山を越えたんだろ?それって、えんかいが行った場所だろ?あいつら、馬鹿でけぇ屋敷に[悪]が居たって言ってたぞ?なら、あんた、親殺されたんか?」
龍さんが聞いてくる。
「おい、龍さん、この子も心が傷ついてるだろうから、そんな流暢りゅうちょうに聞くなよ。」
忍さんも言う。

なるほど。今回のことが上手くわかった。
とりあえず、俺の家族を殺したのはその[悪]と言うものだろう
「そ、その、[悪]って言うのは、どういうものなんですか?そういう悪い集団なんですか?」
すると、龍さんは
「うーん、人じゃないんだよなぁ。形は人間なんだよ。でもね。感情がないんだ。」
ん?どういうこと?
「見た目は翼のない悪魔みたいに黒くてね。人から感情をむしばんで感情を手に入れる。そこからそれぞれの形に変わってな、人の形を超越してる奴もいる。」
怖いなぁ。

俺は色々説明を聞いた。[悪]はどうやって生まれたのか。どのような形で成り立ってるのか。などなど、色んなことを教えて貰った。だけど、どうしても気になる点がある。

それは、『なぜ、そんなに詳しいのか』ということだ。気になったので早速聞いてみた。

「なんで、そんなに詳しいんですか?」
「あぁ、[善 ]には共に戦ってくれる[悪]が2人いて、[悪]の研究対象になったやつもいる」

す、凄い···!色んな人材がいる···!でも、話を聞いて俺は確信した。もう、この意思は曲げられない。
「俺、[善]に入りたいです!」



俺は全ての[善]が集まる部屋に呼ばれた。
寺のような外見をしたもうひとつの部屋に入った。
「失礼する。龍と忍だ。」
部屋から「良いぞ」と声が聞こえる。
扉を開けるとその中には十数人が居た。

目に装置をつけて、銃を持った男の人。そして、剣を持った男の人。鍔までしかない剣を持ち、仮面を被った男の人。
赤子みたいな姿の女の人一人と、男の人二人。鎧に身をまとった女の人。結構若いように見える。
軽そうな服装でおーい、兄ちゃぁん!と、叫ぶ男の人2人。などが居た。
凄い迫力だっ!よく分からないけど
「この子が[善]に入りたいんだとよ。」
忍さんが少し嬉しそうに言った

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