結構マジでやってます。

ノベルバユーザー458883

152話 進んだ先には。

進む事数時間。


「おかしいよ天…。」
「ど、どうしたのよ。」
「魔物が近づいて来ないんだよ。」
「それでいいじゃない。距離的にも結構進めたし。」
「だって未知の場所だよ?今までとは違う何かが起きるんだよ。」
「まぁ何かあるかもで構えるのはいいと思うけど。」


さっきの戦闘以降はピタリと魔物が寄り付かなくなった。
そんな状況に若干の不満をこぼす先輩。
あれだけ猪が来る方が異常なのか、何も無い今が異常なのか分からない。
坂俣さんが言う通り警戒はしておいていいだろう。


「む!あれは!!…あ、逃げた。」
「…和歌落ち着きなさい。」
「私はいつも落ち着いてるよ?」
「獲物を見つけたハンターの様に目を凝らして、しかも魔力も殺気もダダ漏れじゃ逃げるわよ。」
「魔力とか殺気とかよく分からないよ。ん〜要するに、やるぞ!感が出過ぎなんだね。」
「まぁそんな感じ。」
「むぅ……怖くない、怖くないよ〜。」
「聞いてるこっちは余計に怖いわよ。」


何か色々な試行錯誤がされてるみたいだけど、坂俣さんは先輩の扱いが上手だな…ぜひ参考にしよう。
それより順調に進んでると思うけど何にも見えて来ないな。
地図を確認しても左側は海のままで森の中に何もなし。
道は誰も来ないのか馬車とか通れなさそうな道ばかりだけど。


「翔さん何かありそうですか?」
「ん?あぁ目ぼしいものは何も…そもそも地図の機能ってなんでしょうね。」
「一度進んだ事がある場所周辺は分かるようになるくらいですかね?」
「今のとこは、森とか河とか建物は表示されますからね…拡大とか出来ればいいのに。」
「便利にしすぎると面白くない事でもあるのでしょうか?」
「案外自分の足で歩けって事なのかもですね。」


他愛も無い話をしつつ進み続ける。
戦闘もしばらく無いからか、走る速度も若干速くなっている。
坂俣さんも奏人さんも着いていけているし、きりんさんも迷走しないし大丈夫か。


「とーまーるーよー。」
「分かったわ。」
「あぁ。」
「はい。」
「ん?っと!?」


先輩の合図で皆んなが止まった。
俺までよく聞こえず前の人に追突しそうになったよ、急ブレーキは追突事故になっちゃうよ?


「どうしました?和歌先輩。」
「森を抜けたから、どうしようかと思って。」


先頭で走っていた先輩も地図を見ながら走っていて、海を表示できるギリギリを攻めていたらしい。
海岸に降りれなそうだし、ここで休んで翌朝走り出すか。


「地図には何も表示されませんね。しばらく荒野が続くのかもしれないですね。」
「ん〜……。」
「そしたら早いですがここで休んで…」
「あ!ん?ん〜…ん?」
「何よ。気になる事でもあんの?」
「天はあれ見えるかな?」
「あれ?」


先輩が唸って、坂俣さんに何か見えるか聞いているに皆んなが反応して見てみる。
あれって何だろう、星とかもしかして魔物か?んー…。


「あれかしら?なんか不自然な出っ張りと言うのか、建物にも見えるわね。」
「天にもそう見える?何かの建物に見える気がするんだよ。」
「翔、分かるか?」
「そう言われればそう見えなくも…奏人さんは見えます?」
「僕にはなんとも。そんな目がいいわけじゃないので、目は天がいいから遠いものは天に判断してもらうよ。」
「時間もまだあって障害物も特に見えませんし、あれが何か分かるくらい近づいてみますか。」


反対意見も無いので、先輩を先頭に気になるものを確認しに行く。
これだけ周りに何も無いところに、目ぼしいものは先輩と坂俣さんが見えたと言ってる建物かもしれない物だけか。


走る事1時間…


「天見える?私には塔みたいに見えるけど。」
「塔と言われればそうっぽいわね。でもどっかで見た事ある気がするのよね。」
「あれは……灯台?」
「あ、そうそれよ。」
「翔さんも見えるんですか?僕にはぼんやりとしか…。」
「私も人口的な何かに見えるな。」


そこから走り続け俺達は謎の灯台に着いた。


「新しい発見ってドキドキするね〜何があるんだろう。」
「中に何があるか分からんから、油断はするなよ和歌。」
「了解だよきりんちゃん。」
「「……。」」
「逸る気持ちも分かりますが、坂俣sqんと奏人さんが回復したらですよ。」


建物がしっかり見える距離になると、興奮して少し走るの速くなった。
着いては来れたものの2人は喋る余裕もなさそうだ。
中で何があるか分からないし休憩してからの突入する事になる。


とは言え、中に何があるんだろうか…俺自身も少しそわそわした気持ちを抑えつつ2人の回復を待っている。



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