結構マジでやってます。

ノベルバユーザー458883

118話 予想と予感。

スリーオールからのサービスオーバーは続いていく。


「和歌の試合と違って行ったり来たりの均衡した展開よね。」
「これぞバドミントンって気もしますが。翔さんはどう見ます?」
「そうですね。先にトゥエンティーいくのはローランドさん達ですがそうなったら負けると思ってます。」
「ほぉ。それはどうして?」
「恐らくですが、ロスアさんちょっと抑えてますよね。一人だけ見ている方向が違う気がするんですよ。」


―ズパァン!
「サービスオーバー、フォー・スリー。」


始まってからずっと引っかかっていた試合展開。
解説席で言っていたサービスが苦手なのか?の所で僅かにだがロスアさんの表情が変わった。
恐らく先輩も感覚的に気が付いているだろう。
その危険性も修正していくだろう。
だけどローランドさんとリコさんはまっすぐな人達だからなぁ。


―ピン。
「サービスオーバー、フォーオール。」


「あの2人はまっすぐですから、きっとロスアさんの考えに気が付かないでしょう。予想ですがこのゲームは31-30でローランドさんとリコさんが取ります。セカンドゲームは30-31でロスアさんとシロクさん。ファイナルゲームはできるかは2人次第ですね。」
「2人次第…魔力的なところでしょうか?」


―ズパァァン!!
「サービスオーバー、ファイブ・フォー。」


「分かったような感じで話しているけど。果たしてそうなるかしら。」
「坂俣さんは違うと?」
「2人は分かってないわ。シロクと言う人間を…ふふふ。」


坂俣さん怪しげに微笑む。


―スポーン!
「サービスオーバー、ファイブオール。」


坂俣さんに言われてシロクさんを注意深く観察している。


「あぁ、悔しい!次は私がとるからね!」
「まぁまぁ。シロク落ち着きましょう。」
「大丈夫よ、ロスア!私は冷静よ。」
「…冷静な子は自分で言わないものよ。」
「何か言った?」
「いーえ。次は頼むわね。」
「任せて!」


2人のやり取りを聞いていて引っかかるものを感じた。


「あの感じどこかで…なんだろう。」
「翔さん、どうかしましたか?」
「あ、いえ。シロクさんを見て、何かは分からないんですが気になって。」
「シロクは目が離せないわよね。分かるわ。」
「坂俣さんが言うように、目が離せない感じがそれなのかな?」


―ズパァァン!!
「サービスオーバー、シックス・ファイブ。」
「っしゃぁ!」


―ズパァン!
「サービスオーバー、シックスオール。」
「よぉし!」


―スパン!
「サービスオーバー、セブン・シックス。」
「よーし!」


―スポーン。
「サービスオーバー、セブンオール。」
「ふふふ。」


『混戦、混戦、大混戦!お互い一歩も譲らない!』
『やはり、サービスから攻められている結果が目立ちますね。』
『ここまでくるともはやサービス捨てているのかの。』


これだけ交互にポイントが続くと捨てていたり、苦手なのかとか思うだろう。
俺の予想と坂俣さんの予想を覆す可能性があるという話。
目が離せないシロクさんがこの試合の支配者なのだろうか?


予想と予感はこのあとの試合で分かる事。
一つ一つ目が離せない試合となりそうだ。

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