結構マジでやってます。

ノベルバユーザー458883

128話 無表情からは読み取れない。

ネット側の勝負はヘレンさんに軍配が上がった。
サービスオーバーでワンオール。
その後、先に動いたのは…。


「…少し出る。」
「了解よ。」


―スッパーン。
―パーン。
―スポーン。
―ピン、がさっ。


「ツー・ワン。」


『ここで連続ポイント〜!』
『相手が前に出て来たのを見て焦りましたね。』
『点を取りにいく動きとしてはいいと思うがの。』
『ネット側で取り返したかったのもあるでしょうね。』


坂俣さんはヘレンさんを知らないから、動きを見て色々考えてるんだろうな。
あまり派手に動かないし、隙と言う隙も無いからなぁ。
喋ったり感情が出ればまだ読みやすいんだけど。


ルカさんには感情の変化や言葉はあるらしい。
分かるでしょ?って言われたが、全然分かりませんよ。
考えれば考えるだけ、それを読み取られて先読みの行動する人だしなぁ。


攻略法としてはルカさん側を狙うか、先輩みたいな何にも考えな…


『翔くん、何か?』
『いえ!何にも。』
『何かを感じたけど気のせい?』
『そうです。あ、次始まりますよ。』


―スッパーン。
っすっす。
「うい。」
―パーン。
―スポーン。
―ピン。
―ピン。


『今度は奏人くんが前に出て来たね。』
『何か合図していましたから、その結果出はないでしょうか。』
『彼女は冷静じゃの。しっかりダブルスできとるな。』
『そうですね。てっきり自分でいくと思ってましたよ。』


今度は前に出て来た奏人さんがヘレンさんとヘアピンの打ち合い。


―ピン。
―ピン。
―ピン。
「これかな。」
―パン。
―スポーン。
「そこも前なのね。」
―パン。
「…。」
―パーン。
「切り替えてきた?」
―パーン。
―スパ!
「うぉ!?」
―パン。
「…ルカ。」
「問題ないわ。」
―スパン!


「スリー・ワン。」


「天ごめん。」
「今のはしょうがないわ。」


『ここでさらに差をつけた!』
『ヘアピンとロブでスペースを開けてからのスマッシュは素晴らしいですわね。』
『一気に緩急変えて来るしやり辛いの。』
『考えれば考えるだけヘレンさん達のペースになりますから。』


だからその考えを上回る何かが勝利条件だろう。


俺が思うにバドミントンや戦闘をしてみて感じたのは、少し先の世界が見えているのでは?という事。
バドミントンとか普通に生活しているから、つい忘れそうになるがここ異世界だし。
ただそれは違う気がしていて、それで片付く問題ではない。


そうなるとヘレンさんは観察力と咄嗟の判断力が高いのではないか。
そう考えれば色んな事に納得が出来る。


だからなのか100…いや、120%直感型の先輩と戦うヘレンさんはやりずらそうだった。
まぁそう言う俺も先輩と戦うのはやり辛いけどね。




―スパン。
「フォー・ワン。」


『快進撃が止まらない!またも上手くスペースを作りそこに打ち込む!』
『お互いの動きに迷いも無いのですわね。』
『何でどうなってるか分からんが、余り語らんのに意思疎通が出来とるのじゃ。』
『あの2人だからこそだと思いますけど。』


連携に関しては坂俣さんと奏人さんが出来てない訳ではない。
どちらかと言うと出来てると思う。
だが相手の動きを見すぎているから、ズレや遅れが生じてしまう。
それを見逃すような相手では無い。


そもそもヘレンさんを見ていて、感情や癖など理解は出来るのだろうか?
少なからず顔や言葉などの表現がある相手であれば…。


「…。」
―スポーン。


「ファイブ・ワン。」


じぃー…。
「…。」
「ナイスよヘレン。」
「…あぁ。」


ポイント取ってもあれだからなぁ。
無表情から読み取れない。うん、コレだな!


ヘレンさんを知らない2人はこのままか…。
俺なら今すぐ動かないとっと思うけど…。


そう考えていたらこの試合で復活した奏人さんが動いた。
その動きが吉とでるか凶とでるか…。



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